チョウセンスズガエル

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チョウセンスズガエル
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 両生綱 Amphibia
: 無尾目 Anura
: スズガエル科 Bombinatoridae
: スズガエル属 Bombina
: チョウセンスズガエル
B. orientalis
学名
Bombina orientalis
(Boulenger1890)
英名
Oriental bell toad
Oriental fire-bellied toad

チョウセンスズガエル(朝鮮鈴蛙、Bombina orientalis)は、スズガエル科に分類されるカエル

分布[編集]

種小名orientalisは「東の、東方の」の意で、その名の通り東アジアに分布する。

朝鮮民主主義人民共和国大韓民国済州島含む)、中華人民共和国北東部(安徽省以北)、ロシア沿海地方

形態[編集]

体長4-5cm。体形は扁平。背面の色彩は緑色や褐色で、黒い斑紋が入る。腹面の色彩は赤く、黒い不規則な斑紋が入る。

皮膚からは刺激性が強い毒物を分泌し、本種を触れた手で目を擦ると激しい痛みが生じる。

生態[編集]

平地から山地にかけての渓流等に生息する。半水棲で水辺や水中で主に生活するが、水から離れた場所で見つかることもある。オスの鳴き声が鈴の音のように聞こえることが、和名や英名(Bell=ベル、鈴)の由来。外敵に襲われると四肢と体を反ったりひっくり返り、腹面の警戒色を見せて威嚇する。

食性は肉食性で昆虫類甲殻類ミミズ等を食べる。

繁殖形態は卵生。大韓民国では3-4月に岩や流木の下、水草等に、約300個の卵を産む。

人間との関係[編集]

ペットとして飼育されることもあり、日本にも輸入されている。科や属内では最も流通量が多い。アクアテラリウムで飼育される。脱走防止のため、上面は金網等で蓋をする。ケージに水を張り、砂利を盛ったり岩や流木を組んで陸場を作る。餌は生体に合わせた大きさのコオロギ等を、生体の目の前の水面に落として与える。複数のペアを飼育すれば、飼育下での繁殖も難しくはない。本種に限ったことではないが皮膚から刺激性の強い毒物を分泌するため、素手で直接触れることは避ける。もし素手で触れてしまった場合は、すぐに手を洗うようにする。

参考文献[編集]

  1. ^ Sergius Kuzmin, Li Pipeng, Masafumi Matsui, Vladimir Ishchenko, Irina Maslova (2004). "Bombina orientalis". IUCN Red List of Threatened Species. Version 2014.3. International Union for Conservation of Nature.
  • 千石正一監修 長坂拓也編 『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、239頁。
  • 『小学館の図鑑NEO 両生・はちゅう類』、小学館2004年、28頁。
  • 海老沼剛 『爬虫・両生類ビジュアルガイド カエル1 ユーラシア大陸、アフリカ大陸とマダガスカル、オーストラリアと周辺の島々のカエル』、誠文堂新光社2006年、9頁。
  • 海老沼剛 『かえる大百科』、マリン企画、2008年、15頁。