延対寺荘

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
延対寺荘
ホテル概要
運営 海栄館
部屋数 82室
開業 1925年
最寄駅 宇奈月温泉駅
最寄IC E8 北陸道 黒部IC
所在地 〒938-0282
富山県黒部市宇奈月温泉53
公式サイト 公式サイト
テンプレートを表示

延対寺荘(えんたいじそう、旧字体で延對寺荘)は、富山県黒部市宇奈月温泉にある温泉旅館

概要[編集]

1900年高岡市にて料理旅館『延對寺旅館』が創業し、1924年5月に宇奈月温泉に別館を建設し[1]、温泉旅館とした。1964年には別館、1968年には本館が増設され、1981年4月25日には新館の披露祝賀式が挙行された[2]

客室82室、収容人数479人の大型旅館である。2012年には、トリップアドバイザーの日本法人により『100年以上の歴史を持つ日本の老舗宿トップ20』で19位に選ばれている[3]

峡谷を目前に望む大浴場はガラス張りで、露天風呂は断崖絶壁にある。また、黒部峡谷がスクリーンに映し出された様なロビーも特徴である[4]

竹久夢二与謝野晶子川端康成志賀直哉[注 1]ら著名人が宿泊したことでも知られる[3]1969年には、全国植樹祭に出席するために来県した昭和天皇香淳皇后の宿泊先の一つとなった[5]

しかし、宿泊客の減少により負債総額が約30億円に膨れるなど経営が悪化したことから、2013年1月11日富山地方裁判所民事再生法の適用を申請し、同日付で保全命令と監督命令を受けたと発表。これに伴い、同日付より旅館経営の海栄館愛知県知多郡南知多町)と業務提携と事業再建支援に関する合意書を締結した[3]。結果、同年1月12日以降も営業が継続されることになった[6]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 志賀は1940年に親子で訪ねて短編小説「早春の旅」を書いている。「延対寺という妙な名前の旅館だった。これも雪国ゆえであろう。玄関の土間からは神社の階のような高い階を登って家に入り、火の気の無い寒い部屋に通された」と書いているが、「翌朝、頼んでおいた越前蟹、海蠃(ばい)、岩魚を食った。鶇(つぐみ)だけはなかったが、二人は満足した」で終っている。

出典[編集]

  1. ^ 『宇奈月の温泉開発』(1999年8月7日、宇奈月町教育委員会発行)23頁。
  2. ^ 『北日本新聞』1981年4月26日付朝刊16面『延対寺荘の新館が完成 宇奈月』より。
  3. ^ a b c 老舗旅館の宇奈月延対寺荘 民事再生法適用を申請(日本経済新聞、2013年1月12日)
  4. ^ 『富山お湯道楽ふるこ~す』(2003年4月7日、北日本新聞社発行)32頁。
  5. ^ 原武史『昭和天皇御召列車全記録』新潮社、2016年9月30日、133頁。ISBN 978-4-10-320523-4 
  6. ^ 『北日本新聞』2013年1月12日付朝刊1面『延対寺荘が民事再生 負債30億円 愛知の企業支援で継続』より。

外部リンク[編集]