トンデモ本

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トンデモ本(トンデモぼん)とは、藤倉珊が「余桁分彌(よけた ぶんや)」の筆名[1]で発表した一連のエッセイ[2]で提唱した概念

概要

「著者の意図とは異なる視点から楽しむことができる本」という意味で、転じて疑似科学(エセ科学)との評価を受けている事象を真正の科学であると主張したり、オカルトを本気で主張している本、さらには単に内容がでたらめの本の意味で使われる。

ただ、公式見解は「トンデモの存在は自由な社会の証明」であるとし、日本トンデモ本大賞では、内容あるいは著者の思想価値観倫理的な問題がある本は「賞をあげたくないので」ノミネートしないとされ、笑えたり、楽しんだりできない場合は「トンデモ」の定義からはずされるとのこと。その例として、人の不幸をすべて前世の悪行の報いとみなす前世本や、誤った出産法を提唱して新生児の赤ちゃんを死亡させたカルト系育児セミナー代表の著作や、近々大規模テロがあると主張するなど物騒な内容の本を挙げている[3]

1992年に、トンデモ本に関する「と学会」が結成され、毎年、日本トンデモ本大賞を選定している。と学会のエンブレムには「THE ACADEMY OF OUTRAGEOUS BOOKS」の文字が記されている。「OUTRAGEOUS」は、「乱暴な」、「不法な」、「けしからぬ」、あるいは「あきれるほどの」の意味。

トンデモの概念

飛躍した論理で、論証もされていない仮説考証のずさんなフィクションなどを含む。具体的には疑似科学オカルトなどを含む。例えば、UFO超能力超常現象ユダヤ陰謀論に関するもの。こうした背景には、と学会メンバーが自分たちの「観察対象」となる人たちを指して「トンデモさん」、そうした人たちの論理を「トンデモ説」と呼ぶなどこの言葉をそちらの意味に近い形で転用していることがある。

また、オカルトや疑似科学にかぎらず、門田泰明の『黒豹スペース・コンバット』や志茂田景樹の『戦国の長嶋巨人軍』、大藪春彦の『餓狼の弾痕』など有名作家の小説などでもトンデモ本とされるものもある。これらは荒唐無稽な設定や、小説としての破綻があげられる。

脚注

  1. ^ 『日本SFこてん古典』の作者、SF作家横田順彌の名のもじり
  2. ^ 後に『日本SFごでん誤伝TDSF1989年 に収録
  3. ^ と学会(編)『と学会白書 Vol.1』イーハトーヴ出版、1997年.

関連項目

外部リンク