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ノート:自治州 (中国)/過去ログ01要約

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本記事は、ノート:自治州 (中国)の過去ログで展開された議論を、「中国の民族自治行政体の表記原則に関する「参考にすべき議論(草稿)」」として要約したものである。そのほか、下記の各項にも、投票に関する参考にすべき議論が展開されている。


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はじめに

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中国の地名について、漢人の土地に中国語で付された地名については、漢字表記はそのまま(簡体字は常用漢字に改めて)、日本の音読みで発音する、記事の場合は定義部でピンインにより原語の発音を示す、ということで問題あるまいかと思います。

問題は、少数民族の地名、自治体をどのように表記するか、です。

外国語の固有名詞に関する日本語の慣用では、中国の固有名詞については、上述の、漢字表記を主とし、発音は日本式で、という原則がある一方、漢字を使用しない一般の外国語については、原語にもっとも近いカタカナで音写する、という慣用があります。さらに上記のいずれにもよらず、慣用として定着したものはそれを用いるという慣用もあります。

以下、項目別に、問題点を列挙し、諸氏の見解を提示してゆきます。

いかなる言語にもとづくか

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中国では、全土で中国語が公用語として用いられているのに加え、民族区域自治行政体においては当該民族の言語も合わせて公用語とされており、従って「少数民族」地域の地名は、中国語と民族語の、少なくとも二つ以上の正式呼称を有しています。したがって、ある土地を日本語で表記しようという場合、中国語に基づくのか、民族語に基づくのか、という問題が生じます。

例:

  • 中国語 : 阿壩 蔵族 羌族 自治州
  • 上記の音読み : あは ぞうぞく きょうぞく じちしゅう
  • チベット語ローマ字転写 : rnga ba bod rigs cha'ng rigs rangs skyong khul
  • チベット語カナ転写 : ガパ・プーリー・チャンリー・ランキョン・クル
  • テーマ : 民族区域自治行政単位は、民族語を主として表記されるべきである。
  • 提案者 : Dalaibaatur
  • (理由)当該民族の固有名詞は当該言語によって表記されるべき。中国語の正式呼称を並記することにより、民族語を知らない日本人にも理解可能。
上記に基づく記事名
ガパ・プーリー・チャンリー・ランキョン・クル
リストにおいて列挙紹介する際の表記
ガパ・プーリー・チャンリー・ランキョン・クル (rnga ba bod rigs cha'ng rigs rangs skyong khul) - 阿壩蔵族羌族自治州
コメント
(反対) このような表記は日本語として異常であり、その民族語を理解できる者にしか了解できない。茲迄2005年3月6日 (日) 14:26 (UTC)一つの自治体で複数の民族が「自治主体民族」となっている例があり、記事名として問題が生ずる。リストにおける表記としても反対。茲迄不明 -- Trek011
(反対) 記事名について、民族語で名を付けるのは避ける方が良い。茲迄2005年3月13日 (日) 20:59 (UTC)記事中の一覧については、正式名称を日本語に出来る所は日本語にし、どちらかが一方の音写でない場合、通用の便から中国語のものを基にする。茲迄2005年3月7日 (月) 06:50 (UTC) -- Kahusi

漢字表記された固有名詞の処理

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中国のすべての少数民族の民族名や自治体の地名は、漢字表記の固有名詞を有しています。ただし漢字表記の意味合いには相違があり、日本語の文章の中で表記しようとする場合に、扱いに相違がでてきす。

