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'''オクロの天然原子炉'''(オクロのてんねんげんしろ)とは、[[ガボン共和国]][[オートオゴウェ州]]オクロに存在する天然[[原子炉]]である。
'''オクロの天然原子炉'''(オクロのてんねんげんしろ)とは、[[ガボン共和国]][[オートオゴウェ州]]オクロに存在する天然[[原子炉]]である。


天然原子炉はウラン鉱床でありその同位体比は過去に自核分裂反応が起こったことを示しています このような現象の例は、1972 年に原子力委員会 (CEA) の研究者よって発見されました。 天然原子炉が形成される可能性は、1956 年にアーカンソー大学の助教授である黒田和雄によって測されまた。[1][2]。 オクロで遭遇し状況は予想された状況に非常に近かった。
天然原子炉は、過去に自律的な[[核分裂]]反応が起こっていたことが[[同位体]]比からわかる[[ウラン]][[鉱床]]のことである。このような現象の例は、[[フランス]]の[[物理学者]]の{{仮リンク|フランシス・ペラン (物理学者)|label=フランシス・ペラン|en|Francis Perrin}}が1972年に発見した。天然原子炉が形成される可能性は、1956年に[[アーカンソー大学]]の助教授だった[[黒田和夫]]がている<ref>{{cite journal |last=Kuroda |first=Paul Kazuo |authorlink= |coauthors= |year=1956 |month= |title=On the Nuclear Physical Stability of the Uranium Minerals |journal=Journal of Chemical Physics |volume=25 |issue= |pages=781–782; 1295–1296 |doi=10.1063/1.1743058 |url= |accessdate= |quote= }}</ref><ref>{{Cite book|和書|author=黒田和夫|authorlink=黒田和夫|title=17億年前の原子炉―核宇宙化学の最前線|publisher=講談社|series=ブルーバックス|year=1988|isbn=4061327208}}</ref>。オクロで発見され条件予想された条件極めて近かった。


天然原子炉の知られている唯一の場所はオクロに存在する3つの鉱床で、自律的な核分裂反応のあった場所が16か所見つかっている。20億年ほど前、数十万年にわたって平均で100 [[ワット|kW]]相当の出力の反応が起きていた<ref>{{cite journal |last=Meshik |first=A. P. |authorlink= |coauthors= |year=2005 |month=November |title=The Workings of an Ancient Nuclear Reactor |journal=Scientific American |volume= |issue= |pages= |id= |url=http://www.sciam.com/article.cfm?id=ancient-nuclear-reactor |accessdate= |quote= }}</ref><ref name="Gauthier-Lafaye1996">{{cite journal |last=Gauthier-Lafaye |first=F. |authorlink= |coauthors=Holliger, P.; Blanc, P.-L. |year=1996 |month= |title=Natural fission reactors in the Franceville Basin, Gabon: a review of the conditions and results of a "critical event" in a geologic system |journal=Geochimica et Cosmochimica Acta |volume=60 |issue=25 |pages=4831–4852 |doi=10.1016/S0016-7037(96)00245-1 |url= |accessdate= |quote= }}</ref>。
天然原子炉の知られている唯一の場所はオクロに存在する3つの鉱床で、自律的な核分裂反応のあった場所が16か所見つかっている。20億年ほど前、数十万年にわたって平均で100 [[ワット|kW]]相当の出力の反応が起きていた<ref>{{cite journal |last=Meshik |first=A. P. |authorlink= |coauthors= |year=2005 |month=November |title=The Workings of an Ancient Nuclear Reactor |journal=Scientific American |volume= |issue= |pages= |id= |url=http://www.sciam.com/article.cfm?id=ancient-nuclear-reactor |accessdate= |quote= }}</ref><ref name="Gauthier-Lafaye1996">{{cite journal |last=Gauthier-Lafaye |first=F. |authorlink= |coauthors=Holliger, P.; Blanc, P.-L. |year=1996 |month= |title=Natural fission reactors in the Franceville Basin, Gabon: a review of the conditions and results of a "critical event" in a geologic system |journal=Geochimica et Cosmochimica Acta |volume=60 |issue=25 |pages=4831–4852 |doi=10.1016/S0016-7037(96)00245-1 |url= |accessdate= |quote= }}</ref>。


