無弓類

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。EmausBot (会話 | 投稿記録) による 2013年4月1日 (月) 22:27個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (ボット: 言語間リンク 27 件をウィキデータ上の (d:Q331974 に転記))であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

無弓類
地質時代
石炭紀 - ペルム紀
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 側爬虫亜綱 Parareptilia
Olson1947
階級なし : 無弓類 Anapsida
学名
Anapsida
Williston1917
,

無弓類(むきゅうるい、学名Anapsid / Anapsida)は、初期有羊膜類のグループで、爬虫類の絶滅分類群。側爬虫類または擬爬虫類 Parareptilia とも。パレイアサウルスなどがこの分類群に属する。かつては分類学において亜綱の階級が与えられ、無弓亜綱とされた。以前はカメの先祖とされた事もあった。

形態

頭蓋骨眼窩後部両側に側頭窓 (temporal fenestra) と呼ばれる穴を持たない事が特徴の一つである。しかしながら、これはあくまで初期の四肢動物に見られる祖先的な特徴である為、側頭窓を持たないもの全てがこのグループに分類される訳ではない。かつてはカメもこのグループに分類されていたが、DNAの解析の結果、ワニ鳥類など主竜類に近縁である事が判明した。また、石灰質の卵殻を持つ事、発達した腹肋骨など他の無弓類の生物には無い特徴を持つなど、解剖学的な面からも無弓類とは別系統であるとされた。[1]

分類

歴史

かつては初期有羊膜類のうち側頭窓を持たないグループは、その特徴により全て無弓亜綱という分類群にまとめられ、そこから双弓類単弓類が派生したとされてきた。これを構成していたのは、杯竜類中竜類パレイアサウルス類、そしてカメ類などであった。[2]

しかし近年分岐学などの発達により、このグループが人為分類群である事が明らかとなった為、無弓亜綱は解体される事になった。側頭窓を持たないという特徴は、これらの生物の類縁関係を示すものではないからである。[3]

上位分類

中竜類は爬虫類の姉妹群とされ、あわせて竜弓類を構成する。杯竜類に至っては、カプトリヌス類、シームリア形類、ディアデクテス類などまでもがまとめて分類されていた。ちなみにこの名は、共有形質とされた原始的な両凹型の椎骨の形状に由来する。しかし現在では、カプトリヌス類のみが爬虫類とされ、他は両生類に分類し直された。またカメ類は側頭窓が二次的に閉じた双弓類であるとされた。結果、パレイアサウルス類など側爬虫類が無弓類として、真正爬虫類と姉妹群をなすものとされた。[3]

真正爬虫類のうち、眼窩後部及び上方に二対の側頭窓を持つものが双弓類である。これは、顎筋の付着部を拡大する為の適応であり、これにより彼らは咬む力の強化及び顎の可動の拡大をする事が出来た。トカゲヘビムカシトカゲ及びワニ鳥類などが属する。先述の様にカメ類はこのグループに属するとされる。また、かつて広弓類と呼ばれたグループも、この系統から派生した。

竜弓類と分岐したもう一方の大グループを、単弓類と称する。このグループは眼窩後部の一対の側頭窓を特徴とし、石炭紀中期には竜弓類など他の有羊膜類のグループから分岐していたと思われる。石炭紀後期から三畳紀前期に繁栄、また、新生代には哺乳類が繁栄している。

下位分類

脚注・出典

  1. ^ 『カメのきた道 : 甲羅に秘められた2億年の生命進化』 61 - 62頁
  2. ^ 『哺乳類型爬虫類 : ヒトの知られざる祖先』 32 - 34頁
  3. ^ a b 『哺乳類型爬虫類 : ヒトの知られざる祖先』 34 - 35頁

関連項目

参考文献

  • 疋田努『爬虫類の進化』東京大学出版会、2002年、41 - 49頁頁。ISBN 4-13-060179-2 
  • 平山廉『カメのきた道 : 甲羅に秘められた2億年の生命進化』NHKブックス、2006年、57 - 70頁頁。ISBN 4-14-091095-5{{ISBN2}}のパラメータエラー: 無効なISBNです。 
  • 金子隆一『哺乳類型爬虫類 : ヒトの知られざる祖先』朝日新聞社〈朝日選書〉、1998年、31 - 39頁頁。ISBN 4-02-259709-7 

外部リンク