2008年イタリア総選挙

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2008年イタリア元老院議員選挙

改選議席:315[1]
2008年4月13日14日

基礎データ
投票数: 33.396.196
  
78.2%  

選挙結果
シルヴィオ・ベルルスコーニ自由の人民
得票: 12,510,306  
獲得議席: 146  
  
38.2%
ワルテル・ヴェルトローニ民主党
得票: 11,042,325  
獲得議席: 119  
  
33.7%
ウンベルト・ボッシ北部同盟
得票: 2,644,248  172713681.8%
獲得議席: 26  100%
  
7.9%
アントニオ・ディ・ピエトロ価値あるイタリア
得票: 1,414,118  143419575.5%
獲得議席: 14  250%
  
4.2%
ピエル・フェルディナンド・カジーニ中道連合
得票: 1,898,842  17.9%
獲得議席: 3  85.7%
  
5.7%

上院議席配分
2008年イタリア総選挙


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2008年イタリア代議院議員選挙
改選議席:630
2008年4月13日14日

基礎データ
投票数: 36,452,286
  
78.1%  6.6%

選挙結果
シルヴィオ・ベルルスコーニ自由の人民
得票: 13,628,865  
獲得議席: 276  
  
37.4%
ワルテル・ヴェルトローニ民主党
得票: 12,092,998  
獲得議席: 217  
  
33.2%
ウンベルト・ボッシ北部同盟
得票: 3,024,758  72.9%
獲得議席: 60  130.8%
  
8.3%
ピエル・フェルディナンド・カジーニ中道連合
得票: 2,050,309  20.6%
獲得議席: 36  7.7%
  
5.6%
アントニオ・ディ・ピエトロ価値あるイタリア
得票: 1,593,523  81.7%
獲得議席: 29  70.6%
  
4.4%

地方別最多得票政党
2008年イタリア総選挙
青色:自由の人民、赤色:民主党、茶色:北部同盟、灰色:南チロル人民党、水色:自由民主運動

下院議席配分
2008年イタリア総選挙


閣僚評議会議長

:::Ministero dell'Interno::: Archivio Storico delle Elezioni

2008年イタリア総選挙(2008ねんイタリアそうせんきょ、イタリア語: Elezioni politiche italiane del 2008)は、2008年4月13日14日に施行されたイタリア国会議員選挙である。

概要[編集]

1948年イタリア共和国憲法制定後16回目の総選挙で、上院元老院)と下院代議院)の全議席[1]を改選した。

選挙までの経緯[編集]

2008年1月、第2次ロマーノ・プローディ内閣の与党であった欧州民主連合・人民(UDEUR)が政権離脱を表明した。UDEUR書記長で法務大臣のクレメンテ・マステッラに対する検察捜査を与党が追認したことへの反発からであった。

首相プローディは、上下両院に内閣信任決議案を提出。下院では与党多数であったため決議案は可決されたが、上院はUDEURの離脱により与野党が伯仲、決議案は否決された。プローディは内閣総辞職を大統領のジョルジョ・ナポリターノに願い出たため、ナポリターノは後継首相の選出を模索したが、解散・総選挙を主張した野党が協力を拒否した。ナポリターノは首相選出を断念し、2月に上下両院を解散した。

与党最大勢力の民主党(PD)は、書記長のワルテル・ヴェルトローニが引退を表明したプローディに代わり首相候補として左翼勢力との連携を否定、PD独自で選挙に臨むことを表明した。一方の野党は、最大勢力のフォルツァ・イタリア(FI)が国民同盟(AN)との統合を前提とした新しい政党連合「自由の人民」(PdL)を結成した。

選挙データ[編集]

解散日[編集]

候補者名簿提出日[編集]

投開票日[編集]

改選数[編集]

  • 下院(代議院) - 630名
    • 大選挙区(州選挙区):617名
    • 小選挙区(ヴァッレ・ダオスタ州)1名
    • 在外選挙区:12名

選挙制度[編集]

