八神くんの家庭の事情
八神くんの家庭の事情 | |
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ジャンル | 少年漫画、コメディ |
漫画 | |
作者 | 楠桂 |
出版社 | 小学館 |
掲載誌 | 週刊少年サンデー増刊号 |
発表期間 | 1986年 - 1990年 |
巻数 | 全7巻、ワイド版・文庫版全4巻 |
テンプレート - ノート | |
ポータル | 漫画 |
『八神くんの家庭の事情』(やがみくんのかていのじじょう)は、楠桂による日本の漫画、並びにそれを原作としたアニメ、及び原案としたテレビドラマ。『少年サンデー増刊号』にて1986年から1990年まで連載されていた。単行本は小学館から、少年サンデーコミックス全7巻、ワイド版全4巻、文庫版全4巻。
あらすじ
この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
主人公、八神裕司は男子校に通うごく普通の高校生だが、たった一つだけ普通ではない家庭の事情があった。それは母親の野美が実母であるにもかかわらず異常に若く見え、自分と同年代の美少女にしか見えないと言うことである。
思春期を迎え、母親を女性として意識してしまう自分自身のマザコンぶりに悩む裕司だが、野美に恋する裕司の担任教師である四日市明、裕司に恋する美少女五十里真幸、裕司の父親に不倫願望を抱くOL七瀬密子などのサブキャラクターを交えつつ、八神くんの周りでは常にドタバタが繰り広げられるのだった。
主な登場人物
この節の加筆が望まれています。 |
- 八神裕司(やがみ ゆうじ)
- 本作品の主人公。男子校に通う高校生。物語開始時点では1年5組に在籍、クラス替えはなし。陸上部の幽霊部員。
- 実年齢よりはるかに若く見える実母・野美にコンプレックスを持っていたが、悪友たちに煽られるうちに母を異性として意識するようになってしまい、自他共に認める立派なマザコンへと成長する。女性の好みは父譲り。
- 基本的には純情で周囲に振り回されてばかりいるが、妄想や思い込みが激しく、突っ走ってしまうことも。悩むと前転しながら移動する癖がある。
- 赤ん坊の頃から皮膚が弱く病気がちだったり、ケンカやケガでひどい顔をしていることが多かった。そのため野美が裕司の幼少期の写真を隠しており、自分の赤ん坊の頃の写真を見たことがないせいで、野美が実母でないのではと疑ったことがある。
- 前述の過去において病弱だったが、ケガをしても5秒で治る回復力を誇る。大型トラックにひかれ5台の乗用車にはねられ美坊に踏まれた際にも外傷は15分ほどで完治した。
- 高校1年生のバレンタインに真幸からチョコをもらって以来プラトニックな交際を続けている。今のところ童貞。
- 八神野美(やがみ のみ)
- 裕司の実の母親で専業主婦。裕司を「裕ちゃん」と呼んで子ども扱いし過保護に接する。裕司の妹に間違えられるほどの若作りで、平日に買い物に出るとよく補導されそうになる。裕司の悪友たちのマドンナ的存在。明るく優しく面倒見もよく、家事はプロ級で気配りもよく、気難し屋の四日市の祖母が太鼓判を押すほどの良妻賢母。
- 毎日夫におはようのキス、いってらっしゃいのキス、おかえりのキス、おやすみのキスをし、同じことを裕司にもするようになる。夫の浮気は考えたこともない。ご近所づきあいはお手の物で、家出した息子を追ってきた一ヶ谷の母とは、包丁に対しまな板と鍋蓋で応戦、一喝して以来友人をしている。裕司が下着ドロを疑われた際には毅然として否定するなど、芯が強く教育熱心。ワイドショーに影響されやすい。
- 子供はひとり息子の裕司のみだが、本当は自分にそっくりな女の子が欲しかった。実家は北海道。
- 八神陽司(やがみ ようじ)
- 裕司の父親で会社員。総務課所属、役職は部長。歳相応に渋い容姿で、大人の落ち着きをもった真面目な会社員。眼鏡をかけている。妻である野美とは、結婚して20年近くなる現在でも互いに「野美ちゃん」「陽司くん」と呼びあい、息子の前だけでなく人前でもいちゃつくラブラブぶり。若い頃は野球をやっていた。
- 五十里真幸(いかり まゆき)
- 裕司のガールフレンド。女子高ミリオン女学院に通う女子高生で裕司とは同い年。ミス・ミリオン学園として近隣の大学では競争率50倍と言われるほどの美少女。なお登場前は、真幸を「まさゆき」と読まれ男性と思われていた。
