セルライト

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セルライト

セルライトCellulite)は、皮下脂肪のうち、体表に現れる皮膚の凸凹の変化で主に腹部・臀部・大腿部に不均一かつブロック状に存在する組織を指すとされる。肥満とは異なる[1]

概念の起源と変遷[編集]

「Cellule(細胞)+ ite(鉱物)」の合成語としてフランスで生まれたと言われている。1973年、ニューヨークエステティックサロンの経営者であるニコール・ロンサードがセルライトについての本を書きベストセラーになったことから一般に広く知られるようになった。

日本においては日経産業新聞、1996年の記事でセルライトが紹介されている。関係業界やマスメディア、特にテレビの健康番組を通して2000年代以降日本でも一般に流布するようになった。

医学的評価[編集]

医学的には、セルライトが原因とされる肌の凹凸は、皮下脂肪が溜まった結果、肥大した脂肪細胞から分化している線維芽細胞が皮膚の方に引っぱられた状態に過ぎないというのが一般的な見解である[2]。病理的なものであるということには疑いがもたれており[3]、健康な組織であるという見解が支配的である[4][5]。女性に多く見られるのは、もともと皮下脂肪が多いためであり、これらは病気や異常と見なされていない。

超音波断層撮影(ulrasonography)法は表皮下にある真皮・皮下脂肪の構造を観察する為に利用される事がある[6]

研究では、大腿部などセルライトが発生しやすい箇所の脂肪とその他の箇所の脂肪で生化学構造の違いはなく、そのような特別な脂肪は存在しないことが確認されている。医学関係文献データベース「PubMed」で検索すると、2012年8月時点で201の文献が掲載されており、直接的な研究も進んでいる[7]

対処法[編集]

美容業界や健康食品業界などの関連業界では、セルライトは脂肪が変形して固まってしまっているため通常の皮下脂肪に対する対処法では解消できないと説き、マッサージから美容整形手術にわたる特別な治療や、専用の食品を用いる食事療法が必要であるとしているが、医学的立場からは、セルライトと呼ばれているものは普通の皮下脂肪と変わりないので、運動とカロリー制限を組み合わせることによる通常のダイエットで皮下脂肪が減少すると、その凸凹の脂肪も減少し目立たなくなるとされる[8]

コラーゲンの摂取によりセルライトが減少する[9]との報告がある。また、オウレン抽出物が脂肪細胞の分化誘導抑制作用と脂肪分解促進作用を有するとする研究があることからセルライト対策へ応用が検討されている[10]

脚注[編集]

  1. ^ 尾見徳弥、沼野香世子、「皮膚科医のための臨床トピックス セルライト」 臨床皮膚科, 69巻5号, 2015/4/10, doi:10.11477/mf.1412204429
  2. ^ Richard J. Moskowitz, David Zieve. Cellulite Medline Plus, 2014-12-2. ここには「セルライトの治療」といったタイトルの論文が示されている。
  3. ^ “So-called cellulite: an invented disease”. J Dermatol Surg Oncol 4 (3): 221–9. (1978). PMID 632386. 
  4. ^ Cellulite: MedlinePlus Medical Encyclopedia
  5. ^ 矢久保修嗣、木下優子、荒川泰行 ほか、セルライトに対する漢方医学的検討 和漢医薬学雑誌 19(Supplement), 85, 2002-08-05, NAID 110002536646
  6. ^ 高橋元次、皮膚の機能・特性と物理計測 表面科学 Vol.35 (2014) No.1 p.4-10, doi:10.1380/jsssj.35.4
  7. ^ Pubmed検索
  8. ^ ALL ABOUT 健康と医療
  9. ^ Dietary Supplementation with Specific Collagen Peptides Has a Body Mass Index-Dependent Beneficial Effect on Cellulite Morphology. Schunck et al.:J Med Food., 18(12), 1340-1348 (2015), doi:10.1089/jmf.2015.0022
  10. ^ 屋敷(土肥)圭子、木曽昭典、周艶陽 ほか、オウレン抽出物とその主成分ベルベリンがヒト皮下由来脂肪細胞に及ぼす分化誘導抑制作用および脂肪分解促進作用 日本化粧品技術者会誌 Vol.43 (2009) No.4 P.274-280, doi:10.5107/sccj.43.274

関連項目[編集]