タマリン

タマリン属
	エンペラータマリン
分類
学名
	Saguinus; Hoffmannsegg, 1807

タマリンとは、霊長目（サル目）の属の1つ。中南米に棲息するサルのグループである広鼻猿類オマキザル科（キヌザル科）マーモセット亜科（キヌザル亜科）に属する。

生息域

タマリンは中央アメリカ南部から南アメリカ、コロンビア北西部、アマゾン盆地、ギアナ地方に分布している。

特徴

外見は種によって異なり、全身が黒い体毛で覆われている種から黒、茶、白などの模様を形成している種まで存在する。顔に顎髭様の体毛が生えるのが多くの種での特徴である。体長は13から30 cm (尾を入れると25から44 cm)、体重は220 to 900 g程度である。タマリンがマーモセットと異なるのは、下犬歯が明らかに切歯より長い点である。飼育下での寿命は18年程度である。

生態と繁殖

タマリンは昼行性で熱帯雨林の樹上にて生息する。樹上では、素早く行動することができる。40頭ほどの多家族からなる群を形成することもあるが、通常は、3−9頭ほどであることが多い。

雑食性であり、果物やそのほかの植物、クモ、昆虫、小型の脊椎動物、鳥の卵などを食べる。

妊娠期間は140日程度であり、双子を産むことが多い。メスばかりではなく、成熟したオスや、未成熟な個体も養育に参加する。生後約1ヶ月頃から固形物を食べ始め、完全に離乳するには2−3ヶ月である。成熟には2年かかる。タマリンはほぼ例外なく、一雌多雄制をとる。

分類

オマキザル科（キヌザル科）　Cebidae：マーモセット（キヌザル）、タマリン、オマキザル、リスザル
- マーモセット亜科（キヌザル亜科）　Callitrichinae
  - タマリン属　Saguinus
    - Saguinus niger　en:Black Tamarin
    - クロクビタマリン　Saguinus nigricollis　en:Black-mantled Tamarin
    - セマダラタマリン　Saguinus fuscicollis　en:Brown-mantled Tamarin or Saddle-back Tamarin
    - ワタボウシタマリン　Saguinus oedipus　en:Cottontop Tamarin or Pinché Tamarin
      体長約23cm、尾長約37cm。コロンビア北部に棲息。木の実や虫、鳥を食べる。
    - エンペラータマリン　Saguinus imperator　en:Emperor Tamarin
      体長約23cm、尾長約37cm。ブラジル西部に棲息。虫や小動物を食べる。
    - ジョフロイタマリン　Saguinus geoffroyi　en:Geoffroy's Tamarin
    - Saguinus tripartitus　en:Golden-mantled Tamarin
    - Saguinus graellsi　en:Graells's Tamarin
    - Saguinus martinsi　en:Martins's Tamarin
    - マダラガオタマリン（ダスキータマリン）　Saguinus inustus　en:Mottle-faced Tamarin
    - クチヒゲタマリン　Saguinus mystax　en:Moustached Tamarin or Spix's Moustached Tamarin
    - フタイロタマリン　Saguinus bicolor　en:Pied Tamarin
      体長約24cm、尾長約36cm。ブラジル北部に棲息。虫や小動物を食べる。
    - Saguinus pileatus　en:Red-capped Tamarin
    - アカテタマリン（ブラックタマリン）　Saguinus midas　en:Red-handed Tamarin or Golden-handed Tamarin or Midas Tamarin
    - シロテタマリン　Saguinus leucopus　en:White-footed Tamarin
    - ムネアカタマリン（シロクチタマリン）　Saguinus labiatus　en:White-lipped Tamarin or Red-bellied Tamarin
    - Saguinus melanoleucus　en:White-mantled Tamarin