瀧の白糸

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瀧の白糸(たきのしらいと)は、泉鏡花戯曲義血侠血」を原作とする新派劇および映画。今までに映画では6作品が製作された。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


あらすじ

水芸人「瀧の白糸(本名:水島友)」は、乗合馬車の御者を働く村越欣弥と知り合う。欣弥が金のために学問を断念したことを知った白糸は、自分が仕送りをすることを約束し欣弥を支援する。欣弥への仕送りはしばらくつづくが、やがてそれもままならなくなり、また芸人仲間の若い連れを駆け落ちさせるなどして旅座仲間の南京出刃打の恨みを買う。白糸は一座のために高利貸しの岩淵から金を借りたが南京にそれを強奪され、岩淵と南京がグルであることを責めようと白糸が岩淵を訪れた折、誤って岩淵を刺し殺してしまう。白糸は勉学に励む欣弥の元を訪れるがあえなく逮捕、取調べに立った検事は欣弥であった。拘置所を訪れる欣弥に白糸は正直に裁いて欲しいと懇願し、法廷で欣弥は白糸に包み隠さず正直に証言するよう諭す。白糸は言われるままに正直に殺人の経緯を告白。そのまま法廷内で自殺を遂げるのであった。

1915年版

瀧の白糸
監督 細山喜代松
脚本 原作 泉鏡花
製作 日活向島撮影所
配給 日本の旗 日活
公開 日本の旗 1915年2月
製作国 日本の旗 日本
言語 日本の旗 日本語
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日活向島撮影所製作、日活配給、細山喜代松監督作品。同撮影所は「日活新派」と呼ばれ、新派の常として、女性の配役は立花貞二郎女形が演じた。本作の具体的な出演者名は不明である。本作は、1914年(大正3年)10月、細山喜代松監督の大ヒット作『カチューシャ』と1915年(大正4年)1月の続編『後のカチューシャ』のヒット直後の作品である。

1933年版

瀧の白糸
監督 溝口健二
脚本 東坊城恭長
原作 泉鏡花
出演者 入江たか子
岡田時彦
菅井一郎
村田宏寿
浦辺粂子
撮影 三木茂
製作会社 入江プロ
配給 新興キネマ
公開 1933年
上映時間 88分
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溝口健二監督作品。サイレント映画。88分。傷んだプリントしか残されておらず、フィルムセンターにてデジタルリマスター版が作成されている[1]

出演

その他

2007年に望月京が付随音楽を作曲。IRCAMフェスティヴァル・アゴラの枠内でルーヴル美術館オーディトリウムで初演された。

このような昔の無声映画に現代の作曲家が新たに音楽を付ける試みは、ここ十数年間[いつ?]毎年ルーヴル美術館で行われているが、日本映画としては初の例である。

1937年版

マキノトーキー製作所製作、広瀬五郎監督作品。

出演

1946年版

大映製作、川口松太郎脚本、木村恵吾監督作品。

出演

1952年版

大映製作、依田義賢脚本、野淵昶監督作品。白糸は自殺せず、結末は欣弥と結ばれる。

出演

1956年版

大映製作、島耕二脚本、島耕二監督作品。

出演

脚注

  1. ^ 映像が東京メトロポリタンテレビジョンTokYo,Boy(2010年10月17日)放送分にて紹介されている。