クマタケラン

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クマタケラン
クマタケランの花
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
階級なし : ツユクサ類 commelinids
: ショウガ目 Zingiberales
: ショウガ科 Zingiberaceae
: ハナミョウガ属 Alpinia
: クマタケラン A. × formosana
学名
Alpinia × formosana K.Schum.

クマタケラン(熊竹蘭[1]、高良薑[2]、学名:Alpinia × formosana[3][4])はショウガ科ハナミョウガ属の常緑多年生草本。

ゲットウアオノクマタケランの中間的な形態を示し、両種の雑種と推測されている[1]

特徴[編集]

アオノクマタケランより大型だが、ゲットウより小型[1][4]。葉は革質で濃緑色。花序が垂下せず[5]直立する点でゲットウと異なり、唇弁には紅色と黄色の斑紋がある点でアオノクマタケランと異なる。果実の縞模様はゲットウより薄く、ゲットウとアオノクマタケランの中間的な形態を示す。種子に稔性がない[5]ことから、両種の雑種と推測されている[1][5]

分布と生育環境[編集]

台湾原産で九州南部~先島諸島で野生化(自生説もあり)[1]、あるいは九州南部~琉球に分布する[4]と記されている。低地~山地林内に生育する。

利用[編集]

クマタケランの果実。縞模様は明瞭でない

植栽[1]。葉はゲットウと同様に食物を包む材料として使われる[4]

奄美群島では「かしゃ」と呼び、よもぎ餅をクマタケランやゲットウの葉で包んだかしゃもちが食されている。

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f (大川 & 林 2016, p. 72)
  2. ^ 『牧野日本植物圖鑑』北隆館、1940年。 
  3. ^ (米倉 & 梶田 2003)
  4. ^ a b c d (片野田 2019, p. 128)
  5. ^ a b c (堀田 1997, p. 10-182)

参考文献[編集]

  • 大川智史; 林将之『琉球の樹木』文一総合出版、2016年。ISBN 9784829984024 
  • 片野田逸朗『琉球弧・植物図鑑 from AMAMI』南方新社、2019年。ISBN 9784861244056 
  • 米倉浩司; 梶田忠「クマタケラン」『BG Plants 和名-学名インデックス(YList)』2003年。 
  • 堀田満 著、週刊百科編集部 編『朝日百科 植物の世界』朝日新聞社、1997年、10-182頁。ISBN 4023800104