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'''碧玉'''<ref name="terms">{{Cite book|和書
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{{Main2|{{Lang|en|jasper}} に由来する英語[[名詞#固有名詞|固有名詞]]([[地名]]、男性名等)の {{Lang|en|Jasper}}|ジャスパー}}
'''玉'''(へきぎょく、異称:'''ジャスパー'''、[[英語]]:[[wikt:en:jasper|jasper]])は、微細な[[石英]]の[[結晶]]が集まってできた[[鉱物]](潜晶質[[石英]])であり、[[宝石]]の一種。


== 成分種類 ==
[[酸化鉄]]や[[水酸化鉄]]などの不純物が混入しているため不透明であり、不純物の違いによって、[[紅色]]・[[緑|緑色]]・[[黄色]]・[[褐色]]など様々な色や模様のものがある。それらは、'''赤碧玉'''(せきへきぎょく、'''レッドジャスパー'''、英語:{{lang|en|red jasper}})、'''緑碧玉'''(りょくへきぎょく、'''グリーンジャスパー'''、英語:{{lang|en|green jasper}})、'''黄碧玉'''(おうへきぎょく、'''イエロージャスパー'''、英語:{{lang|en|yellow jasper}})、'''[[オビキュラージャスパー]]'''(英語:[[w:Orbicular jasper|orbicular jasper]])などといった名でも呼ばれる。碧玉は[[玉髄]]や[[メノウ]]と同じ種類であるが、それらより不純物を多く含んでいるとされる。
[[酸化鉄]]や[[水酸化鉄]]などの[[不純物]]が混入しているため不透明であり、不純物の違いによって、[[紅色]]・[[緑|緑色]]・[[黄色]]・[[褐色]]など様々な[[色]]や[[模様]]のものがある。
* '''赤碧玉'''(せきへきぎょく、'''レッドジャスパー'''、{{lang|en|red jasper}})
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碧玉は[[玉髄]]や[[瑪瑙]]と同じ種類であるが、それらより不純物を多く含んでいるとされる。不純物を含んだ石英は種類が多く、それゆえに様々な呼び方がある。[[3月]]の[[誕生石]]になっている[[ブラッドストーン]](血玉髄)も碧玉の一つである。
なお、英語名 {{lang|en|jasper}} に由来する英語[[名詞#固有名詞|固有名詞]]([[地名]]、男性名等)の [[wikt:en:Jasper|Jasper]] については、別項「'''[[ジャスパー]]'''」を参照のこと。


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== 性質特徴 ==
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不純物を含んだ[[石英]]は種類が多く、それゆえに様々な呼び方がある。[[3月]]の[[誕生石]]になっている[[ブラッドストーン]](血玉髄)も碧玉の一つである。


== 産出地 ==
== 産出地 ==
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[[日本]]では、[[新潟県]][[佐渡地方]]の「[[赤玉]]」、[[島根県]][[松江市]]玉造の「[[玉造石]]」、[[青森県]][[津軽地方]]の「[[錦石]]」が碧玉に該当する(ただしこれらは、その名で呼ばれている全てが碧玉であるわけではない)。


なお、産出地ではなく埋蔵地であるが、[[ギアナ高地]]には、表面に現れている[[川床 (地理)|川床]]<!--「納涼床」への不適切なリダイレクトを暫定回避する-->の全てが碧玉で形成されている[[地形]]が存在する([[カナイマ国立公園]]など)。ただし、それらは領有する諸国の[[国立公園]]に属し、[[国際連合教育科学文化機関|ユネスコ]][[世界遺産]]指定地域でもあるため、[[宝石]]としての採取や積極的な[[観光]]利用などといった産業的利用は許されていない。
なお、産出地ではなく埋蔵地であるが、[[ギアナ高地]]には、表面に現れている[[川床 (地理)|川床]]<!--「納涼床」への不適切なリダイレクトを暫定回避する-->の全てが碧玉で形成されている[[地形]]が存在する([[カナイマ国立公園]]など)。ただし、それらは領有する諸国の[[国立公園]]に属し、[[国際連合教育科学文化機関|ユネスコ]][[世界遺産]]指定地域でもあるため、宝石としての採取や積極的な[[観光]]利用などといった産業的利用は許されていない。

