悪魔のいけにえ
悪魔のいけにえ | |
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The Texas Chain Saw Massacre | |
監督 | トビー・フーパー |
脚本 |
キム・ヘンケル トビー・フーパー |
製作 |
トビー・フーパー ルー・ペレイノ |
製作総指揮 | ジェイ・パースレイ |
音楽 |
ウェイン・ベル トビー・フーパー |
撮影 | ダニエル・パール |
編集 |
ラリー・キャロル サリー・リチャードソン |
配給 | ヘラルド |
公開 |
1974年10月1日 1975年2月1日 |
上映時間 | 83分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $83,000 |
興行収入 | $30,859,000[1] |
次作 | 悪魔のいけにえ2 |
『悪魔のいけにえ』(あくまのいけにえ、The Texas Chain Saw Massacre)は、1974年のアメリカ映画。日本での公開は1975年2月。R指定作品。
米国テキサス州に帰郷した5人の男女が、人皮によって創られた仮面を被った大男「レザーフェイス」により殺害されていく様子を捉えたホラー作品。配給会社の判断で原題とは無関係な日本語タイトルとなっているが、原題を邦訳した場合「テキサス電動のこぎり虐殺」という意味になる。
キャスト
役名 | 俳優 | 日本語吹替 |
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サリー | マリリン・バーンズ | 泉晶子 |
レザーフェイス | ガンナー・ハンセン | 福士秀樹 |
ヒッチハイカー スリム(吹替版) |
エドウィン・ニール | 青野武 |
コック(ドレイトン) メイソン(吹替版) |
ジム・シードー | 坂口芳貞 |
グランパ(父) じい様(吹替版) |
ジョン・ドゥーガン | 小野丈夫 |
カーク | ウィリアム・ヴァイル | 田中秀幸 |
ジェリー | アレン・ダジンガー | 石丸博也 |
フランクリン | ポール・A・パーティン | 秋元羊介 |
パム | テリー・マクミン | 高橋ひろ子 |
ナレーター | ジョン・ラロケット (クレジットなし) |
製作
この作品は、1957年にウィスコンシン州プレインフィールドで実際に発生したエド・ゲインによる猟奇殺人事件をモデル(アルフレッド・ヒッチコック監督の『サイコ』も同事件をモデルとしている)にしたという事が通説になっているが、監督本人はこの事件については記憶が曖昧で、ある評論家がエド・ゲイン事件に似通っている部分があると評したのをきっかけに、映画と似たような実際のモデルケースがあったことに監督本人は仰天。映画冒頭部分のテロップ「これは真実の物語」は少しでも観客の恐怖を煽ろうと後付で追加した苦肉の演出であり、上記事件との関連は無いのだが、別段否定もせず傍観していた所、物凄い勢いで通説の方が流布してしまい、以降、その通説が定着する事になり結果的に大ヒット映画になる。
作品独特の粗い画像が物語全体の雰囲気を醸し出しているが、これは演出効果や技術的なものではなく、製作予算が低かったために通常の映画撮影に使われるフィルムではなく、購入も現像も安価で済むサイズが一回り小さいフィルムで撮影したものをスクリーンに合わせて映像のサイズを拡大したものであった。結果的にこれが監督の手法と相まってプラスに働き、印象に残る映像となる。ただ監督本人にとっては本意ではなかったようで、撮影に映画用のフィルムが使えなかった事に加え、マスターフィルムの形式から高画質版のリリースが物理的に不可能な点を残念がっている。
製作費は約4千万円。公開後から現在(2006年9月)まで、世界中で総額60億円以上の配給収入を上げている。尚、配給元のブライアンストン社はこのフィルムと上映権利を約1億円で購入した。トビー・フーパーはこの作品により全米及び英国への進出を果たす。(この記述内の金額は全て、物価変動等を考慮した上で現在の日本円に換算したものである)
スタッフ
- 監督・製作・脚本:トビー・フーパー
- 脚本:キム・ヘンケル
- 撮影:ダニエル・パール(『テキサス・チェーンソー』でも撮影を担当)
- 音楽:ウェイン・ベル、トビー・フーパー
公開
公開当初は余りの残酷性の高さ故に「決して観てはいけない」と学校等で告知され、全米の各州で上映禁止処分が下り、更にドイツなど一部の国では殺人・喰人シーン等残酷な場面をカットしたバージョンしか一般に視聴出来ない程である。
殺人鬼であるレザーフェイスの真に迫った精神異常の描写や、外面的な行動のみを捕え、同情を誘うような描写を一切廃したプロットは公開されるや否や数多くのフォロワーを産み、マスターフィルムがその描写の芸術性故にニューヨーク近代美術館に永久保存されている。
DVD
日本では1998年中期から2007年初頭までの間権利関係の問題からDVDが発売出来ず、それ以前に発売されたDVD(1997年、ビーム・エンターテイメント(現ハピネット・ピクチャーズより発売)にはプレミア的価値が付いていた。2004年9月にワーナーブラザーズがDVDを再発売させようとしたが権利の取得に失敗し断念。しかし、デックスエンタテインメントから2007年6月8日に再発売が決定。吹替短縮版の収録に関しキム・ヘンケルから異議が唱えられ一部発売が遅れたが、結果として通常のDVDは予定通り、復刻パンフレットなどを封入した「コレクターズBOX」版は7月13日に発売した。
なお、DVDの再発を記念し、渋谷の映画館シアターN渋谷[2]にて2007年3月17日から4週間、本作がレイトショーにて再公開された[3]。
2008年8月22日にはコレクターズBOXに以前カプコンからセットで販売されたドキュメンタリー「ファミリー・ポートレイト」と「ショッキング・トゥルース」、更に復刻ポスターとポストカードセットが追加収録された「プレミアム・コレクションDVD-BOX」が発売。
『悪魔のいけにえ2』に関しては過去に何回か発売されており、2007年5月25日には未公開シーン等を含む特典映像を入れた「完全版」がMGMより発売。(品番:MGBE-17195)。そして2008年5月9日には3作目のDVDが発売。4作目に関しては日本盤DVDは2007年現在未発売である。
その他
続編
続編として『悪魔のいけにえ2』(The Texas Chainsaw Massacre 2, 1986年)、『悪魔のいけにえ3 レザーフェイス逆襲』(Leatherface: Texas Chainsaw Massacre III, 1990年)、『悪魔のいけにえ レジェンド・オブ・レザーフェイス』(The Return of the Texas Chainsaw Massacre, 1994年)が製作された。さらに2004年に製作30周年を記念して『The Texas Chainsaw Massacre 5』と名付けられた5作目の製作がトビー・フーパー監督、製作総指揮の下でスタートされたが、脚本が完成した時点で資金面の理由により断念された。
リメイク
マイケル・ベイの製作会社であるプラチナム・デューンズがリメイク権を獲得し、マーカス・ニスペル監督で『テキサス・チェーンソー』(The Texas Chainsaw Massacre)が2003年に公開された。さらに2006年にはジョナサン・リーベスマン監督による前日譚『テキサス・チェーンソー ビギニング』(The Texas Chainsaw Massacre: The Beginning)が公開された。
出典