=== 歴史 ===
== 歴史 ==
1972年5月、フランス [[ピエールラット]]の[[ウラン濃縮]]施設における[[六フッ化ウラン|UF<sub>6</sub>]]の通常の[[質量分析法|質量分析]]で、[[中部アフリカ]] ガボンのオクロ鉱床産出のサンプルの[[ウラン235|<sup>235</sup>U]]同位体比に大きな差異があることが見つかった。通常の同位体比は0.7202%だが、そのサンプルは0.600%で、これは有意な差だった<ref>Davis, E. D.; Gould, C. R.; Sharapov, E. I. (2014). "Oklo reactors and implications for nuclear science". ''International Journal of Modern Physics E''. '''23''' (4): 1430007. arXiv:[[arxiv:1404.4948|1404.4948]]. Bibcode:[[bibcode:2014IJMPE..2330007D|2014IJMPE..2330007D]]. doi:[https://doi.org/10.1142%2FS0218301314300070 10.1142/S0218301314300070]. ISSN [https://www.worldcat.org/issn/0218-3013 0218-3013].</ref>。<sup>235</sup>U同位体が兵器に流用されていないことをはっきりさせるために何らかの説明が必要だったため、[[フランス原子力庁]]は調査を開始した。主要な同位体の相対的な比率を測定した結果、オクロのウラン鉱石中<sup>235</sup>Uの<sup>238</sup>Uに対する比率が通常のサンプルに対し0.440%低く、ほかの鉱床とは異なることが判明した。さらなる調査で、[[ネオジム]]や[[ルテニウム]]などほかの同位体比も特異であることがわかった。
1972年5月、フランス [[ピエールラット]]の[[ウラン濃縮]]施設における[[六フッ化ウラン|UF<sub>6</sub>]]の通常の[[質量分析法|質量分析]]で、[[中部アフリカ]] ガボンのオクロ鉱床産出のサンプルの[[ウラン235|<sup>235</sup>U]]同位体比に大きな差異があることが見つかった。通常の同位体比は0.7202%だが、そのサンプルは0.600%で、これは有意な差だった<ref>Davis, E. D.; Gould, C. R.; Sharapov, E. I. (2014). "Oklo reactors and implications for nuclear science". ''International Journal of Modern Physics E''. '''23''' (4): 1430007. arXiv:[[arxiv:1404.4948|1404.4948]]. Bibcode:[[bibcode:2014IJMPE..2330007D|2014IJMPE..2330007D]]. doi:[https://doi.org/10.1142%2FS0218301314300070 10.1142/S0218301314300070]. ISSN [https://www.worldcat.org/issn/0218-3013 0218-3013].</ref>。<sup>235</sup>U同位体が兵器に流用されていないことをはっきりさせるために何らかの説明が必要だったため、[[フランス原子力庁]]は調査を開始した。主要な同位体の相対的な比率を測定した結果、オクロのウラン鉱石中<sup>235</sup>Uの<sup>238</sup>Uに対する比率が通常のサンプルに対し0.440%低く、ほかの鉱床とは異なることが判明した。さらなる調査で、[[ネオジム]]や[[ルテニウム]]などほかの同位体比も特異であることがわかった。


<sup>235</sup>Uの減少は、原子炉で起こっていることとまったく同じである。そのため、オクロのウラン鉱床はかつて天然原子炉であったという説明が考えられた。ほかの調査も同様の結論に達したので、1972年9月25日、フランス原子力庁は、20億年前に自律的な核連鎖反応が起こっていたことを発見したと発表した。その後、同地域でほかの天然原子炉がいくつか見つかった<ref>{{cite journal |last=G.A. |first=コーアン |authorlink= |coauthors= |year= |date=1976年9月 |month= |title=天然の原子炉 |journal=[[日経サイエンス|サイエンス]] |volume= |issue= |pages=22 |id= |url= |accessdate= |quote= }}</ref>。
<sup>235</sup>Uの減少は、原子炉で起こっていることとまったく同じである。そのため、オクロのウラン鉱床はかつて天然原子炉であったという説明が考えられた。ほかの調査も同様の結論に達したので、1972年9月25日、フランス原子力庁は、20億年前に自律的な核連鎖反応が起こっていたことを発見したと発表した。その後、同地域でほかの天然原子炉がいくつか見つかった<ref>{{cite journal |last=G.A. |first=コーアン |authorlink= |coauthors= |year= |date=1976年9月 |month= |title=天然の原子炉 |journal=[[日経サイエンス|サイエンス]] |volume= |issue= |pages=22 |id= |url= |accessdate= |quote= }}</ref>。


