チャイルド44 森に消えた子供たち

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チャイルド44 森に消えた子供たち
Child 44
監督 ダニエル・エスピノーサ
脚本 リチャード・プライス
原作 トム・ロブ・スミス
チャイルド44
製作 リドリー・スコット
マイケル・シェイファー英語版
グレッグ・シャピロ
製作総指揮 アダム・メリムズ
エリーシャ・ホームズ
ダグラス・アーバンスキー
ケヴィン・プランク
モリー・コナーズ
マリア・セストーン
サラ・E・ジョンソン
ホイト・デヴィッド・モーガン
出演者 トム・ハーディ
ゲイリー・オールドマン
ノオミ・ラパス
ジョエル・キナマン
ジェイソン・クラーク
ヴァンサン・カッセル
音楽 ヨン・エクストランド英語版
撮影 オリヴァー・ウッド
編集 ディラン・ティチェナー
ピエトロ・スカリア
製作会社 Worldview Entertainment
Scott Free Productions
配給 アメリカ合衆国の旗 サミット・エンターテインメント/ライオンズゲート
日本の旗 ギャガ
公開 アメリカ合衆国の旗 2015年4月17日
日本の旗 2015年7月3日
上映時間 137分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $50,000,000[1]
興行収入 $3,324,330[2]
7000万円[3] 日本の旗
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チャイルド44 森に消えた子供たち』(チャイルド44 もりにきえたこどもたち、原題: Child 44)は、ダニエル・エスピノーサ監督による2015年のアメリカ合衆国のスリラー映画。トム・ロブ・スミスの小説「チャイルド44」を原作としている。

あらすじ[編集]

1933年スターリン体制下のソビエト連邦ホロドモールと呼ばれるウクライナの飢饉は、無数の孤児を生んだ。そんな孤児の一人であった少年は、飢えと暴力が横行する孤児院から脱走し、とある軍人に保護される。名前を捨てたと語る少年に、軍人は「レオ」の名前を与え、養子にした。

1945年、レオ・デミドフ(トム・ハーディ)は戦友のアレクセイ(ファレス・ファレス)、部下のワシーリー(ジョエル・キナマン)とベルリンにいた。ドイツ軍の激しい抵抗におびえるワシーリーを、レオはアレクセイとからかう。戦闘終了後、ソ連国旗を国会議事堂の建物屋上から掲げることになり、レオがその任に選ばれる。写真は報道され、レオは戦場の英雄となった。

1953年、MGB(ソ連国家保安省)の捜査官となっていたレオは、スパイの容疑がかけられている獣医のブロツキー(ジェイソン・クラーク)の捜索のため、部下を引き連れて一軒の農家を訪ねる。農夫と妻が口を割ろうとしない中、農家から走り去って行くブロツキーの姿に気づいたレオは飛び出し、草原で自分を殺せと暴れるブロツキーと格闘する。レオが逮捕したブロツキーと戻ると、ワシーリーが、見せしめと称して農夫と妻を2人の娘たちの前で射殺してしまう。自身も孤児院で育ったレオは激昂し、ワシーリーを叱り飛ばす。レオは残された2人の娘を慰めようとするが、彼女たちがショックから立ち直る気配はない。

レオの友人のアレクセイの息子ユーラの死体が、線路脇の森で見つかる。死体は外科医のような手際で胃が切除されているうえ、溺死の症状を呈していた。しかし、ヨシフ・スターリンの「殺人は、資本主義の病である」という言葉の下、クズミン少佐(ヴァンサン・カッセル)は列車事故として処理しようとする。クズミンの命令を受けたレオは、検視報告書を手に親友のアレクセイの家を訪れ、殺人事件だと主張するアレクセイを強引に納得させる。

説得から戻ったレオは、クズミン少佐(ヴァンサン・カッセル)から新たな指示を受ける。ブロツキーは銃殺刑に処せられる前に他のスパイたちの名前を自白し、そのリストにはレオの妻のライーサ(ノオミ・ラパス)の名前も挙がっているという。レオは、ライーサがスパイである証拠を見つけ出して彼女を告発するという任務を命じられる。しかし、レオの周辺調査でも、それらしい証拠は見つからなかった。困惑したレオは養父に相談するも、「『誰も売らなかった』という満足感を抱いて一家4人死ぬか、1人だけ死ぬかだ」と、暗に告発を促され、さらに困惑する。そこへ毎週水曜日に養父母と食事をしているというライーサが訪ねてくる。それとなく勤務先からの立ち寄り先を訪ねたレオに、ライーザは「二人きりの時に言うつもりだったが、病院で妊娠したことがわかった」と告げる。喜んだレオは、妻を告発しない決意を固める。レオは妻とともに夜中に連れ出され、銃殺場に連れていかれるなど散々脅された末、民警に降格の上ヴォルスクへ左遷されることになる。ライーサは自分にかけられたスパイ容疑は、レオに対する忠誠度のテストだったのではないか、と語る。

