揚州亜星

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揚州亜星客車股份有限公司
市場情報 上海証券取引所600213
業種 自動車製造
設立 1998年 ウィキデータを編集
本社 中華人民共和国の旗 中華人民共和国江蘇省揚州市邗江区槐泗鎮中国語版汽車産業園潍柴大道(汽车产业园潍柴大道)2号
製品 バス商用車
ウェブサイト 扬州亚星客车股份有限公司官方網頁
アジアスターJS6130SHJ型2階建バス北京市慧忠里公交場バス停留所にて、路線は慧忠里=北官庁を結ぶ観光2号線。
アジアスター=ベンツYBL6123HE4、北京市六里橋東,天橋涿州市を結ぶ838路にて。揚州亜星が生産した車両には「JS」、亜星ベンツが製造した車両には「YBL」の記号が付けられる。
アジアスターJS6111SHCJ型液化天然ガス2階建バス広東省恵州市豊山ターミナル停留所(後の植物園ターミナル=植物园公交总站)にて、路線は惠州公交観光1号線。
カザフスタンビシュケクを走る、ヤーシンのバス。

揚州亜星(ようしゅうあせい、中国語: 扬州亚星)と通称される揚州亜星客車股份有限公司扬州亚星客车股份有限公司)は、中華人民共和国江蘇省揚州市に本社を置くバス製造企業。「アジアスター」などのブランドで知られる中国における有力な中型バス・メーカーのひとつであり、21世紀に入ってからは電気バスの代表的メーカーとしてしばしば言及される。

英語では、公式サイトにおいても「Yangzhou Yaxing Motor Coach Co., Ltd.」と「Yangzhou Asiastar Bus Co., Ltd.」が併用されるなど、複数の表記で言及されることがある[1]日本語では「ヤーシン[2]」などと称されることがある。

生産拠点[編集]

生産拠点は、揚州市廈門市にあり、本拠地である揚州市で2013年から稼働している工場は66ha近い敷地をもち、研究開発部門も併設されている[1]2018年時点の年間生産能力は年間3万台と称され、実績で7,000台ほどが生産されたという[2]。ここではおもに中国国内向けの電気バスが生産されている[2]

廈門市の工場は、自由貿易試験区(福建自贸试验区厦门片区)の一角にあって、ハイテク電気バスや、欧州規格を満たす低排出ハイブリッド車のバスなどを輸出用に製造する拠点となっており[1]、敷地は10haに及ぶ[3]

歴史[編集]

揚州亜星のルーツとされる中国人民解放軍の華東空軍後勤部自動車修理所(华东空军后勤部汽车修理所)は、1949年5月に上海市に設けられた[3]

その後、亜星客車として、江蘇亜星客車集団傘下の国有企業となっていたが、2002年から業績が悪化し、2003年に揚州格林柯爾創業投資が株式の61%を取得して、格林柯爾中国語版傘下となった[4]

その後は業績を回復し、2008年には中型バスの全国販売シェアが5.8%と、中国で4位の位置にあった[5]

2011年濰柴グループ中国語版 (Weichai) 傘下となり、技術開発や海外市場への展開が進められるようになった[3]。また、従来からの主力ブランド「アジアスター (Asiastar、亜星)」に加え、ハイエンド規格の長距離用バス「ウェルトスター (Wertstar、維特思達、维特思达)」が開発され[3]、欧米への輸出が進められている[1]

日本市場への進出[編集]

2016年には、オーストラリア向け仕様の右ハンドル車の「アジアスター」を改装して日本向け仕様とした車両をオノエンジニアリングが「オノエンスター」として輸入・販売するようになった[6]

2020年には、イーグルバスが運行する「小江戸巡回バス」用として小型電気バスが2台導入された。オノエンジニアリングによりボンネットバス風に改造が施されており「日本初のボンネットEVバス」と紹介されている[7]

2021年にはオノエンジニアリングとともに株式会社ASIASTAR MOTOR COACH (ASIASTAR JAPAN) を設立し、日本における販路拡大を目指している。

脚注[編集]

  1. ^ a b c d About Us” (英語). Yangzhou Asiastar Bus Co., Ltd.. 2020年11月3日閲覧。
  2. ^ a b c バスラマインターナショナル (2018年9月23日). “最大生産能力は年間3万台! 観光車「オノエンスター」のふるさと、中国・揚州亜星の工場では電気バスの大増産が進行中”. バスとりっぷ / LCL, Inc.. 2020年11月3日閲覧。
  3. ^ a b c d 今日亚星” (中国語). 扬州亚星客车股份有限公司. 2020年11月3日閲覧。
  4. ^ 「冷媒大手の格林柯爾が国有バスメーカー買収(中国アジアNOW)」『日経産業新聞』、2003年12月24日、2面。「冷媒の大手メーカー、格林柯爾(グリーンクール、広東省)はグループ企業を通じて、国有バスメーカーの亜星客車(江蘇省)を買収した。上場企業である亜星の株式の約六一%を取得。...グループの投資会社、揚州格林柯爾創業投資が約三億元(約四十億円)を投じて、亜星客車の筆頭株主となった。亜星客車の親会社、江蘇亜星客車集団から発行済み株式を購入した。亜星客車は上海証券取引所に上場する大型バスのメーカー。昨年から経営が振るわず、中国紙によると今年一―九月期で約千百八十八万元の赤字を計上した。」 - 日経テレコン21にて閲覧
  5. ^ 「中国・鄭州宇通客車、ハイブリッドバス開発――燃料消費2割削減、下半期、量産へ。」『日経産業新聞』、2009年4月10日、10面。「【表】中国のバス市場の販売シェア(2008年)中型バス(42872台)...金龍蘇州24.6%...鄭州宇通21.0%...一汽豊田11.2%...揚州亜星5.8%...厦門金旅5.5%...(注)中国汽車工業協会のデータより」 - 日経テレコン21にて閲覧
  6. ^ 豪華仕様の貸切バスでVIPなバス旅行を楽しんでみよう!”. 貸切バスの達人 (2018年2月20日). 2020年11月3日閲覧。
  7. ^ 小江戸・川越に色を添える!! 2色のボンネットEVバスが小江戸巡回バスにデビュー”. バスマガジンWeb. 講談社ビーシー (2020年10月8日). 2021年6月10日閲覧。

関連項目[編集]