新月通信社

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新月通信社(しんげつつうしんしゃ、英語:Shingetsu News Agency)とは、日本通信社

日本の国内情勢や日本国内の中東インドネシア等のイスラム諸国の人々についてのニュースを英語で発信している。正当に評価されない側も取材して大手メディアの隙間を埋めること、世界のメディアでは存在感の少ない日本の情報、特に映像を世界に発信し、日本がよりよく理解されることを目標としている。

歴史

元々は北九州大学の外国人講師であったマイケル・ペンが2004年8月北九州市小倉北区で設立した「新月研究所」が起源である。この研究所はイスラム諸国関係の学者の集まりであり、イスラム諸国や民族と日本の政治的、経済的、文化的な関係を研究するもので、専門家がニュースを分析する「新月ニュースレター」を作ったり、新聞等に記事を発表[脚注 1]する等の活動を行っていた。その後2010年12月東京都港区に進出し、「新月研究所」から「新月通信社」となって現在に至る。

細野豪志原発担当大臣が2011年11月11日から11月12日Jヴィレッジ福島第一原子力発電所を視察した際には、同行取材できなかったフリーランスの記者達[脚注 2]に取材映像を無償で配布した。

代表のマイケル・ペンは1970年ロサンジェルス生まれ[2]カリフォルニア大学サンタバーバラ校卒業後、テキサス大学の中東センターで学び、1997年に日本語学習のため来日[2]。2000年に北九州大学で講師の職を得、2004年に友人らとボランティアで中東研究所を結成[2]。講師を辞め、2010年に東京でテレビと紙媒体の中東関係リポーターとなり、新月通信社を設立[2]。2015年6月まで外国特派員協会の第一副会長を務めていたが、同協会理事会のメンバーシップ委員会が、ペンのジャーナリストとしての活動に疑義を唱え、協会員資格再検討のための資料提出を求めた[3]。同委員会は、資料提出をほぼ黙殺されたこと、「新月通信社」は登録された法人ではないうえ、米カリフォルニア州にあるはずの本拠も単なる民家にすぎないことなどを指摘し、理事会に対してベンの正会員資格剥奪を提言したが、理事会が受け入れなかったため、同会の委員5名全員が抗議の辞任をした[3][4]。ペンは同年4月にオランダのあるメディアと特派員契約を結んだことと、新月通信社のツイッター・フォロワーが4000人いることを挙げ、資格の正当性を主張した[3][4]。外国特派員協会の元会長ロジャー・シュレフラーは、新月通信社の住所はペンの父親の家であって会社の実体はなく、同社社長の名目で記者証を外務省から得たことなどを挙げ、批判している[5]

脚注

  1. ^ 例えばニューズウィーク国際版(2006年5月1日)、ジャパン・タイムズ朝日新聞等がある。</ref>
  2. ^ 大臣側が「現場の負担を考え、入っていただく人数は大幅に制限せざるを得なかった」として、同行取材を内閣記者会、福島県政記者クラブ、外国特派員協会の3団体に限ったため。[1]

出典

  1. ^ [1]月刊誌北方ジャーナル公式ブログ2011年11月2日
  2. ^ a b c d Michael PennMiddle East Institute
  3. ^ a b c 『週刊新潮』2015年6月4日号「幹部の一斉辞任を招いた「外国特派員協会」お家騒動」
  4. ^ a b Discord erupts at FCCJ over news agency accreditationJapantoday,May. 30, 2015
  5. ^ Roger Schreffler Japantoday

関連項目

外部リンク