アマガサヘビ

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アマガサヘビ
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: 有鱗目 Spuamata
亜目 : ヘビ亜目 Serpentes
: コブラ科 Elapidae
: アマガサヘビ属 Bungarus
: アマガサヘビ B. multicinctus
学名
Bungarus multicinctus
Blyth, 1861
和名
アマガサヘビ
タイワンアマガサ
英名
Many-banded krait

アマガサヘビ(雨傘蛇、Bungarus multicinctus)は、動物界脊索動物門爬虫綱有鱗目コブラ科アマガサヘビ属に分類されるヘビ。特定動物。タイワンアマガサとも呼ばれる。

分布

中国南部、台湾ベトナム北部、ミャンマーラオス

形態

全長140cm。体色は黒く白い横帯が入る。

本種は学名からα-ブンガロトキシン(α-Bungarotoxin)と名づけられた、ニコチン性アセチルコリン受容体と呼ばれるタンパク質に特異的に作用する強いペプチド毒を持っている。この受容体は運動神経筋肉に普遍的に分布し、この毒を受けると全ての筋肉の動きを止められてしまい、多くの場合呼吸困難に陥り死に至る。毒のまわりは他の毒蛇に比べて速い上に、痛みが伴わないので手遅れになる事も多い。なお、人の致死量はわずか2-3mgで、針のようなものの先端に毒をつけて刺すだけで大人も死に至らしめる。このため、現地のヘビ捕り人でさえ本種には手を出さないほどである。

その特異性の高さから、神経科学研究の現場では頻用されている。

この蛇は一般的にあまり攻撃的な性格ではないが、人家付近にも生息するため、誤って踏んでしまったり暖を求めて寝床にもぐりこまれたりして噛まれてしまう事故が多い。また本種と近縁のインドアマガサは致死率が50%に達し更に危険な毒蛇である(マルオアマガサ、タイワンアマガサは猛毒を持つものの性質は大人しいが、インドアマガサは噛み付くと放さず性質は荒い)。

生態

平地や低山地の草原、農耕地等の水辺に生息し人家の近くにも生息する。

食性は動物食で、小型哺乳類、爬虫類、カエル、魚類等を食べる。

繁殖形態は卵生で、1回に3-12個の卵を産む。

人間との関係

インドでは、四大毒蛇の一種として恐れられている。ちなみに、他の三種はインドコブララッセルクサリヘビカーペットバイパーである。中国南部、台湾なとでは食用として扱われる。

参考文献

  • 『爬虫類・両生類800図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、131頁。
  • 『小学館の図鑑NEO 両生類はちゅう類』、小学館、2004年、130頁。

関連項目

外部リンク