== 天然原子炉の仕組み ==
天然原子炉では、ウランに富んだ鉱床に[[地下水]]が染み込んで、水が[[減速材|中性子減速材]]として機能することで[[核分裂反応]]が起こる。核分裂反応による熱で地下水が沸騰して無くなると反応が減速して停止する。鉱床の温度が冷えて、短命の核分裂生成物が崩壊したあと、地下水が染み込むと、また同じサイクルを繰り返す。このような核分裂反応は、連鎖反応ができなくなるまで数十万年にわたって続いた。
天然原子炉では、ウランに富んだ鉱床に[[地下水]]が染み込んで、水が[[減速材|中性子減速材]]として機能することで[[核分裂反応]]が起こる。核分裂反応による熱で地下水が沸騰して無くなると反応が減速して停止する。鉱床の温度が冷えて、短命の核分裂生成物が崩壊したあと、地下水が染み込むと、また同じサイクルを繰り返す。このような核分裂反応は、連鎖反応ができなくなるまで数十万年にわたって続いた。


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ウラン鉱床の中の数センチメートルから数メートル程度の天然原子炉が、およそ5トンの<sup>235</sup>Uを消費して、数百度の温度に達したと考えられている<ref name="Gauthier-Lafaye1996" /><ref>{{cite journal |last=De Laeter |first=J. R. |authorlink= |coauthors=Rosman, K. J. R.; Smith, C. L. |year=1980 |month= |title=The Oklo Natural Reactor: Cumulative Fission Yields and Retentivity of the Symmetric Mass Region Fission Products |journal=Earth and Planetary Science Letters |volume=50 |issue= |pages=238–246 |doi=10.1016/0012-821X(80)90135-1 |url= |accessdate= |quote= }}</ref>。不揮発性の核分裂生成物と[[アクチノイド]]は、20億年間で鉱床中を数センチメートルしか移動していない<ref name="Gauthier-Lafaye1996" />。放射性廃棄物の地層処分に関連して、地下水とともに放射性物質が環境中に流出する懸念について激しい議論があるが、ガボンは放射性同位体が地殻の中でどう動くかについてのケーススタディになっている<ref>{{cite journal |last=Gauthier-Lafaye |first=F. |authorlink= |coauthors= |year=2002 |month= |title=2 billion year old natural analogs for nuclear waste disposal: the natural nuclear fission reactors in Gabon (Africa) |journal=Comptes Rendus Physique |volume=3 |issue=7–8 |pages=839–849 |doi=10.1016/S1631-0705(02)01351-8 |url= |accessdate= |quote= }}</ref>。
ウラン鉱床の中の数センチメートルから数メートル程度の天然原子炉が、およそ5トンの<sup>235</sup>Uを消費して、数百度の温度に達したと考えられている<ref name="Gauthier-Lafaye1996" /><ref>{{cite journal |last=De Laeter |first=J. R. |authorlink= |coauthors=Rosman, K. J. R.; Smith, C. L. |year=1980 |month= |title=The Oklo Natural Reactor: Cumulative Fission Yields and Retentivity of the Symmetric Mass Region Fission Products |journal=Earth and Planetary Science Letters |volume=50 |issue= |pages=238–246 |doi=10.1016/0012-821X(80)90135-1 |url= |accessdate= |quote= }}</ref>。不揮発性の核分裂生成物と[[アクチノイド]]は、20億年間で鉱床中を数センチメートルしか移動していない<ref name="Gauthier-Lafaye1996" />。放射性廃棄物の地層処分に関連して、地下水とともに放射性物質が環境中に流出する懸念について激しい議論があるが、ガボンは放射性同位体が地殻の中でどう動くかについてのケーススタディになっている<ref>{{cite journal |last=Gauthier-Lafaye |first=F. |authorlink= |coauthors= |year=2002 |month= |title=2 billion year old natural analogs for nuclear waste disposal: the natural nuclear fission reactors in Gabon (Africa) |journal=Comptes Rendus Physique |volume=3 |issue=7–8 |pages=839–849 |doi=10.1016/S1631-0705(02)01351-8 |url= |accessdate= |quote= }}</ref>。


