コンテンツにスキップ

蜘蛛女のキス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。頭痛 (会話 | 投稿記録) による 2012年3月14日 (水) 11:01個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎外部リンク)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

蜘蛛女のキス』(くもおんなのキス、原題:El Beso De La Mujer Araña, 英題:Kiss of the Spider Woman)は、アルゼンチンの作家マヌエル・プイグ作の小説

1979年に出版されベストセラーになった。全編がモリーナとヴァレンティンという二人の対話で綴られている。日本では野谷文昭の手により翻訳されている。

後にプイグ自身の手で戯曲化され、1981年マドリード・マルティン劇場で世界初演。

1985年には、エクトール・バベンコ監督により映画化。

その後、ジョン・カンダーフレッド・エッブによりミュージカル化された。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


ストーリー

舞台は、ブエノスアイレス刑務所の獄房の一室。

未成年に対する性犯罪で投獄されているゲイ=モリーナと、社会改革を目指す若き活動家=ヴァレンティンが徐々に心を通わせていく物語。

未成年者に対するわいせつ罪により、懲役8年を宣告されたモリーナが、政治犯として投獄された青年革命家ヴァレンティンに、自分の見た映画のストーリーを語るが、実は仮釈放と引き換えに、刑務所長からヴァレンティンのいたゲリラ組織に関する情報を聞き出そうとしていた。しかし、いつしか二人は愛し合うようになり、所長はあきらめてモリーナを釈放する。

出獄する前夜、ヴァレンティンはモリーナに、自分が所属していたゲリラに会うよう頼む。しかし、秘密警察がモリーナを尾行し、路上でゲリラに会おうとしたモリーナを逮捕しようとした矢先、口封じのためゲリラが自動車から発砲し、モリーナは死んだ。刑務所に残ったヴァレンティンも拷問を受け、瀕死のヴァレンティンは、昔愛していた女性ゲリラの夢を見るのであった。

舞台(ストレートプレイ

モリーナとヴァレンティンの二人芝居。

日本版スタッフ&キャスト

演出 モリーナ ヴァレンティン 翻訳 備考
1991 ロバート・アラン・アッカーマン 村井国夫 岡本健一 吉田美枝 初演、tpt
1992 再演、tpt
2000-2001 山本亨 高橋和也 tpt34
2002 ロバート・アラン・アッカーマン/薛珠麗 北村有起哉 tpt40
2005 松本祐子 今村ねずみ 山口馬木也 常田景子  

映画

蜘蛛女のキス
Kiss of the Spider Woman
監督 エクトール・バベンコ
脚本 レナード・シュレイダー
製作 デヴィッド・ワイズマン
製作総指揮 フランシスコ・ラマリオJr.
出演者 ウィリアム・ハート
ラウル・ジュリア
ソニア・ブラガ 他
音楽 ジョン・ネシュリング
撮影 ロドルフォ・サンチェス
編集 マウロ・アリス
配給 ヘラルド・エース
デラ・コーポレーション
日本ヘラルド
公開 1985年7月26日 アメリカ合衆国の旗
1986年7月19日 日本の旗
上映時間 120分
製作国 ブラジルの旗 ブラジル
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語ポルトガル語
テンプレートを表示

1985年アメリカブラジル合作映画。

ウィリアム・ハートアカデミー主演男優賞をはじめ、カンヌなど各国の賞をさらった。

キャスト

ミュージカル

1990年の非公開上演後、1991年10月ロンドンシャフツベリー劇場で改訂初演。1993年にはブロードウェイ進出、トニー賞を受賞するなど話題をさらい、日本でも人気演目となっている。

主人公が、蜘蛛女にも設定されているのが特徴的。

ナンバー

第1幕

  • M1:OPENING(蜘蛛女)
  • M2:AURORA(オーロラ)
  • M3:塀の外1(アンサンブル)
  • M4:BLUEBLOODS 貴族の血 (モリーナ)
  • M5:飾り付け /引くぞライン (モリーナ/ ヴァレンティン)
  • M6:DEAR ONE (モリーナ、ヴァレンティン、モリーナの母、マルタ)
  • M7:塀の外2(アンサンブル)
  • M8:WHERE YOU ARE(オーロラ)
  • M9 :塀の外3<マルタ> (ヴァレンティン)
  • M10:尋問の場(蜘蛛女)
  • M10a:聖なるイエス(アンサンブル)
  • M11:起こそう奇跡(オーロラ、マルタ)
  • M12 :ガブリエルの手紙 / 最初の女(ガブリエル、ヴァレンティン)
  • M13a,b :モルヒネ・タンゴ1,2 (アンサンブル)
  • M13b :恥じたりしない (モリーナの母)
  • M13c :モリーナと蜘蛛女 (蜘蛛女、モリーナ)
  • M14:彼女は女(モリーナ)
  • M15:LET'S MAKE LOVE (オーロラ)

第2幕

  • M16:いい時代が(オーロラ)
  • M17:その次の日(ヴァレンティン)
  • M18:ママ、ぼくよ(モリーナ)
  • M19:彼のためなら(蜘蛛女、モリーナ、ヴァレンティン)
  • M20:蜘蛛女のキス(蜘蛛女)
  • M21:塀の外4<ラッキーモリーナ> (刑務所長)
  • M22:映画でだけ (モリーナ、全員)

日本版スタッフ&キャスト

演出 訳詞 蜘蛛女/オーロラ モリーナ ヴァレンティン 劇場
1996 ハロルド・プリンス 岩谷時子 麻実れい 市村正親 宮川浩 アートスフィア
1998 青山劇場
2007 荻田浩一 朝海ひかる 石井一孝 浦井健治 東京芸術劇場
2010 荻田浩一 金志賢 石井一孝 浦井健治 東京芸術劇場

関連項目

外部リンク