ぬれせんべい

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銚子電気鉄道のぬれ煎餅

ぬれせんべいは、日本菓子であり、煎餅の一種。ぬれ煎餅濡れ煎餅などとも記述する。

概要[編集]

煎餅の生地を焼いた直後の熱いうちに醤油に漬けることで、しっとりとした歯ざわりと濃厚な醤油味の煎餅となる。

銚子市は、米の名産地であると共に醤油の名産地であり、古くから煎餅を作るところが多く、近隣に煎餅の観光名所もある煎餅の産地でもある。銚子市の米菓店「柏屋」2代目店主の横山雄次が考案し、1960年ごろから規格外品の「おまけ」として頒布し始めた。1963年、商品化。「ぬれせん」は柏屋の登録商標である。当初は湿っているという苦情も多かったが、口コミで人気が高まった。

2014年現在、銚子市内では複数の業者が参入している。各店はそれぞれ特徴を持った商品を販売しており、師弟関係の「イシガミ」と「銚子電気鉄道」でも風味はかなり異なるという。最近は健康志向で薄味の商品も増えてきた、と報じられたこともある[1]。また千葉県北部から茨城県埼玉県東部など広範囲で同様の製法によるぬれ煎餅が製造されている。

銚子電気鉄道のぬれ煎餅[編集]

犬吠駅での実演販売

千葉県銚子市の地方私鉄である銚子電気鉄道(銚電)は、1995年より「銚電のぬれ煎餅」(登録商標)の名でぬれせんべいを製造販売している(「せんべい」部分が漢字)。慢性的に経営難という問題を抱え続ける同社の増収策として位置づけられ、先行して参入していた「イシガミ」が銚電を支援するため無料で技術を指導した。

仲ノ町駅構内にあった変電所が移転したため、跡地にぬれ煎餅工場が作られた。ほかに犬吠駅でも製造の実演・販売をしている。仲ノ町駅の南隣にはヤマサ醤油の本社と銚子工場があり、銚電のぬれ煎餅にはヤマサ醤油の「ぬれ煎餅専用醤油だれ」が使われている。味が違う3種類(通常のもの(濃い口味)、うすむらさき(うす口味)、甘じょうゆ(甘口味))がある。銚電の駅売店、県内外数ヶ所で販売されている。また鉄道関係のイベントで売られることもある。

2006年11月18日、運転資金の不足に陥っていた銚電は、自社のサイトにてぬれ煎餅を買ってくれるように呼びかけた。「電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです」という訴えに対して鉄道を趣味とする人や「2ちゃんねらー」などの多くの人が反応して拡散されたこともあって通信販売による注文が殺到[2][3]、極度の品不足となったため、通信販売を一時停止したこともあった。これらは、新聞や放送局などのマスコミ各社も報道した事から、この『ぬれせんべい』は全国にその名が知られることになった[4]2008年5月に通信販売を再開し、現在はサイトで購入できる[5]

たびたびテレビニュース番組や旅行番組などで映像に登場しており、雑誌掲載も多く、旅行会社がツアーの目玉とする事もある。

備考[編集]

保存中に白い粉状の物質が付着した物を食べて、異臭及び口のしびれが報告されたことがある[6]。これは、酵母菌の一種“Hansenula anomala”が生産した酢酸エチルが付着した物である。

脚注[編集]

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  1. ^ 日本経済新聞の記事(参考文献参照)による。
  2. ^ ITmedia News「ネットで「銚子電鉄を救え」 名物「ぬれ煎餅」に注文殺到」
  3. ^ ITmedia News「銚子電鉄に乗って「ぬれせん」買ってみた」
  4. ^ 日本経済新聞の記事(参考文献参照)による。
  5. ^ ただし数量限定のため、通信販売が停止になることもある。
  6. ^ 化学物質及び自然毒による食中毒等事件例 平成14年 東京健安研セ年報 Ann. Rep. Tokyo Metr. Inst. P.H., 54, 214-219, 2003

参考文献[編集]

関連項目[編集]

  • 観音駅
  • いすみ鉄道
    • 同社では「「い鉄揚げ」」なる揚げたぬれせんべいを販売している。自社製造ではないが、花(菜の花としているが5弁)をかたどったせんべいの形状はいすみ鉄道のオリジナル。味のバリエーションは醤油・カレー・ソース・ガーリックとかなり特異である。

外部リンク[編集]