=== 天然原子炉仕組み ===
== 微細構造定数と関係 ==
オクロの天然原子炉は、物理学の[[微細構造定数]]αが20億年の間に変化したかを確認することにも利用されている。これはαが核反応の速度に影響を与えることを応用している。たとえば、<sup>149</sup>[[サマリウム|Sm]]は中性子を捕捉して<sup>150</sup>Smになるが、捕捉するレートはαに依存しているので、この2種類のサマリウム同位体の比率をオクロのサンプルで調べることで、20億年前のαの値を計算できるのである。
海洋現象」は、1972 年にフランスのピエールラット ウラン濃縮研究所で発見されました。ウラン 235 (235U) の非常に正常な欠陥を示す、天然ウラン シャンティヨンの定期的な分析。 235U の通常の割合は 0.7202% ですが、0.7171% ではないようです。私たちのカタログにある核分裂性ファイルの量を調べると、いくつかの違いが明らかになりました。また、CEA には次のいずれかの回線が接続されています。 CEAによってフランス、ガボン、ニジェールで開発されたすべての鉱山の証明された宝物と、鉱山の変換とウラン精製のすべての段階。


オクロの放射性同位体の相対濃度を調べたいくつかの研究があるが、ほとんどの研究が(全部ではない)、かつての核反応は今日と変わらなかったと結論づけている。αも変化していないと考えられる。
235U でのウランおよびウラン張力分析では、ピエールラットによって分析された研究所と、ミシェル・ヌイイまたはジャン・フランソワ・ドゾルによって指示されたカダラッシュの中心 CEA に埋め込まれた CEA によって分析および管理されている中央研究所に適用される CEA 生産指示は有料分析です。質量分析計による。


<sup>149</sup>Smの共鳴は、α以外に、陽子と電子の質量比μに対しても敏感である。αとμがお互いに打ち消しあう可能性があるので、否定的な結果はαとμが共に時間に対して不変であることを必ずしも意味しない<ref>[http://www.newscientist.com/article/dn6092 New Scientist: Oklo Reactor and fine-structure value. June 30, 2004.]</ref><ref>{{cite journal |last=Petrov |first=Yu. V. |authorlink= |coauthors=Nazarov, A. I., Onegin, M. S., Sakhnovsky, E. G. |year=2006 |month= |title=Natural nuclear reactor at Oklo and variation of fundamental constants: Computation of neutronics of a fresh core |journal=Physical Review C |volume=74 |issue=6 |pages=064610 |doi=10.1103/PHYSREVC.74.064610 |url= |accessdate= |quote= }}</ref>。
Pierrelatte と Cadarache の効果の分析では、235U の一定温度で可変欠陥を生成するガボンにおけるマグネシウムの起源を監視しています。 1972 年 7 月 7 日、CEA カダラッシュ職員はオクロ・オ・ガボンの実績のあるウラン鉱山で異常を発見しました。 235U センサーは通常の観測セル 9 に保管されることがよくあります。同位体分析により、衣服の元々の起源が 235U であることが判明しました。ウラン アパウブリはオクロの鉱山を提供し、COMUF によって利用されました。分析システムの 1 つの陣営は、カダラッシュ研究所とピエールラット研究所に影響を与えています (ウランの保持期間の測定、同位体保持期間の測定)。これはオクラホマ州の銀行にも当てはまり、カダラッシュのアナリストはマグネジー・ド・ラ・モウナナ (235U = 0.625%) の 235U に欠陥があり、このウラン酸 (オクロ M) (235U) にとってより重要な欠陥を持っています。 = 0.440%): Oklo 310 と 311 の鉱物は、それぞれ 12 トンのウランと 46% を含み、235U は 0.592 と 0.625% です。

これに関連して、J.F. ドゾルは、タンク内で証明された AEI MS 702 (SMSE) マグネシウム ウラン結晶と鉱山のソースを質量分析計で分析したと予想しています。%.

SMSE インターフェースは、電極内のすべての電流要素の一部における準定量的成分の生成の静電容量です。電線は導体によって新しい世代に接続されます(白銀の純水の表面にあるこれらの電灯の場合)。シャンティヨンに含まれるリチウムとウランの同位体を示すプラーク写真のオブジェエント(ci-desous プラークの写真)。プラークの検査に基づいて、J.F. ドゾルはウランの主表面にオクロ 311 の鉱山の詳細な構造を作成しました。

これらの項目は、235U のインストールの複数のバージョンに対応する視聴者 85 ~ 105 および 130 ~ 150 にとって大きく、重要です。 (スーツケースに入った大量の製品をソファ上の「日焼け止めの頭の上」に配置することには、最大値があります)。

