立本夏山

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立本夏山(たちもと かざん、TACHIMOTO KAZAN 、本名:立本雄一郎、1982年6月7日 - )は日本の俳優である。身長183センチ。出身は静岡県静岡市清水区。その後引っ越し榛原高校卒業。


高校は、演劇部に所属。高校の三年間、東京芸術大学声楽科を目指し声楽を習う。高三の時、文学座のサマースクールに参加後文学座付属演劇研究所に入る。 研究所では、41期生で長谷川博己と同期生。 その後、劇団四季を受験し合格するも、3か月で自ら退団。アングラ劇団、流山児☆事務所に研究生として入り舞台に出る。一年後劇団俳優座養成所を受験し合格。研究生として再び学び始める。俳優座は18期生。同期に宮川崇がいる。


夏山(立本雄一郎)は研究生であった三年間の後、同年代の演出家、鹿島将介の主催する劇団「重力/Note」のオーディションを受け、W・ホルフェルト作『戸口の外で』の主役ベックマンを演じる。フランス語のようなアクセントを意図的に使ったセリフを見事に演じ、改新の一作となる。その後、立本夏山(立本雄一郎)は「重力/Note」の主要な役者として瀧腰教寛、演出家、鹿島将介と組み次々と芝居を創った。『二人/ 狂う』で2010年、利賀演劇人コンクールに参加。その合間に参加したミズノオト・シアターカンパニーで現在の妻となる市川喜愛瑠(ダンサー)と知り合う。その後、初の一人芝居『僕の振動』を作・演出、出演。実験的にダンスとセリフを融合させた芝居を試みる。その時から元劇団俳優座出身で演出コースの研究生だった伊原草太とタッグを組む。


2013年、品川フリースペース楽間でのkazan office.プロデュース『さようなら日本』ではスウェーデンの写真家 Goro Bertzの写真を背景に夏山らは踊り演じた。その際、自主制作するに当たり、kazan office.を設立。立本雄一郎から立本夏山へと本名を芸名に変更。Kazan office.は立本夏山、市川喜愛瑠、伊原草太で事務所立ち上げメンバーとなる。それを機に本格的にKazan office.としての活動を始める。2014年5月、品川フリースペース楽間での『ニジンスキーの手記』では、立体造形作家、稲田貴志の存在感溢れるテーブルと椅子を舞台のオブジェとして配置し、踊りながらニジンスキーを演じ異彩を放つ。2014年1月立川演劇祭では、日本のパントマイムの第一人者ヨネヤマママコの前座を太宰治原作の『駆込み訴え』で演じた。後の『駆込み訴え』の一人芝居では、千代田芸術祭パフォーマンス部門「おどりのば」で、伊藤千枝賞を受賞。


2015年には新宿梁山泊主催の、『ハムレット』で存在感溢れるクローディアス役を演じ大好評を博す。 同年10月には、3331 Arts chiyoda にて、『海のオード』の一人芝居に挑む。体育館の中での一人芝居にも関わらず、アーティスト平原真の空間デザインのアイデアを借り、洗練された海の灯りの舞台で研ぎ澄まされたセリフと踊りを演じ観客を魅了した。2016年kazan office.では、新たに音楽家の小木戸利光、映像アーティスト内田誠を迎え、出演者7人での毎回異なる即興パフォーマンスに挑んだ。観る側に癒しを与える舞台だったと好評だった。2016年4月30日、詩人の桑原滝弥主催の谷川俊太郎を迎えての5年ぶりのトリビュートライブ『俊読』に出演しダンスを交えたパフォーマンスを披露。


