ささら

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ささら(簓)とはや細い木などを束ねて作製される道具の一つである。洗浄器具として用いられるほか、楽器や民族舞踊の際の装身具の一部としても用いられる。同音異義語に讃良があり、こちらは第41代持統天皇の幼名。あるいは大阪の地名・讃良郡(現在の大東市の一部)。

洗浄器具

ササラ電車
こきりこささら
こきりこささら

ささらは、たわしと同様に食器類の洗浄に用いる器具である。

束になった竹の半分程度を持ち手として半分程度を洗浄面に押しつけて使用する。比較的長くて硬いため、を傷つけずにこびりついたり焦げついた汚れを落とすときに重宝する。21世紀初頭の現在では亀の子たわし金属製のたわしが普及したため一般家庭で使用されていることは少ないが、中華料理店等で中華鍋等を洗浄する際に用いられる場合もある。

新品は竹の粘りがあり、使用者が腕力を使ってもしなることから使いづらい面もある。しかし、徐々に使い古されることにより繊維が細かくなることで柔らかくなり比較的腕力を要しないで使用することが可能となる。但し、あまりにも竹の繊維が弱くなると鍋等を洗う用途から外れる場合が多い。この状態を「腰がなくなる」とか「へたる」などと表現する。

なお、北海道札幌市路面電車では積雪時に併用軌道での除雪を行う際に竹製のブラシを取り付けた除雪車両を運行する。この車両は「ササラ電車」と呼ばれる。

楽器

秋の稲穂が擦れあう擬音をささらといい、これを表現する楽器としてのささらがある。編木という表記がある。ささらを使ったささら舞踊りささら踊りという。全て五穀豊穣の意味があり、地方によっては魔よけの意味をもつこともある。

こきりこささら(びんささら、板ささら)
富山県五箇山地方の民謡である、『こきりこ節』を歌って踊る際に用いる民俗楽器。108枚の木片と両端のグリップを、ひもで結びつけた形をしている。演奏は両手でそれぞれのグリップを握りアーチ状に保持した後、片手のスナップを効かせる。すると木片が隣の木片へと次々に衝撃を伝え、このとき発する衝撃音で「シャ」という擦過音に近い打音が響く。
棒ささら
多数の溝を彫り込んだ木製の棒を、細い棒で擦ることにより音を発する民俗楽器。多く茨城県で見られる。

建築

簓子下見(ささらこしたみ)

下見板(したみいた)の断面形状に合わせて連続した切込みを入れた簓子(ささらこ)と呼ばれる棒状の木材で下見板を固定する壁の形式。尚、切込みを入れない押縁(おしぶち)で下見板を固定するものを押縁下見(おしぶちしたみ)と呼ぶ。


簓桁階段(ささらげたかいだん)

簓桁(ささらげた)と呼ばれる連続した切込みを入れた板の上に踏板を配置した形状を持つ階段。それに対して踏板を両側から板で挟みこむ形状を持つものを側桁(がわげた)階段と呼ぶ。建設業界の一部で側桁のことを指差して「ササラ」と呼ぶ風潮があるが上の記述のように連続したギザギザの形状を持つものを「ササラ」と呼び、明らかに間違いである。

関連項目