コンピュータX線撮影

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コンピュータX線撮影(コンピュータエックスせんさつえい、computed radiography, CR)とは、広義にはコンピュータでの画像処理を前提としたX線撮影法を指し、狭義にはX線フィルムの代わりにイメージングプレート(IP)を用いたX線撮影法を指す。

近年、大面積の半導体検出器を用いたFPD(Flat Panel Detector)が広義のComputed radiographyとして普及しつつあるが、これに対してIPを用いる在来型のComputed radiographyを、"CR"と表記することが多い。

コンピュータX線撮影によって撮影された画像

大面積の半導体検出器や複数の電荷結合素子(CCD)を用いる方法がある。それぞれに感度、解像度、処理速度等に一長一短がある。

CRシステムで撮影したデジタル画像は、モニタでの直接読影できるのは勿論のこと、ドライイメージャでフィルムに出力して、一般的にレントゲン写真と呼ばれている形態とし、シャウカステンを用いて読影することができる。

富士フイルムの「FCR (Fuji Computed Radiography) 」が有名。フィルム代や現像薬品代、フィルム保管場所などの節約が可能となる。(但しモニター読影する場合のみ。ドライイメージャーなどで出力すると材料費などがかかる)日本の健康保険診療では通常のレントゲン撮影に比べ「ディジタル加算」という追加算定が発生する。

医療以外の分野では非破壊検査の一環として放射線透過検査化石等の地質学調査や美術品の真贋調査や科学捜査考古学上の遺物の調査等にも使用される。

歴史[編集]

コンピュータの性能が向上しつつあった1970年代から開発が行われ、当初は工業用に電子写真を用いた方法が開発された。しかし、電子写真を使用する方法では検出器の感度が低く、被爆量が従来のX線写真よりも増えるので、医療分野への適用は当時は見送られた。1980年のハント兄弟による買占めによる銀の木曜日英語版による銀相場高騰(シルバーショック)により、各社のX線写真用フィルムは原価割れになった[1]。このような状況を打開するために非銀塩式X線撮影装置の開発が各社で進められた。

コンピュータの処理能力が限られていた1980年代から1990年代には撮像によって得られた大量のデータを一括処理する機構がまだ不十分だった。そこで輝尽性蛍光体を利用してX線で撮像したデータを撮像後に読み取る方法が開発された。その後、1980年代から1990年代にかけてこの方式が普及したが、2000年代以降はアモルファスセレン薄膜トランジスタ(TFT)アレイを用いたフラットパネルディテクター(FPD)[2][3]電荷結合素子(CCD)を用いる装置が普及しつつある。

関連項目[編集]

脚注[編集]

資料[編集]

外部リンク[編集]