吉祥寺女性刺殺事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Yuva (会話 | 投稿記録) による 2015年3月24日 (火) 08:04個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎概要: 内容追加)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

吉祥寺女性強殺事件(きちじょうじじょせいごうさつじけん)とは、2013年2月28日に発生した殺人事件。

概要

2013年2月28日午前1時50分頃、東京都武蔵野市吉祥寺の路上で帰宅途中のアルバイト女性(当時22歳)が2人組の少年に襲われて、後ろから刃物で刺されて財布などが奪われる事件が発生した。被害女性は病院に搬送されたが、被害女性の背中は2ヶ所刺されており、内1ヶ所は肺にまで達しており、ほぼ即死であった。被害女性は青森県の高校を卒業後は埼玉県に住む姉と同居しながら東京都の美容専門学校に通いながら美容師国家試験に合格しており、美容師として美容関係の仕事が決まったことをきっかけに一人暮らしをするために2013年1月に吉祥寺に引っ越してきたばかりであった。

直後に殺害現場近くのコンビニで2人組の少年は被害女性のキャッシュカードから現金を引き出そうとするも失敗[1]。直後に2人組の少年は路上で警察官から職務質問を受けるも逃走。殺害現場近くの路上で逃走する2人組の少年と追跡する警察官を撮影した防犯カメラの映像があり、報道機関に公開・報道されている。当日朝になって、ルーマニア国籍少年(当時17歳)は他人名義の銀行通帳を所持していた占有離脱物横領罪容疑で逮捕(翌3月1日に強盗殺人罪容疑で再逮捕[1])。もう1人の日本国籍少年(当時18歳)は当日は身柄拘束されなかったものの、防犯カメラの解析から駅から電車を乗り継いで立川方面に向かっていたことが判明した[2]。日本国籍少年は3月2日夜に出頭し、翌3月3日に強盗殺人罪容疑で逮捕された[3]

3月21日に東京地検立川支部は2人の少年を東京家裁立川支部に送致[4]4月17日に東京家裁は検察官送致した[5]4月26日に東京地検立川支部は2人の少年を強盗殺人罪で起訴した[6]

2人の少年は家出を繰り返し、不良行為を行う過程で共通の家出先として入り浸っていたアパートの部屋にいた人物を介する形で2月上旬に知り合い行動を共にすることが多くなった。2人組の少年はゲームセンターで遊ぶ金欲しさに強盗を計画し、事件前日に国立市のスーパーで刃物を2本調達し、簡単に金が取るために脅すよりも刺すことを決意し、真夜中に1人で歩いている人を狙い、たまたま通った被害女性を後ろから刺して財布などを奪った。少年は「犯行後に逃げる途中で刃物を捨てた」と供述し、捜索によって殺害現場近くのマンション敷地内で刃物2本が発見された。

2014年1月から3月にかけて東京地裁で裁判員裁判が開かれた。2人の少年は殺意を否認したが、東京地裁は強盗殺人罪を認定し、求刑通り無期懲役判決を言い渡した[7]。 その後少年二人は控訴したが棄却され無期懲役が確定した。

その他

  • 加害者の2人は少年だったため少年法に基づき匿名報道となったが、週刊新潮は強盗殺人容疑で逮捕された2人組の少年の顔写真と実名を掲載し、2人の生い立ちなどを報道した[8]

脚注

  1. ^ a b 外国籍少年を強盗殺人容疑で再逮捕 東京・吉祥寺の女性刺殺 日本経済新聞 2013年3月1日
  2. ^ 吉祥寺女性刺殺、別の少年は都西部へ逃走か 読売新聞 2013年3月2日(2013年3月5日時点でのアーカイブ)
  3. ^ 出頭した日本人少年を逮捕 吉祥寺の女性強殺容疑 共同通信 2013年3月3日
  4. ^ 少年2人を家裁送致 東京・吉祥寺の強盗殺人容疑 共同通信 2013年3月21日
  5. ^ 強殺容疑の2少年、検察官送致 吉祥寺の事件で東京家裁 共同通信 2013年4月17日
  6. ^ 吉祥寺女性刺殺、少年2人を起訴 日本経済新聞 2013年4月27日
  7. ^ ルーマニア人少年に無期懲役 東京・吉祥寺の女性強盗殺人 共同通信 2013年3月4日
  8. ^ 吉祥寺殺害で少年の顔写真掲載 実名とともに週刊新潮 共同通信 2013年3月7日

関連項目