最後のランタニド (ホルミウムからルテチウムまで) は検出されません (質量 166 を超える)。自然界には、14 種類のランタニドがすべて存在します。核燃料中では、核分裂反応が起こっているため、最後のランタニドの同位体は検出されません。<ref>{{Cite news|Jean François Dozol |title=Jean François Dozol From routine sample measurements in CEA to the Oklo phenomenon |newspaper=Radiation Protection Dosimetry, Volume 199, Issue 18, November 2023, Pages 2258–2261, |date=2003-11-03}}</ref>

[[ファイル:Plaque spectro de masse OKLO 311.jpg|代替文=OKLO 311 質量分析プレート|サムネイル|929x929ピクセル|OKLO 311 サンプルのスパーク質量分析によって得られた写真プレートで、サンプル中に存在するすべての同位体が明らかになります。]]











次のステップは、ネオジムとサマリウムを化学的に分離した後、熱イオン化質量分析計で特定の元素を同位体分析することです。オクロ・ムラ酸塩と鉱石「オクロ 311」の最初の分析から、ネオジムとサマリウムは、天然元素よりも照射済み燃料に見られる同位体組成にはるかに近い同位体組成を持っていることが明らかです。核分裂によって生成されなかった同位体 142Nd および 144Sm の検出は、これらの元素が自然状態で存在することを示しており、したがってそれらの寄与を差し引くことができます。

これらの結果は、中性子学者 (CEA Saclay) のジャン・クロード・ニマルに伝えられ、彼は 235U 欠損に基づいて分析サンプルが受け取る中性子の束を推定しました。これにより、同位体 143Nd と 145Nd による中性子捕獲がそれぞれ 144Nd と 146Nd の追加形成につながることを推定することが可能になりました。ウラン 235 の核分裂収量を得るには、この超過分を差し引く必要があります。核分裂収量 (M) と天然ネオジム捕獲と中性子捕獲の存在に関する補正結果 (C) が一致していることがわかります (以下の表を参照)。<ref>{{Cite news|Jean Claude Nimal書 |title=Jean Claude Nimal Oklo: historic and lessons learned |newspaper=Radiation Protection Dosimetry, Volume 199, Issue 18, November 2023, Pages 2262–2268, https://doi.org/10.1093/rpd/ncad043 |date=2023-11-03}}</ref>
{| class="wikitable"
|Nd
|143
|144
|145
|146
|148
|150
|-
|C/M
|0,99
|1,00
|1,00
|1,01
|0,98
|1,06
|}

=== 核分裂生成物の痕跡 ===


== 核分裂生成物の痕跡 ==
=== Nd ===
=== Nd ===
[[Image:Neodymium isotope signatures.svg|thumb|right|336x336px|U-235の熱中性子による核分裂生成物と、通常のネオジムの同位体比を比べた図。Ce-142(長寿命のベータ放射体)が崩壊してNd-142になるには、天然原子炉が停止してから十分な時間がたっていない。]]
[[Image:Neodymium isotope signatures.svg|thumb|right|450px|U-235の熱中性子による核分裂生成物と、通常のネオジムの同位体比を比べた図。Ce-142(長寿命のベータ放射体)が崩壊してNd-142になるには、天然原子炉が停止してから十分な時間がたっていない。]]
鉱石中の[[ネオジムの同位体]]比が、通常地球上でみられるものとは異なっていた。たとえば、通常のネオジムは<sup>142</sup>Ndを27%含むところが、オクロのネオジムは6%以下しか含んでおらず、代わりに<sup>143</sup>Ndの比率が高かった。通常のNdからオクロのNdを差し引いてみると、Ndの同位体の構成は<sup>235</sup>Uの核分裂反応で生成されるものと一致していた。
鉱石中の[[ネオジムの同位体]]比が、通常地球上でみられるものとは異なっていた。たとえば、通常のネオジムは<sup>142</sup>Ndを27%含むところが、オクロのネオジムは6%以下しか含んでおらず、代わりに<sup>143</sup>Ndの比率が高かった。通常のNdからオクロのNdを差し引いてみると、Ndの同位体の構成は<sup>235</sup>Uの核分裂反応で生成されるものと一致していた。



