QuarkXPress

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QuarkXPressクォーク・エクスプレス)は、Quark社の販売しているDTPソフトウェアで、同社の代表的製品。かつてMac OS 9が主流の時代、MacintoshによるDTPのデファクトスタンダードであった。ティム・ギルおよびそのチームによって開発され、Quark社の黄金時代を築いた。

(特に日本では)「クォーク(クオーク)」といえばこのソフトのことを指し、会社名だという認識は薄い。綴りが「Express」ではなく、また「Xpress」でもなく「XPress」なのは、「Press=印刷」という単語を踏まえているとされる。

目次

[編集] 業界標準化

DTP業界において圧倒的な支持があり、このソフトのMac OS X対応が遅れたゆえに、業界のMac OS Xへの移行が進んでいないとも言われていたが、現在では先に完全対応を果たしたInDesignにシェアを奪われている。これは日本だけでなく、本家本場たるアメリカでも同じである。

QuarkXPressはDTP黎明期において最初に登場したアプリケーションではなく、Aldus PageMakerが先行していた。……というよりも、DTPという言葉自体がPageMakerのプロモーションのためにアルダスのポール・ブレイナード社長によって作られた言葉だったから、DTPという分野自体がPageMakerによって築かれたとも言える。QuarkXPressは、ライバルに先んじてカラー対応を果たしたことや、次に述べる特徴などからデザイナーなどへ支持を広げ、現在の立場を獲得するに至った。

「MacintoshDTPといえばQuark(XPress)」、という共通認識があるだけに、出版業界で「マックで組む」という言葉は「QuarkXPress 3.3Jで組む」ことを意味していた。それはつまり後継バージョンである4.1J(はWindows版も提供し、Macintosh版とのクロスプラットフォーム互換性を実現している。)への移行が、あまり進んでいないことを意味した。既に3.3JとOCFフォントによるワークフローが確立していることや、3.3J導入時に多大な投資をした出版社印刷会社で追加投資を嫌われることや、減価償却の問題があるといわれる。

現在少なくとも日本では、Mac OS Xへの移行に積極的な現場では、Adobe InDesignへの乗り換えが進んでいる。「先進的な機能をいち早く提供したQuarkXPressが、Aldus社との合併でもたもたしていたAdobe社のPageMakerを一気に抜き去った」はずであるが、「OpenTypeにいち早く対応するなど、先進的な機能を提供したInDesignが、QuarkXPressのMac OS Xへの対応の遅れ」のために逆転現象が起きたことは皮肉であり、今後の動向が注目される。

[編集] 特徴

軽快な動作と、入門者にも分かりやすい直感的な操作性が特徴。また、標準搭載されてない機能はXTension(エクステンション)と呼ばれるプラグインによって実現できるという柔軟な拡張性が特徴。しかし一方、(種類によっては)XTensionの有無によって、同一バージョン間での互換性に問題が生じる場合もある。

2004年に発表されたバージョン6.0でMac OS Xにネイティブ対応(Classic環境から起動する必要がない)した。レイヤーやテーブル(表)機能の搭載、複数回のアンドゥ(操作の取り消し)・リドゥ(取り消した操作のやり直し)やコンテキストメニューの強化のほか、「プロジェクト」という新しい概念を導入し、書籍Webを同時製作するなどの作業が簡略化された。しかし何れもInDesignに搭載されている機能の後追いという印象は拭えない上、28万円強という高価格(アドビ製品ならInDesignだけでなくPhotoshopIllustratorに加えAcrobatのProfessional版もバンドルされたCreative Suite Premiumパッケージが買えた)もあり、普及したとは言い難い。

英語版の最新バージョンは7.0。Mac版はユニバーサル・アプリケーションとなり、Mac ProなどIntel製CPUを搭載した機種でもネイティブ動作する。

日本語版は6.5Jが最新。OpenTypeフォントのダイナミックダウンロードなどに対応した。なお日本語版5.0は予告されたものの実際にはリリースされなかったが、バージョン6で対応したことになる。

[編集] 日本語版の機能

日本語版(バージョン番号の末尾に「J」が付随する)は、軽快な動作と直感的な操作性が高く評価されているが、ぶら下げルビといった日本語独特の組版ルールには標準搭載の機能では対応しきれず、かなりの部分をDTPオペレーターの経験と工夫に頼っている。中黒約物として処理しない、字間の調整がきちんと制御できないなど、日本語組版に用いるには著しく問題があるが、そういった古くからの問題を「過去との互換性」を理由に改善しようとしていない。

また、表組や罫線の機能を実装していないため、そういった要素が頻出するレイアウトワークを行うためにはXTensionの購入が必須であった。日本語版は、アプリケーション自体がかなり高価であるため、TCOはかなり高い。ただし、日本語版バージョン6より表組機能が追加され、価格も大幅に下げられている。

余談ではあるが、OpenTypeに対応した6.0Jが出てからダイナミックダウンロード出力に対応した6.5Jが出る前には、QuarkXPressのために、フォントメーカー側が出力機用OpenTypeフォントを開発するなど、本末転倒な事態になり、大いに混乱を呼んだ。

また、もう1つのOpenTypeの重要な利点である字体切り替え機能には現バージョンでは対応していない。バージョン7で対応する予定である。

[編集] ハードウェアキー

3.3と4.1のドングル
3.3と4.1のドングル

日本語中国語などの、いわゆる2バイト言語向けのエディションでは、不正使用を阻止するためハードウェアキーと呼ばれる装置がソフトウェア・パッケージに同梱されている。この装置はドングルとも呼ばれ、これがコンピュータにつながっていない状態ではQuarkXPressは起動しない上に、動作中に抜けた場合も警告を表示した後に自動的に終了する設定になっている。

以前はADBポートを利用した、デイジーチェーンの可能なドングルだったが、のちにUSB接続に移行した。

当初はハードウェアキー仕様ではなかったのが、ソフトウェアの違法コピーにたまりかねて機械的な認証に移行したところ売り上げが5倍に増えたと言われ、カジュアルコピーの撲滅を叫ぶ主張を裏付ける資料となっている。ただしこれは機能改善と同時であるため、単純にその差分を違法コピー数であると見なすことはできないかもしれない。

最新版の6.0では、故障が多く正規ユーザが利用出来なくなることがある等不評であったこの方式は廃止され、プロダクトアクティベーションと呼ばれるライセンス認証形式に変更された。

[編集] 日本語版のバージョン履歴

  • QuarkXPress 2.0J (1989)
  • QuarkXPress 3.1J (1993)
  • QuarkXPress 3.3J (1994) - Macintosh 版のみ
  • QuarkXPress 4.0J (1998)
  • QuarkXPress 4.1J (2000)
  • QuarkXPress 6.0J (2004)
  • QuarkXPress 6.5J (2004)
  • QuarkXPress 6.51J (2006)

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク