カグラコウモリ
カグラコウモリ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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保全状況評価 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
NEAR THREATENED (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) ![]() | |||||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Hipposideros turpis Bangs, 1901 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
カグラコウモリ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Lesser Great Leaf-nosed Bat |
カグラコウモリ(神楽蝙蝠、学名:Hipposideros turpis)は、翼手目カグラコウモリ科カグラコウモリ属に属するコウモリ。日本では、石垣島、西表島、与那国島、波照間島に分布する。タイにも分布するが、日本のものと同種とする説と別種とする説がある。日本国内に生息する、唯一のカグラコウモリ科の種であり、本科の北限種である。
形態
前腕長65-72mm、頭胴長68-89mm、尾長40-52mm、体重20-32gになる。褐色系の体毛をもつ。鼻葉の後葉の上端は尖らず、中央の突起がない。この鼻葉が神楽の面に似るため、この和名がついた。
生態
昼間は洞穴に生息する。多い時には1000頭をこえる大群を作る。西表島大富地区では、10000頭以上の大きな集団が知られている。本来はこの程度の規模の群れを作る種だと考えられている。洞窟の天井に1頭ずつのなわばりを作り、体を接触させずに一定の間隔を保ってとまる。
食性は昆虫食で、大型のガ、セミ、甲虫などを捕食する。自然植生の林内で採餌するが、ねぐらの近くに適した場所がない時は、集団で列をなして5km以上離れた場所まで移動し、そこで分散して採餌する。その際、あまり開けた場所を通らずに移動する傾向がある。
出産期は5月後半から6月で、1回に1頭を産む。幼獣は35日ほどで飛翔できるようになるが、繁殖が可能になるのは、多くの個体が3歳である。哺育期間は、他のコウモリより2倍ほど長く2ヶ月間である。
秋に脂肪を蓄積し、冬は冬眠する。この際も1頭ずつ間隔をあけてとまる。
保全状態評価
- NEAR THREATENED (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))
- 絶滅危惧IB類 (EN)(環境省レッドリスト)
- 沖縄県版レッドデータブック -絶滅危惧II類(VU)
与那国島や波照間島では、かつては大きな群れがいたという洞窟で、個体数が激減したり放棄されたりしている。 土地改良によって洞窟が減少したり、洞窟内部の環境が変化したりしたこと、および森林の減少や周りの環境からの孤立化、繁殖洞に対する人間の撹乱などがその原因と考えられている。
参考文献
- 前田喜四雄 『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(動物編)-レッドデータブックおきなわ-』 沖縄県文化環境部自然保護課、2005年、P34-35。
- 前田喜四雄 阿部永監修 財団法人自然環境研究センター編 『日本の哺乳類【改訂2版】』 東海大学出版会、2008年、P34、ISBN 978-4-486-01802-5。
- 松村澄子 コウモリの会編 『コウモリ識別ハンドブック』 文一総合出版、2005年、P20 ISBN 4-8299-0015-6。
- 小宮輝之 『日本の哺乳類』 学習研究社<フィールドベスト図鑑>、2002年、P174。
外部リンク
- Hipposideros turpis -2008 IUCN Red List of Threatened Species.
- Hipposideros turpis (環境省絶滅危惧種情報 by 生物多様性情報システム J-IBIS)