底抜けシリーズ

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底抜けシリーズ』(そこぬけシリーズ)は、1950年代から1980年代にかけての底抜けコンビジェリー・ルイスディーン・マーティン)、あるいはジェリー・ルイス主演によるアメリカ映画の一連の作品群。ほとんどの作品はパラマウント・ピクチャーズで製作された。

解説[編集]

アメリカ人の映画に求める明朗な嗜好があらわれた作品で知られる。ドタバタ喜劇と荒唐無稽で大時代的な筋書きから、愛好家の根強い支持を集める。

日本では映画興行にとどまらず、2000年頃まで民放テレビ(主にテレビ東京)の深夜枠で繰り返し再放送された。

原題では「底抜け」なるシリーズとして統一された単語はなく、作品ごとに独立し淡々とした表現である。「底抜け」は淀川長治清水俊二によって名付けられた。

主演は、底抜けコンビとして知られるジェリー・ルイスディーン・マーティンの2人。後にルイス一人になってからも「底抜け」シリーズ(日本公開題名)は続作され、フランク・タシュリンノーマン・タウログのほか、自らも監督を務めるマルチぶりを発揮した。

ザ・ドリフターズのメンバーである加藤茶志村けんは、コメディアンとして当シリーズに大きく影響を受けている[1]

底抜け00の男』のクライマックスは、明石家さんま大竹しのぶ主演の映画『いこかもどろか』で再現されている。

作品[編集]

公開年 邦題
原題
吹き替え
(二人の場合ルイス、マーティンの順)
備考
1950 底抜け右向け!左
At War With the Army
1951 底抜け艦隊
Sailor Beware
近石真介広川太一郎 シリーズ中で日本初公開となった。
1952 底抜け落下傘部隊
Jumping Jacks
はせさん治青野武
1953 底抜けびっくり仰天
Scared Stiff
近石真介、羽佐間道夫
底抜けふんだりけったり
Money From Home
底抜けやぶれかぶれ
The Caddy
1954 底抜け最大のショウ
Three Ring Circus
底抜けニューヨークの休日
Living It Up
1955 お若いデス
You're Never Too Young
別題「底抜けダイヤ強盗」
画家とモデル
Artists and Models
鈴木やすし、広川太一郎
1956 底抜け西部へ行く
Pardners
愛川欽也、広川太一郎
底抜けコンビのるかそるか
Hollywood or Bust
鈴木やすし、羽佐間道夫 コンビでの最終作。
以降はルイス単独主演となる。
1957 紐育ウロチョロ族
The Delicate Delinquent
近石真介 別題「底抜けニューヨークウロチョロ族」
底抜け楽じゃないデス
Rock-A-Bye Baby
底抜け一等兵
The Sad Sack
1958 底抜け慰問屋行ったり来たり
The Geisha Boy
里見たかし
1959 底抜け船を見棄てるナ
Don't Give Up the Ship
底抜け宇宙旅行
Visit to a Small Planet
1960 底抜けてんやわんや
The Bellboy
底抜けシンデレラ野郎
Cinderfella
肝付兼太
1961 底抜けもててもてて
The Ladies Man
近石真介
底抜け便利屋小僧
The Errand Boy
1962 底抜け棚ボタ成金
It's Only Money
近石真介
1963 底抜け大学教授
The Nutty Professor
後にエディ・マーフィ主演でリメイク
底抜けオットあぶない
Who's Minding the Store?
1964 底抜けいいカモ
The Patsy
底抜け00(ゼロゼロ)の男
The Disorderly Orderly
1965 底抜け男性No.1
The Family Jewels
1966 底抜け替え玉戦術
3 on a couch
コロンビア ピクチャーズ製作。
1981 底抜け再就職も楽じゃない
Hardly Working
配給は20世紀フォックス

脚注[編集]

外部リンク[編集]

底抜けシリーズ一覧 - allcinema