- 強引なナンパから助けられて以来(裕司は自覚なし)裕司のことが好きで、高校1年生のバレンタインに裕司にチョコを渡し交際を始める。スリーサイズはB83、W58、H85。チャームポイントは茶色のふわふわまき毛とくりくりお目目、特技はホンダ・CBR400RRでの0-400mとヘアピンカーブを時速?kmでのノーブレーキングクリア。
- 裕司同様、一途だが思い込みが激しく突っ走る性格。男子校である裕司の学校に男装で侵入したほか、バイクで裕司の胸に飛び込んだ(轢いた)り、走っている車から飛び降りたこともある。ウブな処女だが実はけっこう耳年増。酔うと一人称が「真幸」になる。
- バイク通学で、裕司の通う男子校は帰宅ルートとは反対方向だが、一緒に2~300m歩きたいがために毎日通ってきては校門の前で待っている。
- 一ヶ谷一樹(いちがや かずき)
- 裕司のクラスメイトで悪友。大きな丸メガネと結んだ後ろ髪が特徴。ヒステリックな母をもつ。実はバスケ部。一枝と付き合う。
- 二村純二(ふたむら じゅんじ)
- 裕司のクラスメイトで悪友。短い黒髪が特徴。実はサッカー部。二葉と付き合う。
- 三宅勇三(みやけ ゆうぞう)
- 裕司のクラスメイトで悪友。たれ目で明るい髪が特徴。実はバレー部。三奈子と付き合う。
- 四日市明(よっかいち あきら)
- 裕司たちのクラスの担任。登場時27歳。担当教科は日本史。三者面談で野美に一目惚れし、一方的な恋心を抱いている。あの手この手で野美を振り向かせようとするが余裕の笑顔でかわされ、全く相手にされていない。零子という祖母がいる。名ばかりのバスケ部顧問。
- 五輪一枝(いつわ かずえ)
- 真幸のクラスメイト。黒髪のくせっ毛が特徴。気風がよく押しの強い性格。両親と兄の4人暮らし。真幸同様、バイクに乗っている。一ヶ谷と付き合う。
- 二葉(ふたば)
- 真幸のクラスメイト。肩までのストレートヘアが特徴。真幸同様、バイクに乗っている。二村と付き合う。
- 三奈子(みなこ)
- 真幸のクラスメイト。カチューシャをしたウェーブヘアが特徴。真幸同様、バイクに乗っている。三宅と付き合う。
- 万谷美方(まんたに よしのり)
- 通称美坊(よしぼう)。登場時13歳。スキンヘッドの大男で、車にぶつかっても無傷という頑強さを誇る。補導されかかっていた野美を助けて一目惚れする。自分の好きなものを他人にとられたら、とりかえしにくるタイプ。
- 近所に住んでいる四日市には赤ん坊の頃から面倒を見てもらっており、兄のように慕っている。眉間と後頭部にある大きなキズは、四日市が子守をしていた際につけたもの。
- 失恋をきっかけに、ジョギング暴走集団「百八竜」を結成。メンバー300名(うち自転車100名)を引き連れ、毎週金曜に町内を走るようになる。陸上部入部後は県大会優勝、のちに100m世界新記録保持者になる。裕司と八百井をかついで車(Z)と並走できるほどの脚力の持ち主。もっとも陸上を始めるまでは急ブレーキが効かなかった[1]。
- 七瀬密子(ななせ みつこ)
- 23歳美人OL。上司である陽司に不倫願望を抱いており、その代替として裕司に迫る。クールな外見に反して暴走するタイプで、その状態で運転するため車も暴走しがち。愛車はセフィーロでナンバーは「む20-17」。
- 八百井刺激(やおい しげき)
- 野美と瓜二つの男子生徒。裕司の2年後輩で転校生。女の子のような容姿にコンプレックスを持っている。父の名は「うめき」で母は「あえぎ」。
- 転校前の学校ではその容姿から、八百井をめぐって男たちの争奪戦が起こっていた。
- 裕司ともみあいになっているうちに裕司への好意に目覚め、真幸と対立する。チャームポイントは花咲か笑顔、特技はアックスボンバーとブレーンバスター。銃を持った相手を蹴倒すほどの腕はあるらしい。
- 百地(ももち)先輩
- 裕司たちの1学年先輩。下まつげが長い。ブラッディバレンタインいけにえ捜査隊の中心格。卒業するまで童貞だった。
- 那由多(なゆた)校長
- 裕司たちの学校の校長。日の丸扇子をひらめかせている。退職の危機に陥った四日市を全校朝礼でからかうお茶目な校長。
- 二十重(はつえ)先生
- 裕司たちの学校の教師。担当教科は現国。オカマで四日市に気があり、「四っちゃん」と呼んで追いかけている。
- 阿由多(あゆた)教頭、千生(せんなり)先生、万年青(おもと)先生、九十九(つくも)先生、六道(りくどう)先生
- 裕司たちの学校の教職員たち。全員男性。
- 九木田真(くきた しん)
