日本ファクトチェックセンター

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日本ファクトチェックセンター(にほんファクトチェックセンター、: Japan Fact-check Center)は、一般社団法人セーファーインターネット協会(Safer Internet Association, SIA)がGoogleYahoo!Japanからの出資の下設立した、認定された報道機関を除くインターネット上の情報を独自規定により精査、発信を行う団体[1][2][3]。略称「JFC[1]

概要

2022年9月28日、セーファーインターネット協会(SIA)が「日本ファクトチェックセンター」設立を発表。2022年10月1日に正式に発足した[4]。テレビ・新聞を除くネット上の情報について独自規定によるファクトチェックを行い、真偽と参考情報を公式WebサイトやYahoo!ニュースで発信するとしている[2][4]。Googleの慈善事業部門「Google.org」が当面の活動資金として2年間で最大150万ドル(約2億1,700万円)、Yahoo!が1年で2,000万円を提供し、当面の間は広告収入や有料化は行わない方針であるとしている[5]

初代編集長は元朝日新聞記者・BuzzFeed Japanの編集長を勤めていた古田大輔[4][5]。 また、編集には朝日新聞記者の野上英文と元朝日新聞記者のライター藤森かもめが参加し、ファクトチェッカーは早稲田大学政経学部の学生4人のインターンと、3名のリサーチチームがおこなう[4][5]。運営委員長は京都大学大学院法学研究科教授の曽我部真裕が努め、副委員長は慶應義塾大学大学院法務研究科教授山本龍彦、委員には毎日新聞客員編集員の小川一、元朝日新聞記者で桜美林大学教授の平和博などが参加している[5]

批判

設立報道後、ガイドラインに最も影響力のある新聞やテレビを第1条にて「正確で厳格な報道機関は対象外」としている事や、インターネット上の情報のみに限定している事により、「第4の権力と言われているテレビ新聞などマスメディアの権力者と戦わず、何の権力もない弱者と戦う存在意義があるのか?」などの批判がSNS上にて行われた[2]。報道機関がチェック対象外であることについて運営委員会事務局長を務める吉田奨は、「報道機関はそもそも自身で事実を確認して報道することが使命であり、そこは報道機関自身に委ねる」としている[5]ITmediaライターの井上輝一は、「メディアが発信した情報のファクトチェック」がSNSで行われ、その誤りがしばしば指摘されている現状で、「メディアの書くことは正確なのでそれ以外をチェックします」という方針が反発を買うのは当然であるとしている[6]

また朝日新聞社出身者のみで主要編集者が占められていることについては設立記者会見等でも偏りがあるという指摘が行われ、SNS上などでも批判が行われた[5][3]。監査委員長を務める東京大学大学院法学政治学研究科教授の吉田常寿は「経験と能力をみて人材の選定を行なった。偏りについては厳正なガイドラインを制定することで公正性を失わないようにする」とした上で、将来的には多様な人材を揃えるという見解を示している[5]

関連項目

脚注

  1. ^ a b 団体概要 | セーファーインターネット協会 Safer Internet Association(SIA)”. セーファーインターネット協会 Safer Internet Association(SIA) | 一般社団法人セーファーインターネット協会(SIA)は、違法・有害情報の流通を防止するために、民間企業らによって設立された団体です。統計に基づいた施策の立案・実施、効果測定など、民間組織ならではのノウハウを活かし、とかく場当たり的・扇情的対策になりがちな分野において、効果的な対策を行ってまいります。. 2022年10月1日閲覧。
  2. ^ a b c ファクトチェック機関設立も「テレビ・新聞は対象外」に総ツッコミ「テレ朝・玉川をチェックしろ!」”. Smart FLASH (2022年9月30日). 2022年10月1日閲覧。
  3. ^ a b アゴラ編集部 (2022年9月29日). “朝日新聞OBの「ファクトチェックセンター」は朝日をチェックせず”. アゴラ 言論プラットフォーム. 2022年10月1日閲覧。
  4. ^ a b c d 「日本ファクトチェックセンター」が10月開設 ネット情報の真偽を発信 編集部は朝日系”. ITmedia NEWS (2022年9月29日). 2022年10月1日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g 「日本ファクトチェックセンター」設立。Googleが150万ドル”. Impress Watch (2022年9月28日). 2022年10月6日閲覧。
  6. ^ 井上輝一,ITmedia (2022年9月30日). ““ファクトチェック”はオカルト検証番組のことだったのか?(1/2ページ)”. ITmedia NEWS. 2022年10月6日閲覧。

外部リンク