キス・アンド・クライ

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2002年全米フィギュアスケート選手権でコーチと共にキス・アンド・クライで待機するミシェル・クワン

キス・アンド・クライKiss and Cry)は、フィギュアスケート競技会で競技後、選手とコーチが採点結果の発表を待つために、スケートリンク脇に設置された小さな待機スペース[1]。略称は「キスクラ」。

選手とコーチは、しばしば良い演技をした後に、それを祝うために接吻をしたり、失意のを流したりするので、その名前が付けられた。

概要[編集]

この場所は、通常、リンクの角または端に位置し、スケーター及びコーチが競技結果を見る為のモニターが設置されており、ベンチまたは椅子が備えられている。テレビ中継や報道機関の写真撮影のために、やその他で装飾されていることが多い。

1983年ヘルシンキで開催された世界フィギュアスケート選手権で大会組織委員であったフィンランドのフィギュアスケート役員ジェーン・エルコが、イベントに先立ってテレビ局の技術者とともにアリーナを訪れた際に、その技術者にこの場所を何と呼べばいいのかと言われた。そのときに、エルコが”キス・アンド・クライ”と名付けた[2][3]

オリンピックでは、1984年サラエボオリンピックで公式の待機場所が登場した。「キス・アンド・クライ」という言葉は1990年代初めから広く使われていたが、国際スケート連盟規則でも公式に使用されている[4]。アメリカとその他の各国のスケート連盟は、待機中の振る舞いをスケーターに指導している[5]

フィギュアスケート以外での使用例[編集]

いくつかの体操競技でも、「キス・アンド・クライ」という言葉が使われている。

東京2020オリンピック・パラリンピック大会では、馬術競技など多くの競技会場でも「キス・アンド・クライ」という呼称が使用された[6]

脚注[編集]