  • 事例A : 固有名詞の漢字表記が民族語を音写したものである場合、民族語に基づき原音に最も近いカタカナにて音写する。
    • 例 : ラサ (lha sa, 拉薩)→ラサ、フフホト(Kökekhota, 呼和浩特)→フフホト、維吾爾→ウイグル○, ウェイウーアル×、蒙 古→モンゴル○, モンクー×
  • 事例B : 固有名詞が中国語で付され、民族名は中国名を音写したものである場合、中国語による表記を主とし、民族名を従とする。
    • 例 : 紅原県(こうげん-けん、フンヨン・ゾン, hung yon rdzong)
  • 事例D : 中国名と民族名とがそれぞれ別個の固有名詞を有する場合。Dalaibaatur, Trek011, Kahusi三者の間では、一般論としては、議論されていない。
  • 事例E : おもに民族名について、中国の少数民族としての正式呼称と、日本での慣用名が大きくことなる場合。「日本での慣用によって置き換えてしまうべき」という立場と、「中国の国民を構成する民族であるから、中国での正式呼称にもとづいて表記するべき」という立場がありうる。
  1. 当該民族(及び同一名称の自治体)が中国と近隣諸国にまたがって分布して、中国の国外に居住する集団の呼称に基づく慣用がひろく流布している場合。(民族名)カザフとカザク、キルギスクルグズタジクとタージーク、ロシア人オロス族。(行政単位名)モンゴル国のアイマクホショーと中国内蒙古のアイマク(盟)、ホショー(旗)。→中国の国外と国内で呼称を統一する必要があるかどうか、日本の慣用名か中国の正式呼称名などで賛否
  2. 日本語の慣用は、一応自称を音写した名称ではあるが、欧州語もしくは近隣の諸国、民族の言語からの重訳なため、原語音とはズレが生じた例。かつ中国名は民族語による原音を音写している例。(中国)カザフとカザク、キルギスクルグズタジクとタージーク、(その他)カブールとカーブル慣用名が維持されている例、ボンベイとムンバイ、ラングーンとヤンゴン慣用名が変更された例→日本の慣用名と中国の正式呼称名で賛否
  3. 日本語の慣用は、自称を含む中国における正式呼称とはまったくことなる名称を欧州語もしくは近隣の諸国、民族の言語がつけており、その名称を慣用としてとりいれた例。(中国)チベット族とプー(蔵)族、「チベット地方」とプー(西蔵)地方。(その他)インドバーラトバンコクとクルンテープ慣用名が維持されている例エスキモーイヌイット慣用名を廃止し民族名を採用した例→日本の慣用名と中国の正式呼称名で賛否。さらにこの事例において、中国の正式呼称が中国名と民族名とで別個の呼称を有している場合(プー族と蔵族、プー地方と西蔵地方)については、事例Dでの投票により決定。ただし記事「チベット自治区(プー自治区、西蔵自治区)」についてはすでに個別に投票が行われている。
  4. 民族語が日本人にあまり知られていなかったため、原音に基づくカナ表記とともに、漢字表記からの重訳も広く流通して慣用化している例。(中国)ミャオ族(苗族)とメオ族、ダフールとダグール、シベとシボ。原音に基づく表記と重訳からの慣用表記で賛否
  5. 中国音にも原語音にもきちんとはもとづかないいい加減なカナ表記が慣用化している例。(中国)シーサンパンナ(シーサパンナ)とシップソーンパンナー(西双版納シーシュワンベンナー)。原音に基づく表記と慣用との間で賛否
  6. 中国朝鮮族の固有名詞。韓国語、朝鮮語における「原語音に基づくカナ表記」で記すか、漢族と同列に扱い、「漢字表記を残し、日本音で発音する」か。(中国)ヨンビョンと延辺(えんぺん)。朝鮮語音によるカタカナ表記と、漢字表記を維持との間で賛否

事例Eの草稿に寄せられたコメント。

  1. 事例E :民族名や地名が、中国の正式呼称(民族語または中国語によるもの)と日本での慣用とで大きく相違する場合の扱い。
    • (正式呼称を主とする(記事名は正式呼称に基づいてたてる))Dalaibaatur
    • (慣用名を主とする(記事名は慣用名に基づいてたてる)kahusi - (會話)
    (コメント)
    • 他の国での例があると良いのですが。--kahusi - (會話) 2005年8月13日 (土) 22:59 (UTC)[返信]
    • 中国の自治体をどう表記するか、という問題ですから、日本における慣用がどうであるかにかかわりなく、中国の正式名称に基づいて漢字表記もしくは現音からのカタカナ転写を行うべきだと思います。--Dalaibaatur 2005年8月19日 (金) 20:44 (UTC)[返信]
    • それだとロシアのユダヤ自治州なぞは「エヴレイ自治州」になってしまうのでは。民族名も翻訳した方が良いかと。(PRC外の)カザフ族とハサク族では別の民族扱いになってしまう。--kahusi - (會話) 2005年8月20日 (土) 13:01 (UTC)[返信]
    • 実際に作られるユダヤ人の自治州の記事名としては、ナヒチェヴァン・エヴレイ自治州ピロビジャン・エヴレイ自治州としナヒチェヴァン・エヴレイ自治州ピロビジャン・ユダヤ自治州からはリダイレクトさせること、自治州の記事本文で「エヴレイ」とはユダヤである、と明示されていれば、読者には何の不便も混乱もないかと。実際「ハザク族」がそうなっており、ハザク族をクリックすると、カザフへ飛び、記事中では、民族語による自称は「ハザク」に近い音で発音されていること、中国内に分布する人々が、同国の少数民族として「ハザク(哈薩克)族」を正式呼称としていること、などが記されています。--Dalaibaatur 2005年8月20日 (土) 18:57 (UTC)地名の勘違いを訂正しました。--Dalaibaatur 2005年8月28日 (日) 01:37 (UTC)[返信]
    • 訂正。カザフの記事では、「自称はカザクҚазақ (Qazaq)」となっていますね。「Qazaq」なら、正しくは「ハザク」とカナ転写すべきではないかと思いますが、これは「カザフ」の執筆者たちに確認してみます。中国の国民としての呼称は「ハザク族」とすべき、という立場はかわりません。
      1. ナヒチェヴァンがユダヤ自治州だったというのは初耳です。それとも私が想定しているアゼルバイジャンのナヒチェヴァン自治州とは別にそういった自治州が存在するのでしょうか。
      2. ハザク族ですが、日本での慣用的呼称は圧倒的に「カザフ族」ではないでしょうか? ハザク族とするケースは皆無ではありませんが、あまり見かけないような気がいたします。また、Qazaqはハザクと音写すべきとのご意見ですが、これはDalaibaaturさんの誤解と思います。qでラテナイズされる文字は、確かに現代モンゴル語などではハ行で日本語に音写されるような音で発音されております。しかしながら(当然ですが)文字にあてられる音は言語によって違います。現代カザフ語の場合ですと中世モンゴル語のq音に近い音であり、日本語への音写はほぼ全てのケースでカ音(カザク)になります。また現代ペルシア語ではこの音は有声化しており、Qomなら「ゴム」と聞こえたりと、文字は同じように見えても音は言語によってさまざまなのです。以下、贅言です。私はどちらかというと自分の正しいと思う音写をとるまえに、まず専門的な分野の人がどう書いているかをきちんと確認すべきであり、そういった人が慣例をとっているなら慣例を採用すべきと考えますが、これはDalaibaaturさんがハザクでされたような、ある程度知識のあることによって生じる思い込みのミスを無くす効用もあると思っています。Safkan 2005年8月27日 (土) 17:54 (UTC)[返信]

