予想

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予想(よそう)とは、未来のこと、まだわからないことを想像することを指す。それを具体的に述べて、それが正しいと断ずるのを予言という。

しかし、科学の分野ではより特殊な使い方がある。ここでは自然科学数学における予想について説明する。

数学における予想

数学において、真であると思われてはいるが、いまだに真であるとも偽であるとも証明されていない命題をいう。予想がもし真であると証明されれば定理となり、さらに他の命題の証明に利用できることになる。予想からさらに他の命題を導くこともしばしば行われるが、それらの命題は元の予想が真であると証明されるまでは、いずれも予想の段階に留まる。

例:

科学哲学の場合

また科学哲学においては、不確定な推測に基づいて正しいと推定されている命題を予想と呼ぶのに対し、一般に受け入れられた事実を基にして検証しうる命題を仮説と呼ぶ(定理、公理原理といったものもここに含まれる)のが普通である。この用法はカール・ポパーに始まる。

自然科学の場合

一般に自然科学では観察実験によって得られた結果を、既知の法則などを用いて説明しようとするが、それが不可能な場合、新たな法則や何らかの存在を考えなければならないことがある。その場合、それを探し、あるいは確認する新たな実験や観察を行い、それを確かめるのが筋ではある。しかし、それが困難な場合、この仮説を、その点について未知のままに想定して世に問う場合がある。その際に、「この考えが正しければ、このような現象(事物)が発見されるであろう」というような、その仮説から導き出せる未だ知られていないことへの予想をつけることがある。その予想が的中した場合、その仮説は大きな信用を得ることになる。

例えば化学の分野では、元素周期表を考案したドミトリ・メンデレーエフは、実は当時の知識では彼の考えた周期表が成立しないことを知っていたが、これをいくつかの未知の元素があるためと考え、それを補って周期表を作り上げた。そしてその表を元に、彼の想定した未知の元素に対して仮の名を与え、その性質を予想してそれを含めて発表した。その後発見されたそれに相当する元素が彼の予想によく当てはまった(例えばゲルマニウム)ために、彼の説は認められるようになった。また、当時ほぼ同時に同様の説を発表したメイヤーについては、完全に彼の陰に入ってしまった。

参考文献

関連項目

外部リンク