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=== Ru ===
=== Ru ===
[[Image:Ruthenium isotope signatures.svg|thumb|right|336x336px|
[[Image:Ruthenium isotope signatures.svg|thumb|right|450px|
U-235の熱中性子による核分裂生成物と、通常のルテニウムの同位体比を比べた図。Mo-100(二重ベータ崩壊を起こす長寿命の同位体)が崩壊してRu-100になるには、天然原子炉が停止してから十分な時間がたっていない。]]
U-235の熱中性子による核分裂生成物と、通常のルテニウムの同位体比を比べた図。Mo-100(二重ベータ崩壊を起こす長寿命の同位体)が崩壊してRu-100になるには、天然原子炉が停止してから十分な時間がたっていない。]]
同様の調査が[[ルテニウムの同位体]]比についても行われた。オクロのルテニウムは<sup>99</sup>Ruを予想より多く含んでいた(12.7%に対して27-30%)。これは<sup>99</sup>Tcが<sup>99</sup>Ruに[[ベータ崩壊]]したとすると説明できる。次のグラフでは、天然のルテニウムの同位体比と、<sup>235</sup>Uが熱中性子で核分裂した結果生成されたルテニウムとを比較している。核分裂生成物の同位体比が異なることがはっきりわかる。核分裂生成物の<sup>100</sup>Ruのレベルが低い理由は、[[モリブデン]]の長寿命の同位体<sup>100</sup>Mo(半減期 = 10<sup>19</sup>年)のためである。天然原子炉が稼働していた時間を考えると、<sup>100</sup>Ruの崩壊はほとんど起こらなかった。
同様の調査が[[ルテニウムの同位体]]比についても行われた。オクロのルテニウムは<sup>99</sup>Ruを予想より多く含んでいた(12.7%に対して27-30%)。これは<sup>99</sup>Tcが<sup>99</sup>Ruに[[ベータ崩壊]]したとすると説明できる。次のグラフでは、天然のルテニウムの同位体比と、<sup>235</sup>Uが熱中性子で核分裂した結果生成されたルテニウムとを比較している。核分裂生成物の同位体比が異なることがはっきりわかる。核分裂生成物の<sup>100</sup>Ruのレベルが低い理由は、[[モリブデン]]の長寿命の同位体<sup>100</sup>Mo(半減期 = 10<sup>19</sup>年)のためである。天然原子炉が稼働していた時間を考えると、<sup>100</sup>Ruの崩壊はほとんど起こらなかった。


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2024年5月19日 (日) 03:13時点における版

オクロの天然原子炉の構造
1. 核反応ゾーン
2. 砂岩
3. ウラン鉱床
4. 花崗岩

オクロの天然原子炉(オクロのてんねんげんしろ)とは、ガボン共和国オートオゴウェ州オクロに存在する天然原子炉である。

天然原子炉とは、過去に自律的な核分裂反応が起こっていたことが同位体比からわかるウラン鉱床のことである。このような現象の実例は、フランス物理学者フランシス・ペラン英語版が1972年に発見した。天然原子炉が形成される可能性は、1956年にアーカンソー大学の助教授だった黒田和夫が予想している[1][2]。オクロで発見された条件は、予想された条件に極めて近かった。

天然原子炉の知られている唯一の場所はオクロに存在する3つの鉱床で、自律的な核分裂反応のあった場所が16か所見つかっている。20億年ほど前、数十万年にわたって平均で100 kW相当の出力の反応が起きていた[3][4]

歴史

1972年5月、フランス ピエールラットウラン濃縮施設におけるUF6の通常の質量分析で、中部アフリカ ガボンのオクロ鉱床産出のサンプルの235U同位体比に大きな差異があることが見つかった。通常の同位体比は0.7202%だが、そのサンプルは0.600%で、これは有意な差だった[5]235U同位体が兵器に流用されていないことをはっきりさせるために何らかの説明が必要だったため、フランス原子力庁は調査を開始した。主要な同位体の相対的な比率を測定した結果、オクロのウラン鉱石中235Uの238Uに対する比率が通常のサンプルに対し0.440%低く、ほかの鉱床とは異なることが判明した。さらなる調査で、ネオジムルテニウムなどほかの同位体比も特異であることがわかった。

235Uの減少は、原子炉で起こっていることとまったく同じである。そのため、オクロのウラン鉱床はかつて天然原子炉であったという説明が考えられた。ほかの調査も同様の結論に達したので、1972年9月25日、フランス原子力庁は、20億年前に自律的な核連鎖反応が起こっていたことを発見したと発表した。その後、同地域でほかの天然原子炉がいくつか見つかった[6]