  • 下院[2]
    • 拘束名簿式比例代表制(26選挙区、州単位)
    • 小選挙区制(ヴァッレ・ダオスタ州)
    • 在外選挙区

主な争点[編集]

  • 政権選択 - 主要政党(政党連合)の首相候補

投票結果[編集]

前回選挙を選挙連合「自由の家」で臨んだ中道右派連合は、今回は中道勢力が抜けたことから得票率は減少したものの、保守・右派勢力が引き続き連合を組んだ事で、政権への批判票を吸収することに成功したことで中道左派・左翼勢力を抑えて最多得票を獲得した。

一方で「ルニオーネ」最大勢力の民主党が離脱し、中道勢力と左翼勢力に分かれた。このため前回選挙で約50%を占めた中道左派勢力の票が分散、政権維持に失敗した。

上院[編集]

候補者名簿連合/所属政党 獲得議席 国内選挙区 国外選挙区 改選前 増減
得票数 得票率 議席数 得票数 得票率 議席数
シルヴィオ・ベルルスコーニ連合 174 15,507,548 47.32 171 315,720 33.97 3 135 +39
自由の人民(PdL)[3] 147 12,510,306 38.17 144[4] 315,720 33.97 3 122 +25
北部同盟(LN) 25 2,642,166 8.06 25 - - - 13 +12
自治運動(MpA) 2 355,076 1.08 2 - - - 0 +2
ワルテル・ヴェルトローニ連合 132 12,456,444 38.01 130 346,142 37.24 2 109 +23
民主党(PD)[5] 118 11,042,326 33.70 116 308,157 33.15 2 105 +13
価値あるイタリア(IdV) 14 1,414,118 4.32 14 37,985 4.09 0 4 +10
その他 9 4,807,235 14.67 8 267,601 28.79 1 68 -59
中道連合(UdC)[6] 3 1,866,338 5.70 3 55,450 5.97 0 21 -18
虹の左翼(SA)[7] 0 1,053,154 3.21 0 26,664 2.87 0 38 -38
右派・三色の炎(Destra–FT)[8] 0 687,211 2.10 0 12,929 1.39 0 0 ±0
社会党(PS) 0 284,428 0.87 0 27,385 2.95 0 0 ±0
労働者共産党(PCL) 0 180,454 0.55 0 - - - 0 ±0
批判的左翼(SC) 0 136,396 0.42 0 5,837 0.63 0 0 ±0
南チロル人民党(SVP) 2 - - 2[9] - - - 2 ±0
南チロル人民党・自治と内政(SVP-IPLA) 2 - - 2[9] - - - 3 -1
ヴァッレ・ダオスタ(VD) 1 - - 1[10] - - - 0 +1
外国イタリア人運動連合(MAIE) 1 - - - 69,279 7.45 1 0 +1
南米イタリア人協会(AISA) 0 - - - 58,058 6.25 0 1 -1
諸派 0 599,254 1.10 0 11,999 1.29 0 3 -3
315 32,771,227 100.00 309 929,463 100.00 6 315 ±0

ヴァッレ・ダオスタ州選挙区[編集]

候補者名簿連合/政党 獲得議席 得票数 得票率
ヴァッレ・ダオスタ(VA) 1 29,186 41.39
自由民主運動(ALD) 0 26,375 37.40
自由の人民(PdL) 0 12,166 17.25
北部同盟(LN) 0 2,081 2.95
社会行動(AS) 0 712 1.01
1 70,520 100.00

トレンティーノ=アルト・アディジェ州選挙区[編集]

候補者名簿連合/政党 獲得議席
自由の人民(PdL) 3
南チロル人民党(SVP) 2
南チロル人民党・自治と内政(SVP-IPLA) 2
7

下院[編集]