- 第二中学の男子生徒。美坊とは小学校からの親友。
- 十和子(とわこ)
- 美坊の中学の先輩。陸上部。面影が野美に似ている。県大会の選手をはねて出場できなくした美坊を、代わりに県大会に出すため特訓する。Sっ気あり。
- 五輪(いつわ)
- 陽司の部下で密子の同僚。一枝の兄。密子にプロポーズする。本人としては真面目に相手を慮っているのだが、ナチュラルに女性にとっての「NGワード」を口にしてしまう。
書籍情報
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イメージアルバム
- 八神くんの家庭の事情(H33K20111・1988年・キティレコード)
- 八神くんの家庭の事情 PART2(H32K20122・1988年・キティレコード)
- ウェディング・ベルを抱きしめて(ヒルビリー・バップス 歌:宮城宗典)
- ドラマ「青春りっしんべん」
- 初恋~涙のSWEET HEART~(歌:川村万梨阿)
- 変だな~美坊 in Blue~(歌:変田二郎)
- 天使の御膳立て~I want you!~(歌:マイケル林田さん)
- お父さんはヒーロー(歌:楠児童合唱団と社員ズ)
- 東洋人Xのテーマ(歌:とまとあき)
- 母を訪ねて(歌:矢尾一樹)
- ドラマ「マザコンクエスト」
- Dear Friend (ヒルビリー・バップス 歌:小西竜太郎)
- 八神くんの家庭の事情 PART3(H00K20164・1989年・キティレコード)
- 八神くんの家庭の事情 完璧ベストコレクション(KTCR-1122-4・1991年)
- 3枚組・ポリグラム
- ベストソング・リミックス
- ベストソング・リミックス(カラオケ)
- ドラマ・コレクション
- 3枚組・ポリグラム
アニメ
1990年にVHS、LDにてOVA化された、2003年にはDVDも発売。
キャスト
- 八神裕司:矢尾一樹
- 八神野美:本多知恵子
- 五十里真幸:川村万梨阿
- 四日市明:神谷明
- 八神陽司:若本規夫
- 七瀬密子:鶴ひろみ
- 八百井刺激:佐々木望
- 一ヶ谷一樹:岩田光央
- 二村純二:堀川亮
- 三宅勇三:佐藤浩之
スタッフ
- 監督:貞光紳也
- 脚本:遠藤明範
- 作画監督:黄瀬和哉
- 美術監督:多田喜久子
- 音響監督:明田川進
- 音楽:新田一郎、米光亮、工藤隆
- 制作協力:I.G タツノコ(現・Production I.G)
- 制作:キティフィルム三鷹スタジオ
- 製作:キティビデオ
作品リスト
- この息子にこの母
- あばかれた母の秘密
- 海より深い母の愛
- 眠れない思春期の夜
- 恋におちて
- 禁じられた恋の野望
- キスはママの味
- 血染めのバレンタイン
- 恋の狩人・だけどOL
- 不倫でゴメンね
- あまりにも危険なマザコン宣言
- 密子ふたたび……
テレビドラマ
ドラマ |
1994年10月11日から1995年2月7日までABC・テレビ朝日系列の火曜ドラマ枠で放映された。全11話。
上記のあらすじにもあるように、原作は「異常に若く見える母親」という点が設定の根幹を占めているが、本作で八神野美を演じたのは当時40歳過ぎの夏木マリであった。また、「マザコンではない息子と子離れの出来ていない母親」や「実は魔女」といった原作にはない設定を次々と加え、にもかかわらず原作の一部を予告に使うという不可解な演出に原作ファンからの批判が集中した。ついには原作者である楠桂が「自分はドラマ版のストーリーには何ら関知していない」と声明を出し、スタッフテロップの「原作:楠桂」という表記が「原案:楠桂」となる異例の事態となった。視聴率は低迷し、また1995年1月17日には阪神淡路大震災の発生で報道特番により休止したため、放送回数が1回削減されている。
ちなみに、CM前のジングルは夏木のヒット曲『絹の靴下』のアウトロを使用している。
キャスト
スタッフ
テーマ曲
- 「Oh! Yes キスをしようよ」川添智久
- 「時代をよろしく!」TOKIO
サブタイトル
- ボクはマザコン!ママは魔女
- 真幸のバトル作戦
- 母子のエッチ騒動
- マザコン禁断症状
- 真幸の強敵出現!?
- 不純異性交遊反対
- 17歳のクリスマス・キッス!
- 真幸の恋人出現!
- 学園はH大騒動!
- 裕司に死の宣告!
- 恋かマザコンか
脚注
- ^ 入部した理由も体験仮入部中に陸上部のレギュラー三人を撥ねた為。