2012年中華民国総統選挙
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■=馬英九・呉敦義が最多得票を得た地域 ■=蔡英文・蘇嘉全が最多得票を得た地域 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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2012年中華民国総統選挙(2012ねんちゅうかみんこくそうとうせんきょ、繁体字中国語: 中華民國第十三屆正副總統選舉)は、2012年1月14日に実施された中華民国の総統と副総統を選出するための選挙である。第八回中華民国立法委員選挙も同日実施され、史上初の総統選挙と立法委員選挙のダブル選挙となった[2]。有権者数は1808万6455人。
候補者
候補者
号次 | 政党名 | 総統・副総統 | 候補者 | 略歴 | |
---|---|---|---|---|---|
1 | ファイル:Green Taiwan in White Cross.svg 民主進歩党 | 総統候補 | 蔡英文 |
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副総統候補 | 蘇嘉全 | ||||
2 | 中国国民党 | 総統候補 | 馬英九 |
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副総統候補 | 呉敦義 | ||||
3 | 親民党 | 総統候補 | 宋楚瑜 | ||
副総統候補 | 林瑞雄 |
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主な政党における予備選挙
民主進歩党
現職党主席の蔡英文、元行政院長の蘇貞昌、元民進党主席の許信良が党内選挙に立候補し、2011年5月4日、蔡英文を正式に次期総統候補に選任した。2011年9月10日、民進党秘書長蘇嘉全を副総統候補に指名。同年9月24日の党大会(全国代表大会)で正副総統候補の擁立が正式承認された[3]。
中国国民党
現職総統の馬英九以外に立候補はなく、2011年4月27日、馬英九を正式に次期総統候補に選任した。同年6月19日、馬候補は、現職の行政院長(首相)である呉敦義を副総統候補に選任すると発表。
争点
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選挙の主要争点は馬英九総統が進めてきた対中政策への是非、経済格差と福祉政策であった。対中政策では中台関係改善の成果を主張した馬英九候補(国民党)に対し、蔡英文候補(民進党)は台湾の主体性が脅かされていると馬総統が進めてきた中台関係改善を批判した[4][5]。
蔡英文候補の主張
- 中国との関係は台湾人の総意で民主的に決める。対話を通じた平和で安定的な関係構築を目指す。
馬英九候補の主張
- 中国と台湾は「一つの中国」であることを認め、「統一せず・独立せず・武力行使せず」の原則維持で中台交流を拡大。
宋楚瑜候補の主張
- 最終的には中台統一を実現。当面は現状維持し、経済・貿易を中心に交流を拡大。
結果
選挙の結果、国民党の馬英九総統が、民進党の蔡英文と親民党の宋楚瑜を破って再選を果たした。馬英九と蔡英文の得票差は6%弱、投票率は前回選挙(76.3%)を下回った。
選挙人数 | 18,086,455 |
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投票数 | 13,452,016 |
投票率 | 74.38% |
有効票数 | 13,354,305 |
無効票数 | 97,711 |
- 出典:總統副總統 選舉概況。中央選挙委員会(2012年1月16日閲覧)
当落 | 党派 | 候補者 | 得票数 | 得票率 | |
---|---|---|---|---|---|
総統 | 副総統 | ||||
当選 | 中国国民党 | 馬英九 | 呉敦義 | 6,891,139 | 51.6024% |
民主進歩党 | 蔡英文 | 蘇嘉全 | 6,093,578 | 45.6301% | |
親民党 | 宋楚瑜 | 林瑞雄 | 369,588 | 2.7676% | |
13,354,305 |
- 出典:總統副總統 候選人得票數。中央選挙委員会(2012年1月16日閲覧)
縣市名 | 蔡英文 (民進党) |
馬英九 (国民党) |
宋楚瑜 (親民党) | |
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合計 | 6,093,578 | 6,891,139 | 369,588 | |
直轄市 | 台北市 | 634,565 | 928,717 | 41,448 |
新北市 | 1,007,551 | 1,245,673 | 65,269 | |
台中市 | 678,736 | 792,334 | 48,030 | |
台南市 | 631,232 | 435,274 | 27,066 | |
高雄市 | 883,158 | 730,461 | 39,469 | |
省轄市 | 基隆市 | 79,562 | 128,294 | 8,533 |
新竹市 | 92,632 | 134,728 | 7,216 | |
嘉義市 | 76,711 | 69,535 | 4,042 | |
宜蘭県 | 135,156 | 115,496 | 6,652 | |
桃園県 | 445,308 | 639,151 | 32,927 | |
新竹県 | 89,741 | 190,797 | 9,599 | |
苗栗県 | 107,164 | 206,200 | 9,597 | |
彰化県 | 340,069 | 369,968 | 21,403 | |
南投県 | 123,077 | 158,703 | 8,726 | |
雲林県 | 214,141 | 159,891 | 9,662 | |
嘉義県 | 181,463 | 120,946 | 7,364 | |
屏東県 | 271,722 | 211,571 | 9,562 | |
台東県 | 33,417 | 72,823 | 3,313 | |
花蓮県 | 43,845 | 118,815 | 6,359 | |
澎湖県 | 20,717 | 22,579 | 2,082 | |
金門県 | 3,193 | 34,676 | 990 | |
連江県 | 418 | 4,507 | 279 |
- 出典:總統副總統 候選人得票數(2012年1月16日閲覧)。地域別得票は中央選挙委員会サイトの左ウィンドウ「地域一覧」より
馬英九が勝利した要因は、中台関係改善の実績と現状維持路線(統一せず、独立せず、武力行使せず)が評価されたものと受け止められた。特に中台関係改善・交流拡大のきっかけとなった「九二共識」(92年合意。中国と台湾の当局者が92年に交わしたとされる合意の通称、中国側は「一つの中国」で双方が合意したと主張したのに対し、台湾側は「一つの中国」の判断は双方の見解にゆだねるとし、双方で食い違いを見せた)を維持するとした馬英九に対し、蔡英文は92年合意そのものを否定する戦略を採ったため、中国との関係悪化を懸念する中間派有権者への支持を広げられなかった[6]。
脚注
- ^ a b c “中央選挙委員会” (2012年1月14日). 2012年1月14日閲覧。
- ^ “台湾総統選、馬英九氏が勝利…約80万票差”. 読売新聞. (2012年1月14日) 2012年1月15日閲覧。
- ^ 産経新聞2011年9月24日
- ^ 2012年台湾総統選挙の見通し(1)
- ^ 2012年台湾総統選挙の見通し(3)
- ^ 東京外語大学准教授・小笠原欣幸「2012年台湾総統選挙 結果と見通し」 (PDF) IDE Poilcy Brief No2(日本貿易振興機構アジア経済研究所)
参考文献
- 第13任總統副總統及第8屆立法委員選擧(中央選挙委員会)
- 小笠原欣幸ホームページ
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関連項目
外部リンク
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