天然原子炉の仕組み

天然原子炉では、ウランに富んだ鉱床に地下水が染み込んで、水が中性子減速材として機能することで核分裂反応が起こる。核分裂反応による熱で地下水が沸騰して無くなると反応が減速して停止する。鉱床の温度が冷えて、短命の核分裂生成物が崩壊したあと、地下水が染み込むと、また同じサイクルを繰り返す。このような核分裂反応は、連鎖反応ができなくなるまで数十万年にわたって続いた。

ウランの核分裂では、5種類のキセノンガスの同位体が生成される。ガボンでは5種類すべての同位体が天然原子炉の痕跡から発見されている。鉱床のキセノンガスの同位体比を調べることで、20億年たった現在でも核分裂サイクルの周期を知ることができる。計算ではおよそ30分活動したあと2時間30分休止するサイクルだった[7]

天然原子炉が臨界に達することができた理由は、天然原子炉があった当時、天然ウランの核分裂性同位体235Uの濃度が3%と、現在の原子炉とほぼ変わらなかったからである(残りの97%は核分裂性物質ではない238U)。235Uの半減期238Uより短く、より早く崩壊してしまうので、天然ウランの現在の235Uの比は0.72%に低下していて、地球上ではもはや天然原子炉は存在しえない。

オクロ以外では天然原子炉は見つかっていない。ほかのウラン鉱床も核分裂反応を起こすのに十分なウランが含まれていたものの、ウランと水と、核反応を起こすための物理的な条件とがそろっていたのはオクロのユニークな点だったと思われる。

オクロの天然原子炉が20億年より前の時点で反応を開始しなかった理由は、おそらく大気中の酸素濃度の上昇が関連している[4]。ウランは地球の岩石中に自然に存在していて、核分裂性物質の235Uの濃度は臨界に達する前は常に3%以上だったはずである。しかし、ウランは酸素存在下でしか水に溶けない。大気中の酸素レベルが上昇するにしたがって、ウランが地下水に溶けて運ばれて、ウランが十分に濃縮された鉱床を形成したと考えられる。大気の環境がもし変化していなければ、そのような濃縮はおそらく起こり得なかった。

ウラン鉱床の中の数センチメートルから数メートル程度の天然原子炉が、およそ5トンの235Uを消費して、数百度の温度に達したと考えられている[4][8]。不揮発性の核分裂生成物とアクチノイドは、20億年間で鉱床中を数センチメートルしか移動していない[4]。放射性廃棄物の地層処分に関連して、地下水とともに放射性物質が環境中に流出する懸念について激しい議論があるが、ガボンは放射性同位体が地殻の中でどう動くかについてのケーススタディになっている[9]

微細構造定数との関係

オクロの天然原子炉は、物理学の微細構造定数αが20億年の間に変化したかを確認することにも利用されている。これはαが核反応の速度に影響を与えることを応用している。たとえば、149Smは中性子を捕捉して150Smになるが、捕捉するレートはαに依存しているので、この2種類のサマリウム同位体の比率をオクロのサンプルで調べることで、20億年前のαの値を計算できるのである。

オクロの放射性同位体の相対濃度を調べたいくつかの研究があるが、ほとんどの研究が(全部ではない)、かつての核反応は今日と変わらなかったと結論づけている。αも変化していないと考えられる。

149Smの共鳴は、α以外に、陽子と電子の質量比μに対しても敏感である。αとμがお互いに打ち消しあう可能性があるので、否定的な結果はαとμが共に時間に対して不変であることを必ずしも意味しない[10][11]

核分裂生成物の痕跡

Nd

U-235の熱中性子による核分裂生成物と、通常のネオジムの同位体比を比べた図。Ce-142(長寿命のベータ放射体)が崩壊してNd-142になるには、天然原子炉が停止してから十分な時間がたっていない。

鉱石中のネオジムの同位体比が、通常地球上でみられるものとは異なっていた。たとえば、通常のネオジムは142Ndを27%含むところが、オクロのネオジムは6%以下しか含んでおらず、代わりに143Ndの比率が高かった。通常のNdからオクロのNdを差し引いてみると、Ndの同位体の構成は235Uの核分裂反応で生成されるものと一致していた。

Ru

U-235の熱中性子による核分裂生成物と、通常のルテニウムの同位体比を比べた図。Mo-100(二重ベータ崩壊を起こす長寿命の同位体)が崩壊してRu-100になるには、天然原子炉が停止してから十分な時間がたっていない。

