安中貨物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Allervenir (会話 | 投稿記録) による 2022年10月22日 (土) 08:17個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎事故)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

安中貨物(あんなかかもつ)とは、群馬県安中市にある東邦亜鉛が、日本貨物鉄道(JR貨物)に委託して走らせている貨物列車

JR信越線安中駅から、JR高崎線・JR常磐線などを通って、福島臨海鉄道小名浜駅までを結ぶ。

積荷は鉱石

正式にも、鉱石輸送列車などとして、表記されている。

概要

福島臨海鉄道の小名浜駅(小名浜精錬所、福島県いわき市・福島臨海鉄道宮下駅)と、信越本線の安中駅(安中精錬所、群馬県安中市)の間を走っている貨物列車。

非鉄金属分野の大手企業「東邦亜鉛」がJR貨物に委託して走らせているが、この会社は亜鉛の精錬を中心に、電子部品の製造などの業務を行っている。 この「東邦亜鉛」という会社は、福島県いわき市小名浜)と群馬県安中市(安中駅のすぐ裏)に工場を持っている。 この工場間で鉱石等をやりとりするための貨物列車が、通称「安中貨物」。

1990年代末にこの鉱石輸送もコンテナ輸送やトラックへの切り替えなどが検討されたが、輸送量やコストを考慮した上で最終的には無蓋貨車、タンク貨車での輸送形態が続けられることになった。 そこで1999年に、この「安中貨物」線用の貨車であるトキ25000形、タキ1200型が新造され、運用されている。

なお、この安中精錬所は東洋一の亜鉛工場と言われている。

歴史

安中貨物は昭和55年度の貨物時刻表にすでに掲載されている。 安中製錬所操業開始が昭和12年、小名浜製錬所操業開始が昭和38年なので、鉄道輸送は昭和40年代からである。

使用車両

機関車

JR貨物EH500型交直流電気機関車(愛称:eco-power 金太郎) ・(仙台総合鉄道部所属機のみ)

関東地区に存在する交直両用機関車はEH500しか存在しないため、EH500が使われる。 なおこの列車を含めて常磐線交流区間の貨物列車はJR東日本に委託されていた時代があり、北斗星やカシオペア牽引機関車と共通運用が組まれていて、北斗星色やカシオペア色のEF81EF510 500番台が牽引していた時代があるが、北斗星の廃止でJR東日本が交直両用機関車を減らした時に委託を打ちきりJR貨物がEH500を使うようになった。

貨車

事故

2018年7月4日15時9分頃、武蔵野線越谷レイクタウン駅構内で、下り線に停車中の東京行き各駅停車の運転士が、通過する安中行き専貨5094列車(機関車1両+貨車18両)とのすれ違いの際に異常音を感知し、防護無線を発報した。停車した5094列車の運転士が確認したところ、後ろから2両目のトキ25000-6のテントカバーが外れ、各駅停車に接触しているのを発見した。この影響で武蔵野線は約4時間半に渡って運転見合わせとなった事故があった。また、翌日以降の安中行は無蓋車無しのタンク車のみの編成で運行されていた。事故を起こしたト25000-6は、当日中に最寄りの貨物駅である越谷貨物ターミナルへ移動され、側線に留置された。この事故による怪我人等は居なかったものの、この事故の影響で武蔵野線は南越谷~吉川美南の間で、約4時間近く運転見合わせとなり帰宅ラッシュ時間帯も、かなり影響を受けた。

ルート

安中〜【高崎線】〜大宮操〜【武蔵野線】〜北小金〜【常磐線】〜泉〜【福島臨海鉄道線】〜小名浜

ダイヤ

5094レ-5097レ(re.) /鉱石 5094-*  (専貨)

  • 小名浜(泉)1141
  • 日立
  • 水戸
  • 越谷タ
  • 大宮  1527-1632
  • 宮原  1544
  • 上尾  1549
  • 熊谷タ 1620
  • 高崎操 1646-1648
  • 安中  1707


5098レ-5095レ(re.) /鉱石返空 50**レ-5095レ  (専貨)

  • 安中 2004
  • 高崎操  2021-2045
  • 熊谷タ 2119-2219
  • 宮原  2258
  • 大宮  2303

(ヨ)

  • 小名浜(泉)0632 

関連項目

参考文献・出典