ラテン文字化
ラテン文字化(ラテンもじか、英: romanization、latinization)は、文字転写の一種。ラテン文字(ラテンアルファベット)以外の文字体系を使っている言語を、ラテン文字によって表記することを言う。
目的
英語ではラテン文字が使用されているので、英語で非ラテン文字で記された言語について言及する場合どうしてもラテン文字に転写する必要がある。そこから自国語の本来の表記法以外にラテン文字での表記法を確立することが盛んに行われた。
なかには本来の表記法を廃止してラテン文字に切り替えたものもある。この場合、ラテン文字使用言語の話者が学習しやすくなるが、文化継承という立場からは芳しくない。
問題点
どのような文字であれ、別の文字体系で記された言語をすんなりと表記できるわけではない。例えば朝鮮語(韓国語)では eu や eo という本来の発音とは似ても似つかない綴りの転写法が生まれる。日本語のローマ字でも、日本語では区別しないタ行やサ行の子音の異音を書き分けるか否かを巡って対立が見られる。
ラテン語には A(ア)、E(エ)、I(イ)、O(オ)、U(ウ)、Y(ユ)の6つしか母音がないため、とりわけ母音の多い言語を転写するには不向きである。また、子音も20個しかなく、しかもCとK、Qは本来同音である。
加えて、英語はラテン文字圏の中でも発音がかなり特殊であり、ラテン語をベースに転写した場合、英語として読むと本来の発音とはかけ離れてしまう事がある。
実例
- 日本語のローマ字表記
- ヒンドゥスターニー語のラテン文字表記
- 朝鮮語のラテン文字表記 :詳しくは別項「文化観光部2000年式」および「マッキューン=ライシャワー式」を参照のこと。
- 中国語のラテン文字表記 :ピン音、ウェード式、ラテン化新文字などがある。
- ベトナム語のクオック・グー :元は漢字とチュノム。
- トルコ語の現行表記 :元はアラビア文字。
- ロシア語などのキリル文字を使用する言語のラテン文字転写
関連項目
- キリル文字化 - アラビア文字化
- 転写 (言語学) - 翻字(文字転写)
- List of ISO romanizations(英語版ウィキペディア)
- 文字体系の一覧
- Template:ラテン翻字 - ラテン文字翻字テンプレート
- Template:翻字併記 - 「左から右に書く文字体系」同士の翻字テンプレート
- Template:Rtl翻字併記 - 「右から左に書く文字体系」から「左から右に書く文字体系」への翻字テンプレート
外部リンク
- ローマ字(多言語文字)ルビ振りサイト — ローマ字で日本語Webサイトに、ルビを振るサイト
- UNGEGN Working Group on Romanization Systems — 地理学的名称に関する国連専門家グループ (UNGEGN) ラテン文字化方式に関する作業部会
- BGN/PCGN Romanization Systems アメリカ地名委員会/英国地名常任委員会ラテン文字化方式
- ロシア語文献をラテン文字(ローマ字)翻字検索する場合の注意事項 — 国立国会図書館 テーマ別調べ方案内
- アジア言語の翻字(ローマ字化)について — 国立国会図書館 テーマ別調べ方案内
- 中国・コリアの人名のローマ字表記について — 国立国会図書館 テーマ別調べ方案内
- ヒンディー語書誌における表記文字に関して — 国立国会図書館 アジア情報室通報 第5巻第1号(2007年3月)
- ALA-LC Romanization Tables — アメリカ図書館協会及びアメリカ議会図書館 ラテン文字化表
- Unicode Transliteration Guidelines — Unicode翻字ガイドライン
- CDLR Transliteration Charts — CDLR翻字表