K3 (分隊支援火器)

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大宇 K3
戦争記念館で展示されるK3機關銃
大宇 K3
種類 分隊支援火器 
製造国 大韓民国の旗 韓国
設計・製造 ファブリックナショナル(設計・初期製造)
S&T大宇(製造)
年代 1990年代
仕様
種別 軽機関銃
口径 5.56mm
銃身長 533mm
ライフリング 6条/右回り
使用弾薬 5.56x45mm NATO弾
装弾数 200発(ベルト弾倉)
30発(STANAG マガジン
作動方式 ロータリーボルト式
全長 1,030mm
重量 6.85kg
発射速度 900発/分
銃口初速 915m/秒
有効射程 600m(点制圧)
1,000m(面制圧)
3,600m(最大射程)
歴史 
製造期間 1991年~現在
配備先 運用国を参照
関連戦争・紛争 不朽の自由作戦
イラク戦争
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K3は、大韓民国国軍の要求に基づいてベルギーファブリックナショナル社(FN社)が設計し、大韓民国S&T大宇が製造する分隊支援火器である[1]

開発

大韓民国陸軍では、分隊支援火器に長らくM60機関銃を使用していた。しかし、アメリカ軍をはじめとする西側諸国5.56x45mm NATO弾を用いたアサルトライフルを採用する趨勢に合わせ、韓国軍もK1K2といった5.56mm NATO弾を用いた小銃を採用し、同じ銃弾を用いる分隊支援火器が要求された。

当初は、アメリカ陸軍が採用したM249軽機関銃、または元設計のミニミ軽機関銃の購入も検討されたが、アメリカ陸軍向けの製造が優先されており、韓国陸軍向け製造には数年かかることが予想された。さらに、M249は必ずしも韓国軍の要求に合う設計ではなく、次期主力小銃であるK2との互換性など独自に改良する必要があり、独自開発にはさらに時間を要した。

そこで、韓国軍はミニミやM249を設計したFN社に、これらを元にした分隊支援火器の設計を要求。FN社による設計を経て、1990年には韓国陸軍への配備を開始。翌1991年には大宇S&Tによる製造が始まった。

設計

K3の設計は、基本的にFN社が設計・製造するミニミ軽機関銃と同じである。使用する銃弾も同じ5.56mm NATO弾で、アサルトライフルで用いるSTANAG マガジンを用いることができるのも同じである。重量は汎用機関銃のM60よりも遥かに軽量で、小柄な韓国軍兵士が携行して運用するのに現実的な兵器となっている。

ミニミやM249との違いとして、K2との操作性の共有が挙げられる。特に引金や銃把、銃床、ハンドガードはK2と同じ部品を用いている。銃身には折畳式の把手が付いており、銃身交換が容易になっている。機関部前方には折畳式の二脚があり、伏射や乗車射撃で用いるほか、M60と同じく三脚に搭載して重機関銃としても運用が可能である。

運用

K3を構える大韓民国海兵隊の兵士。

当初、FN社が製造したものを韓国陸軍が購入するという形が取られていたが、1991年以降は大宇精密工業(現・S&T大宇)が国産化した。韓国陸軍ではM60と代替して配備が進められ、既に全ての歩兵連隊にK3が行き届いている。イラク戦争後のイラクに派遣されたザイトゥーン部隊などでも用いられ、実戦での運用も経験している。

S&T大宇では、K3の輸出も積極的に行なっており、他の競合種に比べて安価であることから、韓国軍以外でも採用されている[2]

運用国

参考資料

  1. ^ Business Outline, Defense Business”. S&T大宇. 2011年1月13日閲覧。
  2. ^ a b c Daniel Watters. “The 5.56 X 45mm: 2006”. Gun Zone. 2011年1月13日閲覧。
  3. ^ Modern Firearms - Daewoo K3
  4. ^ http://gall.dcinside.com/list.php?id=gun&no=33393
  5. ^ http://biz.chosun.com/site/data/html_dir/2011/08/03/2011080300418.html
  6. ^ Kopassus & Kopaska - Specijalne Postrojbe Republike Indonezije” (Croatian). Hrvatski Vojnik Magazine. 2011年1月13日閲覧。
  7. ^ アーカイブ 2004年6月24日 - ウェイバックマシン
  8. ^ Philippine Army. “Army Troopers Newsmagazine Vol.2 No.9”. Philippine Army. 2011年1月13日閲覧。

関連項目

外部リンク