カザク族は、中国語の正式呼称では哈薩克族と表記されることから、日本語の慣用では、カザク族のうち、中国語の国民である集団を指す専用の呼称として、漢字音からの重訳である「ハザク族」という名称が流通しています。中国籍の朝鮮人についても、中国の国民である集団の専用の呼称朝鮮族があり、ウィキペディアでも記事が立てられています。----Dalaibaatur 2005年9月8日 (木) 08:47 (UTC)[返信]

普通名詞の処理

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ここでいう普通名詞とは、「○○族自治州」「○○族自治県」の部分です。

  • (完全表記) Trek011: 正式呼称による完全表記。
  • (部分表記) Kahusi: 一覧表では、実際に存在する記事名、中国語、民族語の正式呼称による表記。記事名では自治主体民族名(「○○族」)は省き、「自治州」「自治県」のみ表示。
  • (省略) Dalaibaatur: 記事名では、州、県のみの表示とすべき。王朝や政権の変遷を越えての通時的な記述に制限がかかるため。ただし、下述する「切り分け」が行われる場合には、「現行の自治体の地誌的叙述」の記事に対し、「完全表記」に賛成。

Safkan氏から「切り分け」の提案

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ノート:デチェン州において、Safkan氏より、

「清によって区分せしめられたチベットの伝統的カム地方の一部分としてのデチェンという地方」というチベット研究の立場からみた地域概念と、「中華人民共和国の設定した民族自治区たるデチェンという自治州」という現代中国の地誌叙述という立場からみた自治区の概念がそもそも別々の概念として別個の百科事典項目として両立可能ではないか 2005年7月7日 (木) 13:58 (UTC)

というご意見の提示がありました。

これを、民族区域自治行政体全般について敷衍するなら、中国の現行自治体の地誌叙述を扱う記事と、特定地域を歴史的観点から通時的に叙述する記事とを「切り分け」する、ということになるかと思います。この「切り分け」につき、Safkan氏ご本人からの補足、および諸氏からの賛否のご意見を希望します。


ご要望につき意見申し上げます。ご引用の提案は、必ず分けるべきと言っているのではなく、複数の視点から見ることができるもので、無理にひとつに押し込めることによって意見や観点の対立が起こりかねない、あるいは理解をさまたげかねないと判断されるのであれば、最初から「切り分け」により2つの項目を両立させることを考えても問題はあるまい、という趣旨であります。従って、必ず「切り分け」が必要である、とみなすという案に対しては、これに反対いたします。Safkan 2005年8月27日 (土) 17:37 (UTC)[返信]

上記の要約ではあらわれておりませんが、旧ノートにおいては、中国人民政府の「民族区域自治政策」によって各民族自治地方に冠せられることになった「〜〜○○族自治州(県、郷)」を記事名に表記させるかどうかで膠着状態におちいっておりました。完全表記がTrek011氏、○○族は省き、自治州(県、郷)のみ表示とするのがKahusi氏、州(県、郷)のみ表示がDalaibaaturです(それぞれの主張の根拠は旧ノート参照)。ただし私は「中国の現行自治体の地誌叙述を扱う記事」についてなら、「完全表記」にも同意可能でしたので、ノート:デチェン州におけるSafkan氏の「切り分け」の提案は、まさに膠着状態を突破しうる「渡りに船」でありました(下記の「普通名部分の表示について、完全表示か、部分的省略か、省略か」を参照)。

切り分けについての投票は、

  • 中国の現行の自治体名を冠した記事は「中国の現行自治体の地誌叙述を主として扱う記事」とする。
  • 「特定地域を歴史的観点から通時的に叙述する記事」は、必用に応じ、上記とは別個にもうける。

という位置づけの賛否を問うものだと考えます。--Dalaibaatur 2005年8月28日 (日) 09:21 (UTC)[返信]


  • 普通名部分の表示について、完全表示か、部分的省略か、省略か。
    • (完全表示)Dalaibaatur(切り分けが行われる場合), Trek011
    • (部分的省略)Kahusi
    • (省略)Dalaibaatur(切り分けが行われない場合)
    (コメント)

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