トイチ

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トイチとは、消費者金融・商工ローンなど貸金業において使われる用語である。

  1. 借入金利が「十日で一割の金利」の略で、年利365%の金利をさし、高金利の俗語としても用いられる。もちろん、利息制限法の年利20%を超過しており、かつ、出資法の年利29.2%をも超過している(詳しくは、金融業が29.2%で、それ以外は109.5%が限度)ため、どちらの法律にも違反することとなる。正規の貸金業者がこのような貸付を行うことは無く、ヤミ金と呼ばれる違法金融業者によって行われている。このような金融業者は複利での貸付を行うため、実質年利は1000~3000%を超える。
  2. 都(1)または都1と表記されるもので、正式に東京都知事の貸金業登録をしてはいるが、法外な高金利で貸付けをするヤミ金業者のこと。由来はその登録番号が「都(1)第○○○○○号」というように「都(1)」が付く事による(「都(1)」の数字「1」は、その金融業者の貸金業登録が初回、または登録後3年以内である事を表している)。こういった業者のほとんどが個人登録で、高金利により登録を取り消されることも多い。また、貸金業法の改正により、純資産が5000万円以上ないと登録を受けられないため、多くの都1業者がこれを理由として登録を取り消された。

本項では、特に1.のトイチについて記述する。

トイチで複利の例[編集]

  • 100万円を借りていると10日目に10万円の利子が発生する。
  • このまま返済を行わずに20日目になると前回の10万円の利子にトイチの利子がさらについて121万円になる。
  • 30日目には利子に利子がついて133万1000円になる。この調子で返済しないままでいると…
  • 40日目には146万4100円になる
  • 50日目161万510円
  • 60日目177万1561円
  • ~途中省略
  • 100日目259万3740円
  • ~途中省略
  • 200日目672万7487円
  • ~途中省略
  • 360日目には3091万2604円に達する

※10日毎に返済日が到来するものとし、1円未満の利息は切り捨てている。

実際の借入に際しては、借入時に第一回目の支払利子を差し引いた形で支払われるので、100万円の金銭消費貸借契約(借金契約)を結んだ場合、90万円が支払われる。100万円が欲しい場合には、112万円(111万1111円)を借り入れたこととなる。

また、実際の返済は、10日ごとに支払う形態が多く、利子のみ支払い元本を返済しない「スキップ」または「ジャンプ」、元本の一部と利子を支払う方法の2種類の方法がある。

類型[編集]

  • トイチ(10日で1割の金利) 年利 365% (単利)、年利 3142% (複利)
  • トニ(10日で2割の金利) 年利 730% (単利)、年利 77545% (複利)
  • トサン(10日で3割の金利) 年利 1095% (単利)、年利 1441791% (複利)
  • トヨン(10日で4割の金利) 年利 1460% (単利)、年利 21561119% (複利)
  • トゴ(10日で5割の金利) 年利 1825% (単利)、年利 267504316% (複利)
  • カラス金(1日で1割の金利)

判例[編集]

このような違法金融業者に対しては、法定上限金利以上の利息を支払う義務はなく、トイチなどの悪質な業者に対して、貸付自体が不法原因給付708条)になるため、元本すら返済する義務は無い、との判例が出ている。

  • 不法原因給付として、契約自体が無効であるという判例
    • 東京簡裁H15・2・13判決(平成14年(ハ)第13266号 債務不存在確認請求事件)
  • 支払額のうち、利息部分の返還が命じられた判例
    • 東京簡裁H14・10・24判決(平成14年(ハ)第11334号 不当利得返還請求事件)

関連項目[編集]