フォルクスワーゲン・ド・ブラジル
フォルクスワーゲン・ド・ブラジル(Volkswagen do Brasil Ltda.)は、ドイツの自動車会社であるフォルクスワーゲン・グループのブラジル法人。
概要
グループ最大の現地法人
第二次世界大戦後の1953年に、第二次世界大戦の戦禍も受けず、さらに南アメリカ最大の経済規模を持ちドイツ系移民も多いブラジルにおけるフォルクスワーゲンの輸入、販売を行うために設立された。
その後ブラジル国内に生産工場を立ち上げ「ビートル(現地名「フスカ」)」の生産を開始し、さらにその後ブラジルの経済発展に合わせて販売台数を拡大した。さらに1960年代以降は「バリアンチ」、「ブラジリア」や「ゴル」、「フォックス」などの独自モデルの開発、生産を行ってきた。
現在は国内に5つの工場を構え、南アメリカやヨーロッパ諸国への輸出も行われるようになり、現在では「フォルクスワーゲン」の名を冠するフォルクスワーゲン・グループの現地法人の中でも最大の規模を持つ存在となった。
エタノール
また、ブラジル政府が1970年代より推し進めたエタノール車の普及政策を受けて、早くからエタノール及びバイフューエルエンジンの研究および市場導入を行ってきた。
クライスラー現地法人買収
1979年には経営不振を受けて撤退したクライスラー現地拠点の生産設備を受け継いだ(1960年以来のシムカ現地法人時から存続していた)。なおこの際に同社がダッジブランドで生産していた「ダート」などの中型車や、小型車「ポラーラ」の生産は1980年頃に停止した。
商用車進出
クライスラーの現地法人を買収した際に同社の中型トラックの生産にも進出し、1979年から1999年まで商用車専門の子会社の「フォルクスワーゲン・カミニョーネス(Volkswagen Caminhões)」を運営していた。その後同社はフォルクスワーゲンの商用車部門の一部に統合され、引き続きフォルクスワーゲンブランドの大型バスや大型トラック、中型トラックなどを製造、販売している。
また、ブラジルの大手バス製造会社のマルコポーロ社との提携も行っており、フォルクスワーゲン製のシャーシにマルコポーロ社製のボディを合わせたバスも販売している。
アウトラチーナ
1987年から1995年までは、アメリカ合衆国のフォード・モーター・カンパニーとの合弁会社である「アウトラチーナ」(AutoLatina)を運営していた。同社では、「フォード・エスコート」のフォルクスワーゲン版の「ポインター」を生産していた他、「サンタナ」のフォード版である「ヴェルサイユ」を生産するなど、共同生産することによるコスト削減を画策していたものの、1995年に合弁を解消した。
代表的な生産車種
これまでに、ブラジル法人の独自開発車種からドイツ本国と同一のモデル、カルマンギアや、さらに買収したクライスラーの車種やアウトラチーナによるフォードの車種のバッジエンジニアリング版まで、乗用車から商用車、トラック、バス、スポーツカーまで幅広いラインナップを生産、販売している。
乗用車
- フォルクスワーゲン・タイプ1
- フォルクスワーゲン・タイプ2
- フォルクスワーゲン・1600
- フォルクスワーゲン・SP2
- フォルクスワーゲン・カルマンギア/TC
- フォルクスワーゲン・ブラジリア
- フォルクスワーゲン・パサート
- フォルクスワーゲン・フォックス
- フォルクスワーゲン・ゴル
- フォルクスワーゲン・ボヤージ
- フォルクスワーゲン・サベイロ
- フォルクスワーゲン・パラティ
- フォルクスワーゲン・ジェッタ
- フォルクスワーゲン・サンタナ
- フォルクスワーゲン・クァンタム
アウトラチーナ
商用車
- フォルクスワーゲン・デリバリー
- フォルクスワーゲン・ホルミガ
- フォルクスワーゲン・ワーカー
- フォルクスワーゲン・フォルクスバス
- フォルクスワーゲン・コンステレーション