メスカリン
IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
胎児危険度分類 |
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法的規制 |
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投与経路 | 経口、静脈注射 |
薬物動態データ | |
半減期 | 6 時間 |
識別 | |
CAS番号 | 54-04-6 |
ATCコード | none |
PubChem | CID: 4076 |
ChemSpider | 3934 |
UNII | RHO99102VC |
KEGG | C06546 |
ChEMBL | CHEMBL26687 |
別名 | 3,4,5-trimethoxyphenethylamine |
化学的データ | |
化学式 | C11H17NO3 |
分子量 | 211.257 g/mol |
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物理的データ | |
融点 | 183 - 186 °C (361 - 367 °F) (硫酸塩二水和物) |
メスカリン (3,4,5-トリメトキシフェネチラミン、3,4,5-trimethoxyphenethylamine) はフェネチラミン(フェネチルアミン、フェニレチルアミン)系のサイケデリック麻薬(幻覚剤)である。硫酸メスカリンとして化学的に合成することもでき、サボテンの一種であるペヨーテ等の成分として得ることもできる。名称はメスカレロ・アパッチが儀式の際に使用したことに由来する。日本では麻薬に指定されている。
概要
アメリカ原住民、特にメキシコのウイチョル族が宗教儀式の際用いていたことが、ヨーロッパ人によって記録されている。1897年にドイツ人化学者アルトゥール・ヘッフター (Arthur Heffter) によって単離され、1919年には化学的に合成できるようになった。
ヒトにおける効果的な摂取量は、200-400mg であり (3.75 mg/kg) 、長ければ12時間程度効果が持続する。身体依存はないが、中程度の精神依存があるとされる[1] 。経口的に用いられることがほとんどで、服用後異様な精神状態になり、典型的には視覚的幻覚を伴う。「トリップ」と呼ばれる状態である。作用は服用前の状態等に左右され、発作的に不機嫌になる、激昂するなどもおきる。しばしば気分のよい浮遊感や光輝感を得るが、逆に不安や抑鬱をもたらすこともある(バッドトリップ)。薬理作用の機序としては脳内セロトニン系の抑制、NMDA作用の抑制が唱えられている。
リゼルグ酸ジエチルアミド(LSD)あるいはシロシビンと同時に摂取した場合、類似の構造をもつ物質であるために交差耐性ができる[2]。
アメリカ合衆国では1970年に非合法化され、1971年の向精神薬に関する条約によって国際的に禁止されるようになった[1]。日本でも麻薬指定を受けている(麻薬及び向精神薬取締法)。アメリカではネイティブ・アメリカン・チャーチ (en:Native American Church) の儀式の際にのみ利用が許可されている。
化学的性質
メスカリンは通常3,4,5-トリメトキシベンズアルデヒド (3,4,5-trimethoxybenzaldehyde) を元に合成される (PiHKAL entry) 。
副作用
メスカリン体験には次のような副作用を伴うことがある。
快感を伴う副作用
中立的な副作用
- 散瞳
- 温感や冷感
不快感を伴う副作用
- 目眩
- 嘔吐
- 頻脈
- 頭痛
- 不安
- 死にそうな、絶滅しそうな感じ
- 通常の意識に戻れないという不安感
- 長時間にわたる知覚異常 (en:Hallucinogen persisting perception disorder (HPPD))
メスカリンを利用した有名人
- オルダス・ハクスリー
- エルンスト・ユンガー [2]
- レオ・ケニー (Leo Kenney, [3])
- アンリ・ミショー (Henri Michaux, http://www.kirjasto.sci.fi/hmichaux.htm])
- ジム・モリソン
- カルロス・サンタナ
- ハンター・S・トンプソン (Hunter S. Thompson)
- ジャン=ポール・サルトル
脚注
- ^ 牧野カツコ. 自分らしい生活をつくる家庭科ワークブック〈2〉. 国土社. pp. p.29. ISBN 978-4337486126
- ^ レスター・グリンスプーン、ジェームズ・B. バカラー 『サイケデリック・ドラッグ-向精神物質の科学と文化』 杵渕幸子訳、妙木浩之訳、工作舎、2000年。ISBN 978-4-87502-321-0。46頁。(原著 Psychedelic Drugs Reconsidered, 1979)
関連項目
外部リンク
- Mescaline at Erowid
- PiHKAL entry
- メスカリン(mescaline)の詳細 - 薬物乱用防止サイトの一部。