アンジオテンシン変換酵素

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ACE
PDB 1o86 EBI.jpg
PDBに登録されている構造
PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
識別子
記号ACE, angiotensin I converting enzyme, ACE1, CD143, DCP, DCP1, ICH, MVCD3, Angiotensin-converting enzyme
外部IDOMIM: 106180 MGI: 87874 HomoloGene: 37351 GeneCards: ACE
遺伝子の位置 (ヒト)
17番染色体 (ヒト)
染色体17番染色体 (ヒト)[1]
17番染色体 (ヒト)
ACE遺伝子の位置
ACE遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点63,477,061 bp[1]
終点63,498,380 bp[1]
RNA発現パターン
PBB GE ACE 209749 s at fs.png
さらなる参照発現データ
オルソログ
ヒトマウス
Entrez
Ensembl
UniProt
RefSeq
(mRNA)

NM_009598
NM_207624
NM_001281819

RefSeq
(タンパク質)

NP_001268748
NP_033728
NP_997507

場所
(UCSC)
Chr 17: 63.48 – 63.5 MbChr 17: 105.97 – 105.99 Mb
PubMed検索[3][4]
ウィキデータ
閲覧/編集 ヒト閲覧/編集 マウス

アンジオテンシン変換酵素(-へんかんこうそ; : angiotensin-converting enzymeACE、EC 3.4.15.1)とは不活性体であるアンジオテンシンI (: angiotensin IAng I) を、生理活性を持つアンジオテンシンII (: angiotensin IIAng II) に変換する反応を触媒する酵素プロテアーゼ)である。

構造・発現[編集]

アンジオテンシン変換酵素
識別子
EC番号 3.4.15.1
CAS登録番号 9015-82-1
データベース
IntEnz IntEnz view
BRENDA英語版 BRENDA entry
ExPASy NiceZyme view
KEGG KEGG entry
MetaCyc metabolic pathway
PRIAM profile
PDB構造 RCSB PDB PDBj PDBe PDBsum
テンプレートを表示

アンジオテンシン変換酵素(以下「ACE」)はその活性中心(HExxH)に亜鉛を有するメタロプロテアーゼの一種であり、細胞膜上に存在する。ACEには2つの異なるタイプが存在し、それぞれ somatic ACE (sACE) と germinal ACE (gACE) と呼ばれる。sACEは全身の細胞に広く分布するのに対して、gACEは発現している組織が限られており、精巣に発現していることが知られている。また、sACEは活性部位をN末端側とC末端側に2つ持つのに対し、gACEは活性部位を1つしか持たない。sACEのN末端及びC末端の活性中心部位はそれぞれアミノ酸配列は同じであるにもかかわらず、基質に対する反応性など性質が異なる点が存在する。

機能[編集]

レニン-アンジオテンシン系におけるACEの役割。

ACEの基本的な働きはアンジオテンシンIを活性体のアンジオテンシンIIへ変換し、ナトリウムの再吸収を促して血圧の調整を行うことにある。また、ACEはブラジキニンの分解に関与するキニナーゼIIと同等であることが知られている。つまり、ACEはアンジオテンシンIの変換とキニナーゼIIの分解の両方に働く酵素である。その他にもサブスタンスP黄体形成ホルモン放出ホルモン (LH-RH) 等を基質とすることが知られており、基質特異性は低い。近年ではレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系 (: renin-angiotensin system、RAS) 以外に対するACEの機能も解明されつつある。

ACEはACE阻害薬によって阻害することができる。ただし、ヒトにおいてはACEを介さないキマーゼ・アンギオテンシン系によってもアンジオテンシンIIが生成されている[5][6] (通常のラットにはキマーゼ・アンギオテンシン系が無い[5])。

ナトリウム再取り込みが不要な高塩食ではレニン分泌やACE活性が低下してレニン・アンジオテンシン系が抑制される。しかし自然発症高血圧ラット (SHR)においては高塩食によって血漿中のレニンやACE活性が低下しているのにも関わらずアンジオテンシンIIが増加しているとされる[7]

関連項目[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c GRCh38: Ensembl release 89: ENSG00000159640 - Ensembl, May 2017
  2. ^ a b c GRCm38: Ensembl release 89: ENSMUSG00000020681 - Ensembl, May 2017
  3. ^ Human PubMed Reference:
  4. ^ Mouse PubMed Reference:
  5. ^ a b 心血管系におけるキマーゼ・アンギオテンシン系の役割 日本小児循環器学会雑誌 2000年
  6. ^ Non-ACE Pathway-Induced Angiotensin II Production Current Pharmaceutical Design英語版 2013年
  7. ^ Dysregulation of Angiotensin II Synthesis Is Associated With Salt Sensitivity in the Spontaneous Hypertensive Rat Acta Physiologica英語版 2002年