== 性質・特徴 ==
{{Main2|鉱物学的性質|石英}}

[[化学組成]]は SiO<sub>2</sub>([[二酸化ケイ素]])、[[モース硬度]]は7、[[比重]]は2.65。


== 用途・加工法 ==
== 用途・加工法 ==
[[古代]]においては世界中で[[装飾品 (※「装身具」への不適切なリダイレクトを暫定回避する)|装飾品]]([[装身具]]を含む)などに用いられた<!--世界的記述と地域的記述をしっかり書き分けましょう-->。
[[古代]]においては世界中で[[装飾品 (※「装身具」への不適切なリダイレクトを暫定回避する)|装飾品]]([[装身具]]を含む)などに用いられた<!--世界的記述と地域的記述をしっかり書き分けましょう-->。
[[東アジア]]では[[勾玉]]や[[管玉]]などとしての利用がそれであり、ほかにも、[[印材]]、[[指輪]]、[[簪]](かんざし)、[[笄]](こうがい)、[[花瓶]]、[[庭石]]などに使用される。


[[東アジア]]では[[勾玉]]や[[管玉]]などとしての利用がそれであり、ほかにも、[[印材]]、[[指輪]]、[[簪]]、[[笄]]、[[花瓶]]、[[庭石]]などに使用される。
== ギャラリー ==
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ファイル:unpolished jasper.jpg|赤碧玉の[[水磨礫]]


== 脚注 ==
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== 参考文献 == <!-- {{Cite book}}、{{Cite journal}} -->
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== 参考文献 ==
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2012年3月31日 (土) 09:36時点における版

赤碧玉
(全長約2.5cmポーランド産)

碧玉[1](へきぎょく、jasperジャスパー)は、微細な石英結晶が集まってできた鉱物(潜晶質石英)であり、宝石の一種。

成分・種類

酸化鉄水酸化鉄などの不純物が混入しているため不透明であり、不純物の違いによって、紅色緑色黄色褐色など様々な模様のものがある。

  • 赤碧玉(せきへきぎょく、レッドジャスパーred jasper
  • 緑碧玉(りょくへきぎょく、グリーンジャスパーgreen jasper
  • 黄碧玉(おうへきぎょく、イエロージャスパーyellow jasper
  • オビキュラージャスパーorbicular jasper

碧玉は玉髄瑪瑙と同じ種類であるが、それらより不純物を多く含んでいるとされる。不純物を含んだ石英は種類が多く、それゆえに様々な呼び方がある。3月誕生石になっているブラッドストーン(血玉髄)も碧玉の一つである。

産出地

インドロシアアメリカ合衆国フランスエジプトドイツなどが世界の主要な産出地である[要出典]

日本では、新潟県佐渡地方の「赤玉」、島根県松江市玉造の「玉造石」、青森県津軽地方の「錦石」が碧玉に該当する(ただしこれらは、その名で呼ばれている全てが碧玉であるわけではない)。

なお、産出地ではなく埋蔵地であるが、ギアナ高地には、表面に現れている川床の全てが碧玉で形成されている地形が存在する(カナイマ国立公園など)。ただし、それらは領有する諸国の国立公園に属し、ユネスコ世界遺産指定地域でもあるため、宝石としての採取や積極的な観光利用などといった産業的利用は許されていない。

性質・特徴

化学組成は SiO2二酸化ケイ素)、モース硬度は7、比重は2.65。

用途・加工法

古代においては、世界中で装飾品装身具を含む)などに用いられた。

東アジアでは、勾玉管玉などとしての利用がそれであり、ほかにも、印材指輪花瓶庭石などに使用される。

脚注

  1. ^ 文部省編『学術用語集 地学編』日本学術振興会、1984年、36頁。ISBN 4-8181-8401-2http://sciterm.nii.ac.jp/cgi-bin/reference.cgi の表記は「へき玉」。

参考文献

関連項目

外部リンク

  • Jasper (英語), MinDat.org, 2010年4月17日閲覧 (英語)
  • R. V. Dietrich (2005年5月23日). “Jasper” (英語). GemRocks. Central Michigan University. 2010年4月17日閲覧。