インディアン座イプシロン星

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インディアン座ε星A
Epsilon Indi A
星座 インディアン座
視等級 (V) 4.69[1]
分類 K型主系列星[1]
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α) 22h 03m 21.65809s[1]
赤緯 (Dec, δ) -56° 47′ 09.5169″[1]
赤方偏移 -0.000133±0.000001[1]
視線速度 (Rv) -40.00 Km/s[1]
固有運動 (μ) 赤経:3960.93 ± 0.24 ミリ秒/[1]
赤緯:-2539.23 ± 0.17 ミリ秒/年[1]
年周視差 (π) 276.06 ± 0.28 ミリ秒[1]
距離 11.82 ± 0.03 光年
(3.626 ± 0.009 パーセク[2])
絶対等級 (MV) 6.88
物理的性質
半径 0.732 ± 0.006 R[3]
質量 0.762 ± 0.038 M[3]
自転速度 1.46 Km/s[3]
スペクトル分類 K5V[1][3]
表面温度 4630 K[3]
金属量[Fe/H] -0.06[3]
年齢 13 億年[4]
別名称
別名称
HD 209100, GJ 845, HR 8387, CP-57°10015, GCTP 5314.00, LHS 67, UGPMF 544, LCC 0180
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インディアン座ε星(インディアンざイプシロンせい、Epsilon Indi, ε Ind / ε Indi)は、インディアン座の方向にある5等級のK型主系列星である。

性質[編集]

大きさの比較
太陽 インディアン座ε星
The Sun Exoplanet

インディアン座ε星は太陽の0.762倍の質量と0.732倍の半径を持つ、太陽より小ぶりな恒星である。年齢は13億年と太陽よりかなり若い。地球からの距離は11.82光年と近く、地球から17番目に近い恒星である。インディアン座ε星の位置から見ると、太陽北斗七星のカップの部分(おおぐま座α星からおおぐま座δ星の部分)の方向にある2等級の恒星として見えるはずである。

インディアン座ε星は肉眼で観測できる恒星のうち2番目に固有運動が大きい恒星でもある(最も速いのははくちょう座61番星)。しかし、非常に条件が良く暗い夜空であるとすると、6.4等星のグルームブリッジ1830が加わるために実質的には3番目に固有運動が大きい恒星となる。

褐色矮星[編集]

インディアン座ε星Ba
Epsilon Indi Ba
星座 インディアン座
視等級 (V) 24.12 ± 0.03[5]
分類 褐色矮星
軌道の種類 Bbと共にAを公転する周回軌道
発見
発見日 2003年1月
発見方法 直接撮影
軌道要素と性質
軌道長半径 (a) ~1500 AU[6][7](Aとの距離)
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α) 22h 04m 10.52s[8]
赤緯 (Dec, δ) -56° 46′ 57.7″[8]
固有運動 (μ) 赤経:4157 ± 41 ミリ秒/年[8]
赤緯:-2478 ± 25 ミリ秒/年[8]
年周視差 (π) 275.79 ± 0.69 ミリ秒[8]
物理的性質
半径 0.080-0.081 R[5]
質量 67.6-69.1 MJ[5]
表面重力 5.43-5.45 cm/s-2[5]
スペクトル分類 T1V[8]
光度 -4.699 L[5]
表面温度 1352-1385 K[5]
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インディアン座ε星Bb
Epsilon Indi Ba
星座 インディアン座
視等級 (V) ≥26.60 ± 0.05[5]
分類 褐色矮星
軌道の種類 Baと共にAを公転する周回軌道
発見
発見日 2003年8月
発見方法 直接撮影
軌道要素と性質
軌道長半径 (a) ~1500 AU[6][7](Aとの距離)
2.65 ± 0.01 AU[7](Baとの距離)
物理的性質
半径 0.082-0.083 R[5]
質量 50.0-54.5 MJ[5]
表面重力 5.27-5.33 cm/s-2[5]
スペクトル分類 T6V[8]
光度 -5.232 L[5]
表面温度 976-1011 K[5]
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2003年1月、インディアン座ε星の周囲を公転する褐色矮星を発見したと発表された[6]。さらに8月、その褐色矮星と別の褐色矮星が発見された。これら二つの褐色矮星はそれぞれインディアン座ε星Baインディアン座ε星Bbと名付けられている。当時発見されていた中では最も近い褐色矮星であった。

インディアン座ε星Ba[編集]

大きさの比較
木星 インディアン座ε星Ba
Jupiter Exoplanet

インディアン座ε星Baは当初、木星の47±10倍[7]の質量を持つとされたが、2009年にarXivに投稿された論文では木星の67.6倍から69.1倍となっている[5]。半径は太陽の0.08倍(木星の約0.78倍)である。スペクトルではT1V型に分類される。インディアン座ε星Aからは約1500天文単位離れている[6]

インディアン座ε星Bb[編集]

大きさの比較
木星 インディアン座ε星Bb
Jupiter Exoplanet

インディアン座ε星Bbは当初、木星の28±7倍[7]の質量を持つとされたが、先述の論文で木星の50倍から54.5倍になっている。質量はBaより小さいが、半径はBaよりやや大きく、木星の約0.8倍である。スペクトルではT6V型に分類される。表面温度はBaより380Kも低い。2.65天文単位離れているBaと連星系を成しており、お互いを公転しながらインディアン座ε星Aを長い時間かけて公転しているとされている。

フィクション[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k eps Ind -- Pre-main sequence Star”. SIMBAD Astronomical Database. 2016年1月15日閲覧。
  2. ^ M. Janson et al. (2009年6月23日). “Imaging search for the unseeen companion to ε Ind A - Improving the detection limits with 4μm observations*”. arXiv:0906.4145v1 [astro-ph.EP]. 
  3. ^ a b c d e f B.-O. Demory et al. (2009年6月2日). “Mass-radius relation of low and very low-mass stars revisited with the VLTI*”. arXiv:0906.0602v1 [astro-ph.SR]. 
  4. ^ Lachaume, R.; Dominik, C.; Lanz, T.; Habing, H. J. (1999). “Age determinations of main-sequence stars: combining different methods”. Astronomy and Astrophysics 348: 897–909. Bibcode 1999A&A...348..897L. 
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m Robert R. King et al. (2009年11月16日). “ε Indi Ba, Bb:a detailed study of the nearest known brown dwarfs*”. arXiv:0911.3143v1 [astro-ph.SR]. 
  6. ^ a b c d Scholz, Ralf-Dieter; McCaughrean, Mark (2003年1月13日). “Discovery of Nearest Known Brown Dwarf: Bright Southern Star Epsilon Indi Has Cool, Substellar Companion”. European Southern Observatory. http://www.eso.org/public/outreach/press-rel/pr-2003/pr-01-03.html 2016年1月15日閲覧。 
  7. ^ a b c d e M. J. McCaughrean et al. (2003年10月18日). “εIndi Ba,Bb: the nearest binary brown dwarf”. arXiv:astro-ph/0309256v2. 
  8. ^ a b c d e f g eps Ind B -- Brown Dwarf (M<0.08solMass)”. SIMBAD Astronomical Database. 2016年1月15日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]