候補者名簿連合/政党 獲得議席 国内選挙区 国外選挙区 改選前 増減
得票数 得票率 議席 得票数 得票率 議席
シルヴィオ・ベルルスコーニ連合 344 17,064,314 46.81 340 314,357 31.03 4 242 +102
自由の人民(PdL)[3] 276 13,629,069 37.39 272 314,357 31.03 4 216 +60
北部同盟(LN) 60 3,024,758 8.30 60 - - - 26 +34
自治運動(MpA) 8 410,487 1.13 8 - - - 8 ±0
ワルテル・ヴェルトローニ連合 246 13,686,501 37.55 239 373,156 36.83 7 237 +9
民主党(PD)[5] 217 12,092,969 33.17 211 331,567 32.73 6 220 -3
価値あるイタリア(IdV) 29 1,593,532 4.37 28 41,589 4.12 1 18 +12
その他 40 5,701,471 15.64 39 325,573 32.14 1 151 -111
中道連合(UdC)[6] 36 2,050,309 5.62 36 81,450 8.04 0 39 -3
虹の左翼(SA)[7] 0 1,124,428 3.08 0 28,353 2.80 0 72 -72
右派・三色の炎(Destra-FT)[8] 0 885,226 2.43 0 14,609 1.44 0 0 ±0
社会党(PS) 0 355,575 0.98 0 31,774 3.14 0 18 -18
労働者共産党(PCL) 0 208,173 0.57 0 - - - 0 ±0
批判的左翼(SC) 0 167,664 0.46 0 - - - 0 ±0
南チロル人民党(SVP) 2 147,666 0.41 2 - - - 4 -2
自由民主運動(ALD) 1 - - 1[10] - - - 1 ±0
外国イタリア人運動連合(MAIE) 1 - - - 83,585 8.25 1 0 +1
南米イタリア人協会(AISA) 0 - - - 61,610 6.08 0 1 -1
諸派 0 762,430 2.09 0 24,192 2.39 0 16 -16
630 36,452,286 100.00 618 1,013,086 100.00 12 630 ±0

ヴァッレ・ダオスタ州選挙区[編集]

候補者名簿連合/政党 獲得議席 得票数 得票率
自由民主運動(ALD) 1 29,311 39.12
ヴァッレ・ダオスタ(VD) 0 28,349 37.84
自由の人民(PdL) 0 13,877 18.52
北部同盟(LN) 0 2,322 3.10
社会行動(AS) 0 1,066 1.42
1 74,925 100.00

選挙後[編集]

自由の人民が上下両院で過半数を獲得、党首のシルヴィオ・ベルルスコーニが3度目の首相の座に返り咲いた(第4次ベルルスコーニ内閣)。

民主党は野党に転落、ローマ市長選挙でも元職が落選した。しかし左翼勢力を除いた改選議席は増加したことから二大政党の一角として認知された。

自由の人民に参加せず、選挙後のキャスティング・ボートを狙った中道連合は、下院では僅かに議席を減らしたのみだったが、上院では3議席に留まった。

民主党と袂を分かった左翼勢力は大幅に票を減らし、上下両院で議席を失った。西ヨーロッパ最大の勢力を誇った共産党が議席ゼロに終わったのは、第二次世界大戦後初めての出来事であった。

脚注[編集]

  1. ^ a b c 上院の終身議員7名を除く。
  2. ^ 三輪和宏「諸外国の下院の選挙制度」 (PDF)国立国会図書館『レファレンス』No.671(2006年12月)
  3. ^ a b フォルツァ・イタリア(FI)、国民同盟(AN)による候補者名簿連合。
  4. ^ トレンティーノ=アルト・アディジェ州3、
  5. ^ a b イタリア急進主義者(RI)を含む。
  6. ^ a b キリスト教中道民主連合(UDC)、白いバラ(RB)、イタリア民主社会党(PSDI)による候補者名簿連合
  7. ^ a b 共産主義再建党(PRC)、民主的左翼(SD)、イタリア共産主義者党(PdCI)、緑の連盟(Verdi)による候補者名簿連合。
  8. ^ a b 右派(Destra)、社会運動・三色の炎(MS-FT)による候補者名簿連合。
  9. ^ a b トレンティーノ=アルト・アディジェ州選挙区選出。
  10. ^ a b ヴァッレ・ダオスタ州選挙区選出。

外部リンク[編集]