サソリモドキ

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サソリモドキ目
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
亜門 : 鋏角亜門 Chelicerata
: クモ綱 Arachnida
: サソリモドキ目 Uropygi
Thorell, 1883
下位分類群

サソリモドキ科 Thelyphonidae

サソリモドキは、節足動物鋏角亜門クモ綱サソリモドキ目に属する動物の総称。日本には2種生息する。和名:蠍擬

特徴

体長数cmから10cmを越えるものもある比較的大型のクモ綱の生物である。名前の通り、サソリに似た特徴はあるが、外見は「ハサミと紐状のを持ったクモ」といった感じで、それほどサソリに似ては見えない。

全身は黒っぽく、丈夫で堅い。頭胸部腹部はそれぞれ楕円形でやや偏平、その間は少しくびれる。腹部には細い紐状の尾がある。尾は節があってしなるが、ほぼ真っすぐのままで、途中で曲げたりすることはない。ムチサソリという別名は、ここから来ている。 触肢はハサミになっているが、太く短くて、頭胸部の前に曲げた状態では、握りこぶしを口元に寄せたように見える。四対の歩脚がある。第一対は細長く、体の前にのばし、触角のように用いる。他の三対は、やや細目の歩行用の足になっている。


森林内の石や倒木の下で見つかるが肉食で共食い習性があるため、通常一つの石の下には1匹しかいない。動作は遅いため捕まえても挟まれたりすることはまずないが、その代わり尾の付け根から濃度の高い酢酸(約80)を噴射する。これが皮膚に触れると火傷様の皮膚炎を、目に入ると角膜炎等を起こす。

分類

世界の熱帯地方を中心に分布し、1科約70種。日本では伊豆諸島八丈島(人為分布)、九州南部から沖縄にかけてアマミサソリモドキTypopeltis stimponii が、八重山諸島にタイワンサソリモドキ Typopeltis crucifer が分布する。どちらも外見はよく似ている。以前は同一種と考えられていた。