メキシコサンショウウオ
メキシコサラマンダー | ||||||||||||||||||||||||||||||
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メキシコサラマンダー
Ambystoma mexicanum | ||||||||||||||||||||||||||||||
保全状況評価[a 1][a 2] | ||||||||||||||||||||||||||||||
CRITICALLY ENDANGERED (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) ワシントン条約附属書II
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分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Ambystoma mexicanum (Shaw, 1789) | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
メキシコサンショウウオ メキシコサラマンダー | ||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Axolotl |
メキシコサラマンダー(Ambystoma mexicanum)は、両生綱有尾目トラフサンショウウオ科トラフサンショウウオ属に分類される有尾類。流通名ウーパールーパー。
分布
メキシコ(ソチミルコ湖とその周辺)[1][2][3][4][5][6][7]固有種
種小名mexicanumは「メキシコの」の意。
形態
全長10-25センチメートル[3][4]。メスよりもオスの方が大型になり、メスは最大でも全長21センチメートル[3]。通常は幼生の形態を残したまま性成熟(幼形成熟、ネオテニー、トラフサンショウウオ科に限りアホロートルと呼ばれる)する[3]。胴体は分厚い[3]。皮膚の表面が滑らかな個体が多いが、粒状の突起がある個体もいる[2]。小さい穴状の感覚器官は発達しないが、頭部に感覚器官がある個体もいる[3]。左右に3本ずつ外鰓がある[1][3][6][7]。背面の体色は灰色で、黒褐色の斑点が入る[3]。
上顎中央部に並ぶ歯の列(鋤口蓋骨歯列)はアルファベットの逆「U」字状[3]。四肢は短く、指趾は扁平で先端が尖る[3]。水かきはあまり発達せず、中手骨や中足骨の基部にしかない[3]。
生態
湖に生息する[1][7]。自然下では水温が低くヨウ素が少ない環境に生息し、サイロキシンを生成することができないため変態しない[1][7]。
食性は動物食で、魚類、昆虫、甲殻類、ミミズなどを食べる[6][7]。共食いも行う[7]。
繁殖形態は卵生。11-翌1月(4-5月に繁殖する個体もいる)に[6]、水草などに1回に200-1,000個の卵を産む[3][5]。
人間との関係
生息地では食用とされたこともあった[7]。
開発による生息地の破壊、水質汚染などにより生息数は激減している[3][7]。以前はメキシコ盆地内のスムパンゴ湖やチャルコ湖、テスココ湖にも生息していたが、埋め立てにより生息地が消滅した[3][4]。
ペットや実験動物として飼育されることもある[2][4][7]。国際取引が規制されているため、日本ではほぼ日本国内での飼育下繁殖個体のみが流通する[5]。飼育下では白化個体(アルビノ)などの様々な色彩変異が品種として作出されている[3][5][7]。 飼育下で変態した例(サイロキシンの投与[4]、水位を下げて飼育[5])もあるが、以下では主に流通する幼形成熟個体に対しての飼育の説明を行う。アクアリウムで飼育される[5]。水棲の有尾類としては水質の悪化や高水温に対する耐性もある[2][5]。一方で最悪の場合には外鰓が壊死し命を落とす事もあるため濾過などにより清涼な水質を維持し、夏季には高水温になることを防ぐ対策をすることが望ましい[5]。隠れ家として流木や岩、市販の隠れ家を設置したり、水草を植えこむ[2]。底砂を敷く場合は誤飲しないように生体が飲み込めない大きさにする[2]。餌として魚類やエビ、ユスリカの幼虫などを与える[2]。専用の配合飼料も市販されており、飼育下では専用の配合飼料だけでなく動物食の魚類用配合飼料(水中に沈む物を使用する)にも餌付く[2][4]。協調性が悪いため、複数飼育を行う場合は頭数以上の隠れ家を用意する[5]。餌用も含めて魚類などをケージ内に入れておくと、外鰓を傷つけられる恐れがあるため注意が必要[2][5]。
日本国内では1985年に日清焼そばU.F.O.のCMでアルビノのメキシコサラマンダーが出演、ウーパールーパーの呼び名で広告代理店によりキャラクター化もされ尾崎亜美によりキャラクターソング「ウーパーダンシング」もリリースされている(シングル盤ではパピという変名で歌唱)。今日では大阪の居酒屋などで食用としての需要も若干ながら存在する。
画像
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卵
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白化個体
参考文献
- ^ a b c d 今泉吉典、松井孝爾監修 『原色ワイド図鑑3 動物』、学習研究社、1984年、127、180頁。
- ^ a b c d e f g h i 海老沼剛 「メキシコサラマンダーを飼う」『ビバリウムガイド』No.33、マリン企画、2006年、134-135頁。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ3 中央・南アメリカ』、講談社、2001年、132、291頁。
- ^ a b c d e f 千石正一監修 長坂拓也編著 『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、234頁。
- ^ a b c d e f g h i j 山崎利貞 『爬虫・両生類ビジュアルガイド イモリ・サンショウウオの仲間』、誠文堂新光社、2005年、40-41頁。
- ^ a b c d 『小学館の図鑑NEO 両生・はちゅう類』、小学館、2004年、21頁。
- ^ a b c d e f g h i j 『絶滅危惧動物百科6 サイ(スマトラサイ)-セジマミソサザイ』 財団法人自然環境研究センター監訳、朝倉書店、2008年、22-23頁。
関連項目
外部リンク
- ^ CITES homepage
- ^ The IUCN Red List of Threatened Species
- Luis Zambrano, Paola Mosig Reidl, Jeanne McKay, Richard Griffiths, Brad Shaffer, Oscar Flores-Villela, Gabriela Parra-Olea, David Wake 2010. Ambystoma mexicanum. In: IUCN 2011. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2011.2.