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岩手開発鉄道

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岩手開発鉄道株式会社
IWATE DEVELOPMENT RAILWAY CO.,LTD
岩手開発鉄道本社
岩手開発鉄道本社
種類 株式会社
市場情報 非上場
本店所在地 日本の旗 日本
022-0003
岩手県大船渡市盛町字東町10番地3
設立 1939年(昭和14年)8月17日
業種 陸運業
法人番号 2402701000021 ウィキデータを編集
事業内容 石灰石の鉄道輸送
代表者 代表取締役社長 須藤薫
資本金 120,000千円
発行済株式総数 2,400,000株
売上高 連結:920,163千円
単体:357,662千円
営業利益 連結:47,338千円
単体:38,042千円
純利益 連結:8,204千円
単体:13,037千円
包括利益:6,776千円
純資産 連結:786,299千円
単体:603,102千円
総資産 連結:1,045,922千円
単体:740,529千円
従業員数 連結:80人
単体:33人
決算期 3月31日
主要株主 太平洋セメント株式会社 83.70%
大船渡市 3.60%
日鉄鉱業株式会社 1.67%
住田町 1.41%※1
主要子会社 開発運輸株式会社 100%
開発タイヤ株式会社 100%
株式会社カイハツ総合設備 100%
岩手開発産業株式会社 97.5%
外部リンク http://www.kaihatsu-railway.co.jp/
特記事項:経営指標は 2011年3月 第94期 有価証券報告書
※1:主要株主2位に自社所有194,000株 8.12%所有している。
※2:従業員は就業人員(社外への出向者をのぞく)である。
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岩手開発鉄道株式会社(いわてかいはつてつどう、英文社名 IWATE DEVELOPMENT RAILWAY CO., LTD.)は、岩手県大船渡市貨物鉄道を営む鉄道会社である。現在は貨物専業であるが、1992年3月までは旅客輸送も行っていた。

太平洋セメントが8割以上を出資する主要株主となっているが、当初の設立目的から大船渡市など地元自治体も出資しており、第三セクター方式の鉄道会社のはしりでもある。

事業

盛駅を起点とする全長11.5kmの日頃市線・赤崎線の2つの路線を有し、大船渡市の内陸部にある大船渡鉱山で産出される石灰石などを、同市赤崎町にある太平洋セメント大船渡工場まで輸送している。2010年度の貨物輸送量は195万tで、私鉄では上位クラスの輸送量であるが、年間400万t以上あった1990年代以前の輸送量に比べると半減している。

1986年から貸切バス事業にも進出したが、現在バス事業は子会社の開発運輸が行っている。

歴史

地域振興と林産資源などの開発を目的として設立された。盛駅から釜石線平倉駅間を結ぶ鉄道を計画したが、太平洋戦争中は工事が中断し、日頃市線として盛 - 日頃市間の鉄道が開業したのは戦後の1950年である。当初は貨物・旅客輸送とも振るわなかったが、赤崎線盛 - 赤崎間と日頃市線日頃市 - 岩手石橋間を延伸し、小野田セメント(現在の太平洋セメント)大船渡工場の石灰石輸送を開始した後は経営が持ち直した。しかし旅客輸送人員は日本全国の旅客営業を行っている私鉄では常に最低で、1992年には旅客営業を廃止している。

  • 1939年昭和14年)6月7日 - 盛 - 平倉間 (29.1km) の免許取得。
  • 1939年(昭和14年)8月17日 - 岩手開発鉄道設立。
  • 1950年(昭和25年)10月21日 - 日頃市線 盛 - 日頃市間が開業。
  • 1957年(昭和32年)6月21日 - 赤崎線 盛 - 赤崎間が開業(貨物営業のみ)。
  • 1959年(昭和34年) - 小野田セメント大船渡工場の製品(セメント)輸送を開始。
  • 1960年(昭和35年)6月21日 - 日頃市線 日頃市 - 岩手石橋間が開業。大船渡工場向けの石灰石輸送を開始。
  • 1986年(昭和61年)4月 - 観光バス事業開始。
  • 1992年平成4年)4月1日 - 日頃市線の旅客営業を廃止。
  • 1996年(平成8年)2月 - 開発観光バス株式会社を設立、観光バス事業を譲渡。
  • 2007年(平成19年)10月 - 開発運輸株式会社が開発観光バスを吸収合併。
  • 2011年(平成23年)3月11日 - 東日本大震災による津波被害で赤崎線が1億8000万円の損害。
  • 2011年(平成23年)11月7日 - 運転再開。

路線

車両

現有車両

DD56形 (DD5651 - 5653)
1968年から1973年にかけて新潟鉄工所で製造されたセンターキャブ式のディーゼル機関車。当初自重53tであったためDD53形であったが、1979年に機関をDMF31SB(500ps/1500rpm)からDMF31SDI(600ps/1500rpm)に換装し56tとなったため同時に改番された[1]。1993年から直噴式機関への換装が実施されている[1]
DD56形 (DD5601)
1977年に新潟鉄工所で製造されたセンターキャブ式のディーゼル機関車。56t機で機関はDMF31SBI(600ps/1500rpm)を2基搭載している[1]
ホキ100形 (101 - 152)
小野田セメント大船渡工場への石灰石輸送用として新造された35 トン 積の貨車ホッパ車)である。1960年に13両が配備され、2000年まで増備された。国鉄セキ3000形貨車との同一設計であるが、両側の下部の荷卸開戸が電動式となっているのが特徴。現在は45両が在籍する。

過去の車両

キハ202
1968年に新潟鐵工所で製造されたオリジナルの気動車で、全長12m、2扉の小型車両であった。盛 - 岩手石橋間の旅客輸送に運用された。1992年4月に旅客輸送が廃止されると用途を失いその後しばらくの間は姿を留めていたが、2002年に解体された。
キハ301
詳細は「夕張鉄道キハ200形気動車」を参照
夕張鉄道から1975年に譲り受けた。旅客輸送廃止後は個人に売却されたものの、引渡しがされず結局2001年7月に解体された。

関係会社

  • 岩手開発産業株式会社
  • 開発運輸株式会社
  • 開発タイヤ株式会社
  • 株式会社カイハツ総合設備

参考文献

  • 寺田裕一『日本のローカル私鉄2000』ネコ・パブリッシング、2000年。ISBN 4-87366-207-9 
  • 寺田裕一『ローカル私鉄車輌20年 東日本編』JTB(現、JTBパブリッシング)〈JTBキャンブックス〉、2001年10月。ISBN 4-533-03982-0 

脚注

  1. ^ a b c 藤岡雄一「THE GUIDE OF 全国私鉄ディーゼル機関車」『鉄道ピクトリアル』、電気車研究会、1996年5月。 

外部リンク