ラムフォーム・スターリング
| ラムフォーム・スターリング | |
|---|---|
 「たんさ」に改装された本船 | |
| 基本情報 | |
| 船種 | 三次元物理探査船 |
| 船籍 |
 バハマ |
| 所有者 | Petroleum Geo-Services |
| 運用者 | Petroleum Geo-Services |
| 建造所 | STXヨーロッパ造船ラングステン造船所 |
| 母港 | ナッソー |
| 姉妹船 | ラムフォーム・ソブリン |
| 建造費 | 5億8000万ノルウェークローネ |
| 信号符字 | C6YE5 |
| IMO番号 | 9413303 |
| MMSI番号 | 311029900 |
| 経歴 | |
| 竣工 | 2009年6月30日 |
| 現況 | 就役中 |
| 要目 | |
| 総トン数 | 13,721 トン |
| 全長 | 102.2 m |
| 垂線間長 | 95.39 m |
| 型幅 | 40.0 m |
| 型深さ | 8.5 m |
| 喫水 | 7.4 m |
| 機関方式 | 電気推進 |
| 主機関 |
・ロールス・ロイスBergen B32:40直列9気筒ディーゼルエンジン×4基 ・ロールス・ロイスBergen B32:40直列6気筒ディーゼルエンジン×2基 ・上記主機用ABB製発電機×6基 ・バルチラ製ディーゼル発電機×2基(計22.16MW) ・三菱重工業製非常用発電機×1基 |
| 推進器 |
・コルトノズル付き可変ピッチプロペラ×2軸 (電動、計13.0MW) ・格納式アジマススラスタ×1基 (電動、1.8MW) |
| 出力 | 13.0 MW (17,400 hp) |
| 最大速力 | 18.0ノット |
| 搭載人員 | 70名 |
| 要目[1][2] | |
ラムフォーム・スターリング（Ramform Sterling）は、ノルウェーの資源調査会社Petroleum Geo-Services(PGS)社が運用する三次元物理探査船である[3]。経済産業省所管の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)へ売却され[4]、資源調査船として運用される予定である[5]。
概要
JOGMECの三次元物理探査船としては同じくPGS社から購入された資源(しげん、旧ラムフォーム・ヴィクトリー)があるが[6]、船齢が20年を超え老朽化が進んでいる。本船はこれを更新し、また船主を経産省[7]からJOGMECへ移すことで、国による三次元物理探査の継続的な実施に加え、民間企業による探査への活用等、機動的・効率的な運用を可能にする[8][9][10]。民間への物理探査船の貸し出しは平成28年の法改正によって可能となった[11]。
日本への引き渡しは2019年4月下旬を予定しており、売却価格は約130億円とされている[12]。売却後の船名は公募により決定される予定であり[13]、2019年5月28日付でJOGMECは船名”たんさ”での無線局免許を受けている[14]。引き渡し時点で売却額の75％、2020年中に残額が支払われる予定である。建造経費として平成31年度予算までで累計100億円が要求されており、調達事業終了は平成32年度を予定している[15]。
売却契約には、1年毎に更新される最大10年間のサービス契約が含まれており、この契約についてPGS社は日本郵船と日立製作所との合弁会社を設立している。日本郵船は船舶運航、日立はデータ処理、PGS社は技術・運営サービス、サポート、訓練を担当する予定である[16]。 なお契約にはストリーマの売却は含まれていない。
特徴
ラムフォーム・スターリングは2009年にSTXヨーロッパ造船ラングステン造船所で竣工した[3]。本船はラムフォーム・ソブリンとともにPGS社の”S”型調査船に属している。”S”型はストリーマリール26基を搭載し、22本のストリーマを同時に展開・曳航できる[3]。ストリーマと同時に曳航されるエアガンが海底に地震波を発し、その反射をストリーマで受信することによって精細な三次元地図を作成する。これを分析して資源探査に役立てることができる。ストリーマの展張範囲は幅1500m×長さ8000mに及び、資源（旧ラムフォーム・ヴィクトリー）の属していた”V”型に比べ調査可能面積は60％増加しているとされる[17]。また、電気推進方式を採用しており、優れた環境性能を持っている[3]。
航海計器はX及びSバンド航海レーダー(FAR-2117、FAR-2837)、ソナー(FE-700)、GPS(GP-150)、AIS(FA-150)などフルノ製のものが多く用いられている[17]。
関連項目
脚注
- ^ “M/S «RAMFORM STERLING»”. SKIPSREVYEN. 2019年1月25日閲覧。
- ^ “Ramform Sterling (08/2009)”. Maritimt Magasin. 2019年1月25日閲覧。
- ^ a b c d “High capacity marine seismic vessel Ramform Sterling | PGS”. Petroleum Geo-Services. 2019年1月24日閲覧。
- ^ “新三次元物理探査船による運航・調査委託業務の委託を前提とした同船の裸傭船契約を締結する予定者、及び同船の調達相手先を選定する公募」の実施について”. 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC). 2019年１月25日閲覧。
- ^ “PGS Sells Ramform Sterling to JOGMEC | Subsea World News”. SUBSEA worldnews. 2019年1月24日閲覧。
- ^ “[http://www.jogmec.go.jp/news/release/news_06_000126.html 三次元物理探査船「資源」による 初の日本人主体の海上物理探査を実施]”. 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC). 2019年1月24日閲覧。
- ^ “三次元物理探査船の運航に伴う船主責任保険仕様書”. 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC). 2019年1月25日閲覧。
- ^ “平成３０年度資源・エネルギー関係概算要求の概要”. 経済産業省. 2019年1月25日閲覧。
- ^ “平成３１年度資源・エネルギー関係概算要求の概要”. 経済産業省. 2019年1月25日閲覧。
- ^ “[https://www.meti.go.jp/main/yosangaisan/fy2019/pr/en/enecho_nenryou_04.pdf 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構 船舶建造事業]”. 経済産業省. 2019年1月25日閲覧。
- ^ “「独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法の一部を改正する法律案」が閣議決定されました”. 経済産業省. 2019年1月31日閲覧。
- ^ “石油ガス機構、２代目探査船を４月導入＝名称を公募 2019年01月28日”. 時事通信. 2019年1月29日閲覧。
- ^ “新しい資源調査船に名前をつけよう”. 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC). 2019年1月25日閲覧。
- ^ “総務省 電波利用ホームページ | 無線局免許状等情報”. 総務省. 2019年7月28日閲覧。
- ^ “0210 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構船舶建造事業（Excel形式：672KB）”. 経済産業省. 2019年1月25日閲覧。
- ^ “PGS firms up vessel sale agreement with JOGMEC”. Offshore Energy Today. 2019年1月25日閲覧。
- ^ a b “M/S «RAMFORM STERLING»”. SKIPSREVYEN. 2019年1月25日閲覧。