レオがヴォルスクに赴任したのち、アレクセイの息子と似た状況で別の少年の死体が発見されたことから、レオは同一犯による連続殺人の可能性を疑う。彼は、ネステロフ将軍(ゲイリー・オールドマン)の協力を得て、44人もの少年たちが同様の手口によって殺されていることを突き止める。

一方、ライーサは、今まで住んでいたのとは比べ物にならない貧相なアパートをあてがわれ、赴任先の小学校ではトイレ掃除以外の仕事を与えられないなど屈辱的な扱いに参ってしまい、ワシーリーの甘言にのってモスクワへ帰ろうとする。妻の失踪に気づいたレオは駅で列車を待つライーサに間一髪で追いつき、連れ戻す。ライーサは妊娠が告発を免れるための嘘だったこと、レオと結婚するつもりはなかったが、MGB捜査官である彼のプロポーズを断った場合の報復が怖くて泣く泣く結婚したことを告白する。レオは、事件が解決した後なら、離婚を了承する、とライーサと約束する。

一方、本来認められないはずの「連続殺人事件」を追うレオとベステロフ将軍を、MGBが彼らを国家の敵として追及してきた。レオとライーサは護送列車に乗せられ、秘密裏に殺害されかけるが、刺客を返り討ちにして脱走する。

レオとライーサは、過去2年で9件の少年殺害事件が起きたロストフへ向かう。トラクター工場の勤務記録から、マレヴィッチ(パディ・コンシダイン)が容疑者として浮上する。レオの存在に気づいたマレヴィッチは逃走を図るが、森へ追いつめられる。第二次世界大戦では軍医だったマレヴィッチは、戦場の英雄と称えられた元兵士のレオと同じく、自らも孤児院で育ったのだとレオに告げる。マレヴィッチの言葉にレオは動揺するが、その場に駆けつけたワシーリーがマレヴィッチを射殺する。レオを憎むワシーリーはレオとライーサに襲いかかるものの、2人の反撃により絶命する。

連続少年殺害事件への対応からMGBの組織は一新されることとなり、クズミン少佐は逮捕され、レオのモスクワへの復帰が実現する。上官から昇進を打診されたレオは、その誘いを断る代わりに、殺人捜査課を新設してネステロフを責任者として登用するよう求める。

両親を殺された2人の少女がいる孤児院にレオとライーサがやって来る。レオとライーサは少女たちの部屋を訪れ、できることなら2人を養子に迎えたいという気持ちを伝える。レオとライーサが緊張して廊下で待っていると、荷物を抱えた少女たちが部屋を出て来る。新たな家族となった4人は孤児院をあとにするのだった。

キャスト[編集]

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上映[編集]

ロシアでは、公開予定日の前日にあたる2015年4月15日に、上映の中止が発表された[4]。この決定を配給会社のセントラル・パートナーシップと共に下したロシア文化省は、第二次世界大戦直後のソビエト連邦を舞台とした本作について「史実を歪めている」と非難した[4]。アメリカ合衆国では、2015年4月17日に公開された[5]

評価[編集]

Metacriticでは、25件のレヴューで平均値は41点だった[6]Rotten Tomatoesでは、66件のレヴューで平均値は4.6点、支持率は24%だった[7]

Los Angeles Times』のケネス・トゥランは、「アクション映画を得意とする監督のダニエル・エスピノーサは大きな物語と社会的な題材のなかで身動きが取れなくなっている」と指摘し、「本作は時折、『ドクトル・ジバゴ』と『羊たちの沈黙』の統合失調症的な混合に化している」と批判した[8]

脚注[編集]

  1. ^ Child 44”. The Numbers. 2015年7月10日閲覧。
  2. ^ Child 44”. Box Office Mojo. 2015年7月10日閲覧。
  3. ^ キネマ旬報」2016年3月下旬号 82頁
  4. ^ a b Kozlov, Vladimir (2015年4月20日). “Russia Promises to Release Banned 'Child 44' on DVD and Online”. The Hollywood Reporter. 2015年7月6日閲覧。
  5. ^ D'Alessandro, Anthony (2015年5月1日). “Tom Hardy Soviet Drama ‘Child 44’ Bombs At Box Office: What The Hell Happened?”. Deadline.com. 2015年7月6日閲覧。
  6. ^ Child 44”. Metacritic. CBS Interactive. 2015年7月6日閲覧。
  7. ^ Child 44”. Rotten Tomatoes. Flixster. 2015年7月6日閲覧。
  8. ^ Turan, Kenneth (2015年4月16日). “Review: 'Child 44' a passable thriller set in 1953 USSR”. Los Angeles Times. 2015年7月10日閲覧。

外部リンク[編集]