貴景勝の大関昇進見送り

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貴景勝の大関昇進見送り(たかけいしょうのおおぜきしょうしんみおくり)では、大相撲平成31年1月場所後に、貴景勝大関昇進の目安となる三役で直近3場所33勝を挙げたが、大関昇進が見送られた件について解説する。

主な経過[編集]

貴景勝は大相撲平成30年9月場所小結で9勝。大相撲平成30年11月場所は13勝で初優勝。大相撲平成31年1月場所は新関脇に昇進し、前半に3敗したものの盛り返した。白鵬を倒し、優勝の可能性もよみがえって、14日目には11勝を挙げた[1]

大相撲平成31年1月場所千秋楽、豪栄道に一方的に押し出され、11勝4敗。次の大相撲平成31年3月場所に昇進を懸けることになった。 この日正午すぎ、審判部で協議が行われたが、取組前に明らかにされたのは「最後の1番まで見て、結論は審判部長・副部長に一任となった」( 阿武松部長)というところまで。優勝を逃しても、12勝したら昇進させるつもりだったのは、取組後に明かされた[2]

日本相撲協会2019年3月27日に開いた大相撲令和元年5月場所5月12日初日、東京両国国技館)の番付編成会議と臨時理事会で、新大関・貴景勝が正式に誕生した。大阪市中央区のホテルに協会の使者を迎えて行われた伝達式で、貴景勝は「武士道精神を重んじ、感謝の気持ちと思いやりを忘れず、相撲道に精進してまいります」と口上に決意をにじませた[3]

過去の大関昇進[編集]

過去の例に照らせば、もっと少ない勝ち星で大関になった例もある[4]

評価[編集]

ジェイ・キャストは、「貴景勝の大関昇進は春場所以降に持ち越されたが、ネット上ではこの決定に賛同する声が上がる一方で、昇進の基準に疑問の声も。」と評し、「基準がハッキリとしないからスッキリしない」、「基準が不明瞭です」、「明確な昇進条件を決めて明文化するべき。」、「もっと明確に大関昇進の規定を作るべき。」との声を挙げた[5]

Yahoo!ニュースの世論調査では、「昇進見送りでよかった」が8959票、「大関に昇進させてよかった」が4819票、「その他/分からない」が596票となった[6]

NEWSポストセブンによると、若手親方は、「過去に、豪栄道や稀勢の里(現・荒磯親方)は『3場所32勝』で昇進している。協会執行部との確執の末に退職した元・貴乃花親方の愛弟子だから、“スポットライトを当てたくない”という協会の思惑があったのではないか。9勝はもちろん、10勝でも“物言い”がつくだろう」と評した[7]

関連項目[編集]

出典[編集]