ハンカチ
ハンカチ (handkerchief) とは、主に身だしなみとして日常的に用いられる、通常は四辺を一にする正方形の布のことで、ハンカチーフの省略形である。
元は発音そのままにハンケチーフと呼ばれ、ハンケチと略称されていた。
用途
洗った手を拭く、汗を拭うなどに使われる。欧米では鼻をかむことなどにも使われる。
歴史
ハンカチの起源は現在よりも遥かに遡り、紀元前3000年頃のエジプト文明の頃には存在していたとされる。飾りのされた麻製と思われる布の発掘が認められ、ハンカチがこの時代の身分の高い人物の持ち物であったことが推測された。
その正方形の形状は、フランスのルイ16世王妃マリー・アントワネットが規格として統一させたことが始まりとされる。それ以前のハンカチの形態は円形や長方形など様々であり、貴族たちが刺繍や豪華な飾りで贅を競う持ち物のひとつでもあった。日本では長方形が多い。
日本におけるハンカチの普及は、洋装が導入された明治時代以降である。
素材
ハンカチの素材は、綿、絹及び麻(リネン)などの吸水性に優れた織物素材が主に用いられる。近年の清潔志向を反映し、抗菌加工を施した素材もある。
文学や歌のなかのハンカチ
- 芥川龍之介の『手巾』。手巾はハンケチと読む。
- 徳冨蘆花の『不如帰』で、プラットホームで分かれる場面で振られるハンカチは忘れがたい。
- 映画『幸福の黄色いハンカチ』
- 歌『水色のワルツ』(作詞 - 藤浦洸、作曲 - 高木東六)では、水色のハンカチが重要な位置を占める。
- 歌『赤いハンカチ』(歌 - 石原裕次郎) - 1962年のヒット曲。
- 歌『木綿のハンカチーフ』(作詞 - 松本隆、作曲 - 筒美京平、歌 - 太田裕美) - 1976年のヒット曲。
ハンカチの大きさ
ハンカチの大きさは標準で45cm、大きいもので50cm、小さいもので25cmや20cmがある。
本来の使い方以外の使い方
- ハンカチ落とし
- ハンカチを用いた子供の遊びのひとつ。
- シルクマジック
- 絹製のハンカチ(シルクと呼ばれる)は奇術の小道具として用いられる。
- アマチュアレスリング
- 競技に際して選手は必ず白色のハンカチを携行しなければならないルールがある。
関連項目
- ポケットチーフ
- 手拭
- タオルハンカチ
- バンダナ - ハンカチの代用に使う人もいる。
- マリー・アントワネット - ハンカチの形状を正方形に規格した。
- 藤山愛一郎 - 出自の良さ・人当たりの良さから「絹のハンカチ」と呼ばれた自民党旧藤山派(愛正会)領袖、および旧藤山コンツェルン二代目総帥(当時)。入閣時は外務大臣や経済企画庁長官にも就任していた。晩年(度重なる自民党総裁選挙落選、藤山コンツェルン解体、資金源消滅による自民党内での求心力急速低下、藤山派の水田派への吸収)は「絹から雑巾になった」と揶揄された。
- 斎藤佑樹 - 高校時代、甲子園球場での試合中にマウンド上で折り畳んだハンカチで汗を拭う仕草をした事から、マスコミ各社が「ハンカチ王子」と呼ぶようになった。