コードスイッチング

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コードスイッチングとは、2つ以上の、言語体系ないし言語変種の切り替えが行われること。

概要[編集]

コードスイッチングは、言語形式上、文中コードスイッチング(intra-sentential codeswitching)と、文間コードスイッチング(inter-sentential codeswitching)に分けられる。文中コードスイッチングとは、1文の中でコードスイッチングが起こっているものである。一方、文間コードスイッチングとは、1文の後の次の文が別な言語に切り替わっているものである。また、これら以外に、感動詞や日本語の終助詞などにおいてコードスイッチングが起こっているものは、付加コードスイッチング(tag codeswitching)、あるいは象徴的コードスイッチング(emblematic codeswitching)などと呼ばれることもある。[1][2]

またコードスイッチングは、その発生する要因によって、状況的コードスイッチング(situational codeswitching)と、隠喩的コードスイッチング(metaphorical codeswitching)に分けられる。状況的コードスイッチングとは、対話相手の変化、対話場面の変化、対話地点の変化といったシチュエーションの変化にしたがって起こるものである。一方、隠喩的コードスイッチングとは、話者が発言に何らかの特別な意味やニュアンスを含ませるために起こるものである。つまり、前者は外的要因によって起こるコードスイッチングであり、後者は内的要因によって起こるコードスイッチングであると言える。[3] なお、隠喩的コードスイッチングに関しては、会話的コードスイッチング(conversational codeswitching)と呼ばれることもある。[4]

ダイグロシア状態において、高位変種(H変種)と低位変種(L変種)の両方が会話の中で表れる際にも、コードスイッチングと呼べる。この場合も前述のように、シチュエーションの変化による高位変種と低位変種の切り替えは状況的コードスイッチングと言え、一方で、進行する会話の途中での話者自身の意思による高位変種と低位変種の切り替えは隠喩的コードスイッチング(あるいは会話的コードスイッチング)と言える。

コードスイッチングの動機に関しては、さまざまな研究がなされているが、語用論的な理由や、社会的な動機が多く研究されている。なお、日本での研究の例として、在日コリアンの場合、在日何世か、一時的な留学生かどうかなどによって、コードスイッチングの仕方に違いがあることなどが示されている[5]

コードスイッチングは、20世紀半ばの北米でも、いずれの言語も十分に話せないために思いつく語やフレーズを混ぜるという話者の戦略だと思われてきた。しかし、多くの研究により、両言語が十分話せる話者も行っていることが証明されている。

出典[編集]

  1. ^ Poplack, Shana (1980年). “Sometimes I'll start a sentence in Spanish y termino en español: toward a typology of code-switching”. Linguistics18: 581-618. 
  2. ^ 東照二 (2009). 社会言語学入門 生きた言葉のおもしろさに迫る. 研究社. 
  3. ^ Blom, J. P. and J. J. Gumperz; J. J. Gumperz and D. Hymes (1972). Directions in Sociolinguistics - Social meaning in linguistic structure: Code-switching in Norway-. New York: Holt, Rinehart and Winston. 
  4. ^ Gumperz, John J. (1982). Discourse Strategies.. Cambridge: Cambridge University Press. 
  5. ^ 真田信治生越直樹任榮哲(編集)『在日コリアンの言語相』 和泉書院 2005年2月発行 ISBN 4757602839

参考文献[編集]

  • 東照二(著)『社会言語学入門<改訂版> 生きた言葉のおもしろさに迫る』研究社 2009年11月発行 ISBN 4327401579
  • 山本雅代(編集)『バイリンガリズム入門』大修館書店 2014年7月発行 ISBN 4757602839

関連項目[編集]