(47171) 1999 TC36

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(47171) 1999 TC36
仮符号・別名 1999 TC36
分類 太陽系外縁天体
軌道の種類 エッジワース・
カイパーベルト

冥王星族[1][2]
発見
発見日 1999年10月1日
発見者 E. P. ルビンシュタイン
L.-G. シュトローガー
軌道要素と性質
元期:2010年1月4日 (JD 2,455,200.5)
軌道長半径 (a) 39.649 AU
近日点距離 (q) 30.571 AU
遠日点距離 (Q) 48.726 AU
離心率 (e) 0.229
公転周期 (P) 249.66
平均軌道速度 4.69 km/s
軌道傾斜角 (i) 8.42
近日点引数 (ω) 294.44 度
昇交点黄経 (Ω) 97.05 度
平均近点角 (M) 352.68 度
前回近日点通過 1765年頃
次回近日点通過 2015年頃
衛星の数 2
物理的性質
平均密度 0.8 - 0.3 g/cm3
表面重力 0.039 - 0.020 m/s2
脱出速度 0.117 - 0.096 km/s
自転周期 >8 時間 or
6.21 時間 or
1.9 日
スペクトル分類 P
絶対等級 (H) 4.73
アルベド(反射能) 0.110 - 0.055
表面温度 ~45-44 K
色指数 (B-V) 1.01 ± 0.04
色指数 (V-R) 0.69 ± 0.03
色指数 (V-J) 2.32 ± 0.07
色指数 (V-H) 2.74 ± 0.03
色指数 (R-I) 0.63 ± 0.05
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(47171) 1999 TC36は、海王星と2:3の軌道共鳴をしている[1]太陽系外縁天体であり、外縁天体では初めて確認された「三重小惑星」である[3]。アメリカ合衆国アリゾナ州のキットピーク国立天文台で、1999年10月にルイス=グレゴリー・シュトローガーが Low-Z 超新星捜索プログラムで撮影した画像をエリック・P・ルビンシュタインが調べている時に発見された。2002年9月に小惑星番号47171として登録された。

2001年12月8日にチャドウィック・トルヒージョマイケル・E・ブラウンハッブル宇宙望遠鏡 (HST) で撮影した画像から衛星が発見され[4]S/2001 (1999 TC36) 1(後にS/2001 (47171) 1)という仮符号が与えられた。主星の直径が約400km[5][6]と推定されていたのに対し、衛星の推定直径は約140kmと比較的大きかった。

2005年に主星自体が近接した2個の天体からなる二重小惑星である可能性が指摘され、2007年と2009年のHSTによる観測で確認された。小惑星の衛星の命名規則によれば、中央の2個のうち小さい方は S/2009 (47171) 1 などとなるはずだが、観測チームは2個をそれぞれA1A2、外側の1個(S/2001 (47171) 1)をBと呼んでいる。全体の質量は (12.75±0.06) ×1018 kg、“B”単独での質量は 0.746 ×1018 kg と推定されている。

1999 TC36の三重系
名前 直径
(km)
軌道
傾斜角
(度)
離心率 軌道
半長径
(km)
公転
周期
(日)
“A1 286 +45/-38 - - - -
“A2 258 +41/-35  ?  ? 867 1.9
“B” 135 +22/-18  ?  ? 7,640 ±460 50.38 ±0.5

2個以上の衛星を持つ外縁天体には準惑星冥王星(4個)とハウメア(2個)があるが、冥王星の第1衛星カロン以外の衛星の直径はいずれも主星の6分の1以下しかなく、これほど大きさの近い3個の天体からなる系が見つかったのは初めてである。

スピッツァー宇宙望遠鏡とHSTで行われた観測ではこの系の密度は非常に小さく、氷が緩く積み重なっているか、あるいは岩石で出来た密度の大きい核の周りを多孔性の殻が取り巻いていると考えられる[6]

冥王星を含む複数の外縁天体の探査を目的とした宇宙探査機ニュー・ホライズンズが2006年に打上げられる前、計画主任のアラン・スターンはバックアップ用の2号機を作る必要性を主張し、その探査目標の候補として1999 TC36を挙げたことがある[7]

関連項目[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b MPEC 2009-V05 : DISTANT MINOR PLANETS (2009 NOV. 15.0 TT)”. IAU Minor Planet Center (2009年11月3日). 2009年12月10日閲覧。
  2. ^ Marc W. Buie (2005年8月31日). “Orbit Fit and Astrometric record for 47171”. SwRI (Space Science Department). 2008年7月24日閲覧。
  3. ^ Benecchi, S.D; Noll, K. S.; Grundy, W. M.; Levison, H. F. (2009). “(47171) 1999 TC36, A Transneptunian Triple”. Icarus. http://arxiv.org/abs/0912.2074 2009年12月12日閲覧。. 
  4. ^ IAU Circular No. 7787”. International Astronomical Union. 2008年12月6日閲覧。
  5. ^ John Stansberry, Will Grundy, Mike Brown, Dale Cruikshank, John Spencer, David Trilling, Jean-Luc Margot (2007年). “Physical Properties of Kuiper Belt and Centaur Objects: Constraints from Spitzer Space Telescope”. University of Arizona, Lowell Observatory, California Institute of Technology, NASA Ames Research Center, Southwest Research Institute, Cornell University. 2008年7月24日閲覧。
  6. ^ a b J. Stansberry, W. Grundy, J-L. Margot, D. Cruikshank, J. Emery, G. Rieke, D. Trilling (May 2006). “The Albedo, Size, and Density of Binary Kuiper Belt Object (47171) 1999 TC36” (preprint). The Astrophysical Journal 643. 
  7. ^ 惑星地質ニュース 第17巻 第1号(ニューホライゾンズ計画に問題点)”. 惑星地質研究会. 2009年12月30日閲覧。

外部リンク[編集]