出演

舞台歴

文学座演劇養成所 41期生

  • 2000年 『わが町』 ソーントン・ワイルダー
  • 2000年 『女の一生』 森本薫
  • 2001年 『緑の星の落ちる先』 鈴江敏郎

流山児☆事務所

  • 2004年 『近代能楽集 邯鄲(かんたん)』次郎役 三島由紀夫
  • 2004年 『1981嫉妬』 清水邦夫

劇団俳優座

  • 2005年 『紙風船』 岸田国士
  • 2006年 『ダイニングルーム』
  • 2006年 『ピローマン(ふかふか男)』マーティン・マクドナー
  • 2006年 『ワーニャ伯父さん』アーストロフ役 アントン・チェーホフ
  • 2007年 『道路』 アゴタ・クリストフ
  • 2007年 『贖い』 アゴタ・クリストフ
  • 2007年 『愛の活断層』 創作劇
  • 2007年 『西国の人気男』 ジョン・M・シング
  • 2007年 『胎内』 佐山役 三好十郎
  • 2008年 『悲しみのディアドラ』コノール役 ジョン・M・シング
  • 2008年 『鍛冶屋の婚礼』ダン・バーグ役 ジョン・M・シング
  • 2008年 自主公演 『ダニーと紺碧の海』ダニー役 ジョン・パトリック・シャンリィ
  • 2009年1月 重力/Note『戸口の外で』 ベッグマン役 W・ホルヒェルト シアターバビロン流れのほとりにて
  • 2009年12月 重力/Note『マリア/首』 田中千禾夫 シアターバビロン流れのほとりにて
  • 2010年3月 ぬいぐるみハンター『モグラの性態』科学者役 参宮橋トランスミッション
  • 2010年7月 重力/Note『二人/狂う』イヨネスコ
  • 2010年8月 重力/Note『二人/狂う』利賀山房 (利賀演劇人コンクール2010参加)
  • 2011年2月 ミズノオト・シアターカンパニー『Unsex me here』 Bank Art Studio NYK
  • 2011年4月 自主公演 『僕の振動』 立本雄一郎 作・演出・一人芝居 RAFT
  • 2011年9月 自主公演 『わたしのあいするひと』立本雄一郎 構成・演出・一人芝居 RAFT
  • 2012年7月 重力/Note『職業◉寺山修司(1935~19839/1983~2012)』 STスポット
  • 2012年11月 重力/Note『雲。家。』E・イェリネク シアターグリーン BIG TREE THEATER フェスティバル/トーキョー12公募プログラム参加作品
  • 2012年10月 中部音楽学院70演奏発表会 『カルメン』ホセ役
  • 2012年1月 ダンスが見たい新人シリーズ 『記憶がない』構成・演出・出演 立本雄一郎
  • 2013年4月 ブルーノプロデュース『My favorite phantom』原作「ハムレット」 シェークスピア
  • 2013年8月 Kazan office. 『さようなら日本』立本夏山 作・演出・出演 品川フリースペース楽間
  • 2013年6月 重力/Note 『リスボン@ペソア』Bank ART Sutudio NYK/NYK hall
  • 2013年6月 重力/Note 『リスボン@ペソア』Sendai engekikoubou 10 BOX box-1
  • 2013年7月 踊れ場『ゴドーを待たせつつ』サミュエル・ベケット 池亀三太RAFT
  • 2013年11月 重力/Note 『偽造/夏目漱石』 夏目漱石「三四郎その他」アトリエ春風舎
  • 2014年3月 燐光群『初めてなのに知っていた』坂手洋二 作・演出 下北沢スズナリ
  • 2014年4月 重力/Noteリーディングvol.1『ダイアローグ』
  • 2014年5月 Kazano ffice.『ニジンスキーの手記』ヴァーツラフ・ニジンスキー 一人芝居 北品川フリースペース楽間
  • 2014年7月 東京創造芸術祭 『駆込み訴え』太宰治 一人芝居 中野ZERO展示ギャラリー
  • 2014年8月 たちかわ演劇祭 『駆込み訴え』太宰治 一人芝居 たましんRISURUホール
  • 2014年8月 表現道 hikari2 『駆込み訴え』太宰治 一人芝居 クロコダイル
  • 2014年9月 千代田芸術祭 おどりのば『駆込み訴え』 太宰治 一人芝居 3331 Arts chiyoda
  • 2014年9月 DEVIATE.co 『不/可視の領域』 Bank Art Studio NYK
  • 2015年2月 新宿梁山泊 『ハムレット』 クローディアス役 金守珍演出 芝居砦 満天星
  • 2015年12月 Kazan office.『神の裁きと決別するため』アントナン・アルトー 一人芝居 喫茶茶会記
  • 2015年5月 Kazan office.『煙草の害について』アントン・チェーホフ 一人芝居 喫茶茶会記
  • 2015年10月Kazan office.『海のオード』フェルナンド・ペソーア 一人芝居 3331 Arts Chiyoda
  • 2016年2月 kazan office. 『negau』 即興パフォーマンス 3331 Arts Chiyoda
  • 2016年4月 桑原滝弥『俊読』谷川俊太郎と、詩人、アーテイストによる詩の朗読会 クロコダイル

受賞歴

  • 2014年9月 千代田芸術祭パフォーマンス部門 踊りの場 伊藤千枝賞 受賞

外部リンク