オトガイ下動脈

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
動脈: オトガイ下動脈
Dissection, showing salivary glands of right side. (Submental artery visible at bottom right.)
英語 Submental artery
ラテン語 arteria submentalis
グレイの解剖学 書籍中の説明(英語)
起始
分岐
浅枝
深枝
静脈
テンプレートを表示

オトガイ下動脈(オトガイかどうみゃく)は、頭頸部動脈の一つ。顔面動脈の枝でオトガイ下部を走行する。

経路[編集]

オトガイ下動脈は顔面動脈の頸部における最も大きな動脈で、顎下腺の位置で分かれる。顎舌骨筋下方を前方へと進み[1]下顎骨体の直下を通り、顎二腹筋下方へと向かう。

周囲の筋肉に栄養を供給し、舌下動脈下歯槽動脈顎舌骨筋枝と吻合する。下顎結合部にて、下顎骨縁を上方に走行する。

オトガイ下部の皮膚にも栄養を供給する。外科医はこの皮膚と血管を顔面口腔再建に用いることがある。

[編集]

オトガイ下動脈が下顎骨縁を上行する際に浅枝と深枝を出す。

また、舌下動脈が欠如している場合等で、顎舌骨筋を貫き、下顎前歯部舌側歯肉(舌下動脈が本来分布している)に枝を伸ばしていることもある[2]

追加画像[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 原著平沢興改訂岡本道雄「I.脈管学 C.大循環(体循環)I)動脈 C)大動脈 a.総頸動脈 1.外頸動脈 3)顔面動脈 b.オトガイ下動脈」『分担解剖学2 脈管学・神経系』(改訂第11版第20刷)金原出版東京都文京区、2001年1月20日、34頁。ISBN 4-307-00342-X 
  2. ^ 藤田修平阿部伸一上松博子平出百合子井出吉信舌下動脈とオトガイ下動脈の分布に関する肉眼解剖学的研究」(PDF)『歯科学報』第107巻第4号、東京歯科大学学会千葉県千葉市、2007年8月、449頁、ISSN 0037-3710、J-GLOBAL ID 2009022917899573272011年2月24日閲覧“第284回東京歯科大学学会 抄録 口演 25” 

この記事にはパブリックドメインであるグレイ解剖学第20版(1918年)555ページ本文が含まれています。