イランにおけるHIV/AIDS

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本稿では、イランにおけるHIV/AIDSについて述べる。

歴史[編集]

イランでは1980年代後半から、HIV感染が広がり始めた。感染拡大はこれまで3回あったという。1度目は輸血を通じてである。2度目は薬物使用者(主に男性)の注射器のまわし打ちによってである。2008年以降、感染した男性が売春婦や妻にうつす3度目の感染拡大期に入っているという[1]

現状[編集]

保健省の統計では、2010年9月現在の感染者は、男性2万人あまり、女性1700人あまりである。しかし把握できていない感染者は6万人ほどと推定されている。実際、バヒドダストジェルディ保健大臣は2010年11月、放置すれば感染者は10万人を越すと警告した[1]

啓発活動[編集]

イランには実際には売春婦が存在するのだが、厳格なイスラム教国であるため、そのような現実をおおっぴらに論じること自体が難しい。そのため、政府の啓発活動も遅れていた。それでも政府は2010年10月から、国営テレビでアニメ画像の啓発コマーシャルを始めたが、検査を促すだけで、エイズがどのような病気かを伝えていない[1]

出典[編集]

  1. ^ a b c 北山学「イラン、タブー下のエイズ - イスラム禁じる売春通じ拡大 」(世界発2011)『朝日新聞』2011年3月11日付朝刊(2外報)、10頁。