乱層雲
乱層雲 | |
略記号 | Ns |
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雲形記号 | または |
類 | 乱層雲 |
高度 | 小規模の雲は2,000~5,000m、多くは地表付近~およそ10,000 m |
階級 |
B族 層状雲(中層雲) |
特徴 | 多種多様な形、雲の下部に灰色の影がある |
降水の有無 | あり(比較的長時間雨や雪を降らせる) |
乱層雲(らんそううん)は雲の一種。空全体を覆い、厚さや色にむらが少なく一様で、暗灰色をした雲。雨雲または雪雲とも呼ばれ、降水をもたらす雲の代表格である。
高層雲とは異なり、厚い雲のどの部分も太陽や月を覆い隠してしまい透視できないのが特徴の1つ。
雲形分類における最上位の類(基本形)、十種雲形の1つ。ラテン語学術名はnimbus(ニンバス、乱雲)とstratus(ストラタス、層雲)を合成したNimbostratus(ニンボストラタス)で、略号はNs。
雨や雪を降らせる代表的な雲である。温暖前線や低気圧が近づいている場合、高層雲に続いて現れ、本格的な雨や雪を降らせる。寒冷前線や発達した積乱雲が近づいている場合は、乱層雲が近づいてきた後に本体の積乱雲がやってくることが多いため、すでに降り始めていなければ、ともに雨や雪の直前の現象だといえる。
乱層雲自体から降る雨や雪は、強さがあまり変わらない。ただ、層雲や層積雲よりは変わりやすい。
形は多種多様で定まらず、気流によって速いスピードで形を変えることが多い。そのため、乱層雲には雲種、雲変種がともに存在しない。ただ、一番下の部分は、ある面を境に雲とそうでない部分が分かれていることがあり、この部分は長い時間一定の形を保つことがある。また、雲の下にちぎれ雲のような断片があることが多い。
比較的低い高度に漂っており、数百メートルを越える山では、しばしば乱層雲が山にぶつかることがある。このとき乱層雲の一部は地形に沿って上昇し、空気の飽和水蒸気量が減るのに伴って雨や雪などの降水をもたらし、山越えの後に再び形成される乱層雲はあまり水蒸気を含まない雲となる。山沿いで降水量が増える地域があるのはこのためで、風向きが長期間一定となる地域では、山の片側が長雨、反対側が少雨となる雨蔭がみられることがある。
多くの乱層雲は上空1~2km付近から7kmに分布するが、より低いところやより高いところにも連続して分布することがある。以前はC族の下層雲とされていたが、気象衛星の観測などでより上空にも多く分布していることが判明したことから、B族の中層雲へと変更された。
乱層雲から派生する雲形
- 雲副変種
出典
- 乱層雲 バイオウェザー お天気豆知識