同様の調査がルテニウムの同位体比についても行われた。オクロのルテニウムは99Ruを予想より多く含んでいた(12.7%に対して27-30%)。これは99Tcが99Ruにベータ崩壊したとすると説明できる。次のグラフでは、天然のルテニウムの同位体比と、235Uが熱中性子で核分裂した結果生成されたルテニウムとを比較している。核分裂生成物の同位体比が異なることがはっきりわかる。核分裂生成物の100Ruのレベルが低い理由は、モリブデンの長寿命の同位体100Mo(半減期 = 1019年)のためである。天然原子炉が稼働していた時間を考えると、100Ruの崩壊はほとんど起こらなかった。

フィクションへの登場

  • ロジャー・ゼラズニイのSF小説『燃えつきた橋英語版』(1976年)[12]で言及されており、この天然原子炉は放射線による突然変異の増加によって地球生物の進化を加速させ、人類の出現を早めるためにある異星種族が意図的に設置したとの設定が説明されている。
  • 豊田有恒のSF小説『進化の鎮魂曲』において、オクロの天然原子炉が生物進化の初期段階で重要な役割を果たしたことが示唆されている。
  • 星野之宣のSF漫画『ベムハンター・ソード』のエピソードにおいて、天然原子炉の熱に依存した生態圏「原子力生命圏」が登場する。作中では、地球にも天然原子炉が存在したことが言及されている。

出典

  1. ^ Kuroda, Paul Kazuo (1956). “On the Nuclear Physical Stability of the Uranium Minerals”. Journal of Chemical Physics 25: 781–782; 1295–1296. doi:10.1063/1.1743058. 
  2. ^ 黒田和夫『17億年前の原子炉―核宇宙化学の最前線』講談社〈ブルーバックス〉、1988年。ISBN 4061327208 
  3. ^ Meshik, A. P. (November 2005). “The Workings of an Ancient Nuclear Reactor”. Scientific American. http://www.sciam.com/article.cfm?id=ancient-nuclear-reactor. 
  4. ^ a b c d Gauthier-Lafaye, F.; Holliger, P.; Blanc, P.-L. (1996). “Natural fission reactors in the Franceville Basin, Gabon: a review of the conditions and results of a "critical event" in a geologic system”. Geochimica et Cosmochimica Acta 60 (25): 4831–4852. doi:10.1016/S0016-7037(96)00245-1. 
  5. ^ Davis, E. D.; Gould, C. R.; Sharapov, E. I. (2014). "Oklo reactors and implications for nuclear science". International Journal of Modern Physics E23 (4): 1430007. arXiv:1404.4948. Bibcode:2014IJMPE..2330007D. doi:10.1142/S0218301314300070. ISSN 0218-3013.
  6. ^ G.A., コーアン (1976年9月). “天然の原子炉”. サイエンス: 22. 
  7. ^ Meshik, A. P.; et al. (2004). “Record of Cycling Operation of the Natural Nuclear Reactor in the Oklo/Okelobondo Area in Gabon”. Physical Review Letters 93 (18): 182302. doi:10.1103/PhysRevLett.93.182302. 
  8. ^ De Laeter, J. R.; Rosman, K. J. R.; Smith, C. L. (1980). “The Oklo Natural Reactor: Cumulative Fission Yields and Retentivity of the Symmetric Mass Region Fission Products”. Earth and Planetary Science Letters 50: 238–246. doi:10.1016/0012-821X(80)90135-1. 
  9. ^ Gauthier-Lafaye, F. (2002). “2 billion year old natural analogs for nuclear waste disposal: the natural nuclear fission reactors in Gabon (Africa)”. Comptes Rendus Physique 3 (7–8): 839–849. doi:10.1016/S1631-0705(02)01351-8. 
  10. ^ New Scientist: Oklo Reactor and fine-structure value. June 30, 2004.
  11. ^ Petrov, Yu. V.; Nazarov, A. I., Onegin, M. S., Sakhnovsky, E. G. (2006). “Natural nuclear reactor at Oklo and variation of fundamental constants: Computation of neutronics of a fresh core”. Physical Review C 74 (6): 064610. doi:10.1103/PHYSREVC.74.064610. 
  12. ^ ロジャー・ゼラズニイ『燃えつきた橋』早川書房〈ハヤカワ文庫〉、1982年。ISBN 4150104611 

関連項目

外部リンク

座標: 南緯1度23分40秒 東経13度09分39秒 / 南緯1.39444度 東経13.16083度 / -1.39444; 13.16083